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鈴扇霊

101ピーチ:2013/06/24(月) 03:13:51 HOST:em1-115-17-26.pool.e-mobile.ne.jp







「あ、もしもし天音ー?」
『……どうしたのよ、こんな時間に』
「いやいや、あんたなら寝る暇さえ惜しんで色々やってるだろーなーと思って」
 飄々と笑う電話主―――めぐみが、天音に問うた。
「ところで、この前の天神さんどうしてたの?」
 ぴくり。
 電話の向こうで少女が僅かに身じろいだ。
 ような、気がする。実際に見てないから分からないが。
「? 天音?」
『ごめんめぐみ、その件に関しては二度と触れないでもらえる?』
「は?」
 あの天音をここまで言わしめるとは。一体何をしたんだ。
 非常に気にはなるのだが、それ以上追及しようものなら着信拒否までされてしまいそうなので聞かないことにする。
『で、用はそれだけ? 今寝てたんだけど』
「えっ? 天音が!?」
『何よそれ随分と失礼じゃない。まるで私が年中寝てないようないい方ね』
「実際そんなもんじゃない?」
 電話の向こうで僅かに機嫌を害した様子が容易に思い浮かび、めぐみが苦笑した。
「………ねぇ。明日、何か用事ある?」
『明日?』
「うん」
 天音がちょっと待ってと言ってしばらく沈黙が降り、やがてあぁと呟いた。
『午前中にちょっとした用がね。それがどうかした?』
「あ、いや、大したことないんだけど。それって、昼からは予定なし?」
『今のところは』
 彼女の返事を受け、めぐみがそっかと呟く。
『何? 何か用があるなら、付き合うわよ?』
 午前中もあの二人に任せれば問題なし。
 恐らく笑顔で言い放ったであろう友人に、めぐみが慌てたように答えた。
「い、いや! 別に朝から絶対ってわけじゃないし、別にあたし一人でも……」
『なら、何で電話したの?』
 ぐっと、めぐみが言葉に詰まる。
 確かにそうだ。本当に一人で大丈夫なら、めぐみがわざわざ電話など入れるわけがない。
 それに、いくら天音が起きている可能性が高いからといっても、彼女は時間帯を気にする性格だ。
 あんな適当な理由だけで、こんな時間に電話を入れるなどあり得ない。
『……ごめん、嫌なら無理に話さなくてもいいけど』
「ううん、やっぱりお願いしようかな。……昼からでも、いいから」
『そう、分かった。明日は空けておく』
「うん、ありがと。ごめんね、おこしちゃって…おやすみ」
 そう言って通話を切り、めぐみが思わず自分の手のひらを見つめた。
 今までの会話だけでも、僅かに息が上がっている。
「……………っ……」
「何隠してんの?」
 唐突に聞こえた声。
 はっと、めぐみが振り返った。
「あたしが居るのに、何でわざわざ天音に電話したの? そんなにあたしが嫌だった?」
 責めるような口調。それを聞いためぐみが、苦笑気味に笑った。
「そうじゃないよ。ゆうきには、まだ色々とやってほしいことがあるから」
 そう言って、彼女がすっと身を翻す。
 そのまま、彼女の黒曜の髪が闇に溶けた。


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