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――DEBT――

8暮野:2012/10/27(土) 22:25:51 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
 第一話 其の六


 「……………」
 扇龍の中心にある塔。その名も、中心塔の最上階。シンと静まり返ったその一室に、地面に座り込む幸栄の姿があった。
 出入口には、外にも中にも二人の強化護衛がついている。
 幸栄は息の詰まるようなそこで、天井から床まである縦長の窓から外を眺めていた。まだ、明るい外は何の音もしない。ただ単に中央塔の最上階には下の音が聞こえないだけかもしれないということだろうが…。
 「……所木…かっ…」
 まさに滑稽、と言いたそうな口元をする幸栄。
 「笑えるよ、太陽の神、光神よぅ。…まさか忘れた訳じゃないんだろう?…僕が……」
 幸栄は目にかかった髪を耳に引っ掛けるとクスッと笑ってみせた。
 「君たち神々と、輪廻から外れたものを、いつか必ず殺すと言ったことを……」
 細い目をもっと細くした幸栄を、太陽の眩しい明かりが包み込んだ――――……。


                                             ―続く―


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