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ピーチ
:2013/08/04(日) 07:04:17 HOST:em1-114-170-159.pool.e-mobile.ne.jp
何となくありふれた日常
「おい翔(かける)ー! さっと来いよー!」
「あぁ、今行く!」
大親友こと黒峰理(くろみねさとし)の呼びかけに応じ、俺は大声で答えた。
そして、準備を済ませてから階段を下りる。
「母さん、練習行ってくるから!」
「気を付けなさいね」
「分ぁってるっての」
軽口を叩きながら、理と二人で道場まで歩き出す。
「……でさー、姉貴のせいでマンガ読めなくなったんだぜー?」
「あーりゃりゃ。そりゃーお気の毒に」
「絶対思ってないうよなっ!?」
理の絶叫が轟いだ、直後。
「―――え?」
なんだ、あれ。
いや、たぶん頭の中では理解してるさ。あぁそうだとも。
「通り魔………?」
「みたい、だな。それと、」
こっちに、来てるぞ。
恐らく、一番ガキである俺たちを狙おうと思ったらしい。刃渡り二十センチくらいのナイフが俺らに向けられる。
「っ、どーすんだよ!? 俺ら完全に丸腰じゃん!」
「まーまー。木刀ぐらいならあるだろ」
「冷静に考えろぉっ!?」
木刀で何ができる! と叫んだ理だが。
「できないことないだろ」
にっと笑んで見せると、ナイフの位置をかく乱させるために木刀を振り回して。
「理、今だ」
俺の言葉に、理があっと声を上げた。そのまま自分の木刀を掴み上げ、目の前に突進してきた男の手を狙った。
「小手?」
自分でも分かっていないような声を上げながら、理が首を傾げる。
「小手? って何だよ小手? って……」
俺が苦笑しながら理に、っていうか男に近寄り、その腕を捻り上げる。
「いっでででででででっ!」
「なーんで俺ら狙ったわけ? お陰で傷付いたんだけど?」
とそこに、誰かが呼んだらしい警官が駆けつけてきた。
「犯人逮捕のご協力、どうもありがとう」
比較的若く見える警官がそう言って笑い、男を引っ立ててパトカーに乗って行った。
「………練習、行くか」
「そだな」
自分が狙われるって、何となく現実味なくてついやりすぎたけど。
「実際、かなり不味いよなこれ」
「……あぁ」
互いにそんなことを言いあいながら、やっぱり道場に着いた時には師匠の雷が落とされた。
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