したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

鈴扇霊

102ピーチ:2013/06/30(日) 10:08:28 HOST:em114-51-164-120.pool.e-mobile.ne.jp
短編〜出逢い〜






「だから………っ」
 肩を震わせながら、俺が怒鳴った。
「いい加減にしろ!!」
 そう叫びながら、俺は後ろに付き纏っていた雑魚霊どもを殴り飛ばす。
「ったくよ…」
 周りでは、クラスメイトやその親たちが気味悪そうな視線を俺に送る。
 でも、もうそんなの気にならない。
 こんな奴ら、視える人間が居るわけ―――
「―――あぶなっ」
 どっかで誰かの声が聞こえて、俺が振り返った。
 そして。
「………へ?」
 目の前に、小さな女の子の姿。
 でも普通の子供じゃなくて、それは。
「あ……」
 少女の細い手が、ゆっくりと伸びる。
 ―――薄青のワンピースを靡かせた少女は、笑いながら俺に近付いて。
 ―――ねぇ、わたしのこと、視えるでしょう?
 楽しげに、そう呟いた。
 正直、害がある妖怪の類とは思えない。大方、前に死んでしまってからそこに留まっているだけの霊だろう。
「…視えるけど?」
 俺の言葉に、少女が満足そうに笑い、そして。
 ―――…一緒に、来て?
 酷く楽しそうに、少女が言った。
 その笑顔が、どこか悲しそうに見えて。
「……分か…」
「駄目だ!」
「え?」
 さっきも聞こえた声がまた聞こえ、俺が後ろを見る。
「ふざけるなよ、幽鬼……」
 そう言った、肩より少し長い髪を一つに括った奴が、俺を通り越して真っ直ぐに少女を睨んでいた。
「…ゆう、き……?」
 幽鬼って、あの?
 ってそれ以上に!
「お前あれ視えんの!?」
「え?」
 ―――それが、出逢いだった。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板