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彷徨い人

10日陰:2012/11/11(日) 23:11:05 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
  【第壱話】【疲れるぐらいにメンドクサイ】

 「――…ファ〜〜〜……!眠たい…」
 ある日の朝型。黒く長い髪を揺らしながら、肌の白い少女が自分の家の廊下を歩きながら呟いた。少女、龍ヶ崎・東は寺の様な家の廊下を歩いて、ある一室の麩を開け、中に入っていく。
 「おは「おはよ―――――さぁぁぁん!!東ちゃん!!」……おはよう、おじいちゃん…」
 麩を開け部屋に入った途端、自分の祖父、龍ヶ崎・元慶が叫ぶように言われた。元慶は東を好きすぎる、バカ親ならぬ、バカ祖父なのだ。元慶は今は髪が生えぬ頭をポリポリとかき、着ていた着物の袖と袖に手をいれる。
 「昨日も大変なお仕事だったみたいね、東ちゃん!…っさ、ご飯もう用意してあるから食べよ?」
 部屋の真ん中に置いてある縦長机の横に正座して座っている奥園・玲羅。玲羅は、ただでさえ短い茶色の髪を後頭部で結んでいる。
 玲羅にポンポンと座布団を叩かれ、東は眠たそうな顔を少し笑わせながら、その座布団に座った。目の前には、今出来たと言わんばかりの、湯気が立っているご飯と味噌汁が置いてある。
 「いただ「東殿ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」……ナンデスカ、鋼クン」
 閉じられた麩を勢いよく開け、部屋に入ってきたのは釘原・鋼。鋼は部屋に入った瞬間、即座に東の横に座り
 「毒が入ってるやもしれません!!この釘原めが毒見を「何ほざいとるんじゃ―――!!腹出しポンコツ狸ィィィィィィ!!!」
 鋼のどうしようもない爆弾発言直後、元慶の脚が鋼の右頬を蹴った。
 「……ッツったぁ…何すんじゃぁぁぁ!!この糞爺ィ!!!」
 「儂の可愛い可愛い、孫にチョッカイかけるかけるなぁぁぁ!ストーカーで訴えるぞぉぉぉぉ!!」
 この口論もいつものこと。東と玲羅はそんな二人を無視してサッサと食事に取り掛かる。
 (……ったく、イッツモ、いっつも、疲れるくらいにめんどくさいんだから…)
 東は箸で味噌汁の具を止めながらズズズッと汁を飲む――。


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