[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
メール
| |
闇色
38
:
ピーチ
:2013/01/03(木) 20:35:37 HOST:EM49-252-66-115.pool.e-mobile.ne.jp
櫻の相談所
「…………っ」
小柄な少女が、身を竦ませている。
それを認め、男が嗤った。
「君もそろそろ飽きてきたなぁ…」
そう呟いた男が、時間を確認した。
時計の針が指しているのは六時三十分。
そろそろいいかと呟いた男が、おもむろに何かを取り出した。
それを見て、彩織の表情が恐怖に染まる。
「……っ、いやぁっ!」
叫んだ後で、彩織がはっと我に返った。
恐る恐る男を見ると、男は驚いたように彼女を見て、やがて笑い。
「あーあ……約束、破っちゃったねぇ………?」
「あ………っ」
醜く笑った男が、それ―――ライターに火を付ける。
それを見て、少女の身体が小刻みに震える。
「や………め、て…」
怯えたように言い、その瞳から大粒の涙が零れる。
「ごめんなさい…………! もう大声上げないから………っ! だから……殺さないで………っ」
「んー、でもさぁ」
男は、少女の言葉ににぃと嗤った。
「約束は約束………だしねぇ?」
そう言った男が、用意していた『何か』を彩織に浴びせかけた。独特の刺激臭が鼻を刺す。
「え……」
「分かるだろ? ………灯油、だよ?」
「………や……、」
喉に力が入らない。そのせいで声が震える。
男が、一度消した火を再び付けようとしたとき―――
「―――……いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「―――やめなさいっ!!」
突如聞こえた声に、男が驚いてライターを取り落した。
「な………っ」
「大木村友也(おおきむらともや)、女子中学生連続誘拐犯の重要参考人及び拉致監禁、殺人未遂の現行犯で逮捕」
よく響く女性の声に、男が咄嗟に動けない間に。
「大丈夫!?」
唐突に聞こえた声に、彩織がはっと顔を上げた。
そこに居たのは、あの時彼女に忠告をした少女と。
「だから気を付けろって言ったのに………っ!」
そう言った葉月が彩織の両手足の縄を解いた瞬間、少女がふっと前かがみになった。
「っ……!? おい彩織!?」
慌てた少年らしい声が聞こえた後、葉月が安心したように言った。
「大丈夫、気を失ってるだけよ…」
不審げに首を捻る冬樹に、葉月が呟いた。
「でも、まぁ無理ないわよね。こんな所に一週間も。それに、あんな男に次は何をされるか、なんていう不安まであっただろうし」
その上、制服は両腕の辺りがほとんどが焼け焦げており、黒いハイソックスに覆われていたはずの足にも、かなり火傷の跡が見られる。
そう言った後に、ふと山月に言う。
「山月さん。念のために病院に連れて行った方が……」
「分かってる」
そう答え、山月が二人に言った。
「二人とも、その子連れて来てもらえる? とりあえず病院まで急ぐから」
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板