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鈴扇霊

99ピーチ:2013/06/17(月) 05:12:38 HOST:em1-114-93-10.pool.e-mobile.ne.jp







 誠人が天音から柊一を引きはがし、小さく息を吐く。
「はぁ……大丈夫?」
「え? あ、……はい…」
 天音がしばらく呆然と柊一を見つめ、しばらくしてからやっと我に返った。
「あ、の……天野さん?」
「ん?」
 いつもの様子に戻った誠人が彼女を見る。
 天音が、恐る恐るといった体(てい)で幼馴染を視界に入れて。
「柊…、どうしたんですか?」
 幼馴染は自分だ。だがそれでも年齢が違う。だからそれなりに知らないこともある。
 自分が知らなくても物知りな誠人なら何でも知ってるんだと考えた天音なりの問いだった。
「うーん……知らない、かなぁ…」
「え?」
 しばらく答えあぐねるように視線を宙に彷徨わせ、やがて青年が小さく息を吐き出した。
 そして。
「…柊一ってさ、異常に酒に弱いんだ」
「―――は?」
 曰く。
 成人式を兼ねた去年の同窓会で酒を飲んだ際、最早見事なまでに人格が変わったらしい。
「それも、俺たちの前でだけね」
「………?」
「だからそれ以来、柊一にだけは何があっても酒は飲ませないようにしようって約束してたんだけどね…」
 今回は俺たちの対応が遅かった、と言う誠人に、天音が未だに唖然と柊一を見て。
「……お酒、に?」
「そう。まぁ俺たちも強いとは言えないけど、柊一は伝説になってもいいと思う」
 昇は意外と強いみたいだけど、と呟いた誠人に、天音がえ、と問い返す。
「昇が?」
「うん。まぁ、柊一がいるから飲まないんだろうけど」
 本人もあんまり好きそうじゃないしね、といって。
「……とりあえず、柊一をどうしようか」
「…あ……」
 かくして、次は柊一を言う人間をどうするかを言う問題が浮上した。






「柊一」
 胡坐をかいた昇が柊一を呼ぶ。
「え?」
「お前、昨日飲んだろ。あんだけ飲むなっつったよな?」
「………あー…」
 心当たりがあるのか、しきりに視線を彷徨わせ。
「いや、だって琉斗たちが」
「人のせいにするな」
「まぁまぁ」
 ゆうべ結局柊一を運ぶ羽目になった誠人が昇をたしなめる。
「……天音ちゃんが無事だったから、よしとしよう?」
「うんそうだな」
 誠人の言葉に昇が同意し、意味が理解できない柊一が首を傾げて。
「どういう意味? 天音だったら別に……」
「……………………」
 無言をもって返す昇である。
 しばらく言いあっていた二人が、やがてどちらからともなく息を吐いた。


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