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闇色

43ピーチ:2013/01/04(金) 20:54:52 HOST:EM1-114-144-142.pool.e-mobile.ne.jp
櫻の相談所




「あ………」
「大丈夫かい? どこか痛む所はない?」
 彼(橘と言うらしい)の言葉に、彩織が頷く。強いて言うなら手足全般痛いが、それは傷のせいだと分かっているので大丈夫だと思う。
 彩織の言葉に軽く頷き、橘が横を向いた。
「一週間近くも飲まず食わずだった上に低気温、それにあの傷ですから。それに見つけにくかったんですが、右肩をハンマーのようなもので殴られたような跡もありました」
 橘の言葉に、彩織がびくっと肩を揺らす。
「え…?」
 彼の言葉に聖月が息を呑んだ。
「そうなの………?」
「………だって、」
 縛られていただけ理由ではない。抵抗すれば、殺される。直感でそう感じたがために動けなかった。
「でしょうね。あの男、人を殺すことに何の躊躇(ためら)いもないような男だもの」
 葉月の言葉に、聖月が目を見開いた。
「まぁ、しばらく安静にしてればよくなりますよ」
「え? あ、ありがとうございます」
 そう言った聖月に軽く会釈をし、橘が部屋を出て行った。





「―――では、後日また事情聴取と言うことで伺わせていただくかもしれませんので」
「はい、ありがとうございました」
 では、と軽く会釈をして帰っていく刑事の姿が見えなくなったとき、彩織が僅かに震えた。
「……明日、休む?」
 聖月の言葉に、彼女は首を振る。
「ううん、行くよ。一週間近くも無断欠席してた上に一週間休んじゃったもん。これ以上はさすがにね」
「理由があっての無断欠席なのに?」
 小さく笑った聖月に、彩織がうんと返す。その声が僅かに震えていたのは、気のせいではないだろう。
「じゃあ、行ってきます」
「気を付けなさいよ?」
「分かってる」
 彩織が言った直後、沙希と冬樹の声が聞こえた。


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