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鈴扇霊
106
:
ピーチ
:2013/07/01(月) 05:26:50 HOST:em114-51-30-88.pool.e-mobile.ne.jp
すぅ、と規則正しい寝息が聞こえ、天音が小さく息を吐く。
机の上に突っ伏したままなのだが、この際それはいいかと思うのが雨音らしいと言えばそうなるのだが。
「……ねぇ天音」
「何?」
幼馴染の声に反応し、少女が振り返った。
柊一が苦笑気味に笑う。
「めぐみちゃんなんだけど、普通に寝かせた方が…」
「今更?」
確かにねと言いかけた柊一を遮り、昇が呆れたように息を吐いた。
「あの状態じゃ苦しいんじゃねぇの?」
そう言って部屋の中へ入り、彼女を床に寝かせて。
「じゃあ、俺ら帰るから」
「…えぇ……」
「めぐみちゃんのこと、気を付けてあげてね」
「分かってるわよ」
確かにゆうきには荷が重いだろう、これは。
「……ある意味、こっちに来て正解だったわね」
小さな含み笑いを零し、少女が身を翻しかけたとき。
「―――何の用?」
鋭く、容赦のない言葉が放たれた。
「貴方様のお傍に居るようにとの命が、下っておりますので」
「今まで居なかったのによくそんなこと言えるわね」
「そう怒るな。俺たちには俺たちの仕事があったんだ」
「そう。なら今すぐその仕事とやらを増やして永久にこの神社に入らないで」
無論神気が届く範囲に居られるのも困る。
彼女の言葉に、光陰と雷鬼が苦く笑った。
「夢月が行ったか」
「……何で、知ってるの?」
友人を伺い、天音が問う。
「今、聞こえてたからな」
「あら、盗聴が趣味だったの。なら人間に化けて専門的な方向に進めば?」
やたらと食ってかかる天音である。よほど水月のことが気に入らなかったか。
「………天音」
呼ばれた少女が視線を投げる。雷鬼が言った。
「俺たちは、確かに夜空から命が下ったという理由もある。だが一番は、俺たちの意思だ」
主の意思であると同時に、己の意思でもある。
「最終的に俺たちは自分で、お前を守るということを決めた」
天音が軽く目を見開いた。なら、この二人は自分の意思で此処に居るのか。
「私たちが居ることで、できる限り貴方様の助けになれば。夜空様がそう仰っていました」
穏やかに微笑んだ光陰が、そのまま姿をくらませる。
「どうする? お前が望まないのなら、俺も光陰も勝手なことはしないが」
そう言って彼女を見て、雷鬼が笑みを浮かべた。
「……少し、待って」
いきなりそんなことを言われても、簡単に納得はできない。
彼女の言葉に、雷鬼はあっさりと隠形した。
『心が定まったなら、呼べばいい』
その一言を残して。
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