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ピーチ
:2013/01/03(木) 19:53:01 HOST:EM49-252-66-115.pool.e-mobile.ne.jp
櫻の相談所
「彩織ー?」
いつものように旅館の入り口から友人を呼んだ沙希と冬樹の耳に、穏やかな声が飛び込んできた。
「ごめんね、今日ちょっと彩織が具合悪いみたいだから、休ませるわね」
「え? そなんですか?」
「えぇ、ごめんね」
その言葉を受け、二人がそのまま学校まで向かった。その二人を彩織の母―――聖月(みづき)は不安そうに見守っていた。
―――娘が帰ってこないんです。まだそちらにいらっしゃいますか?
聖月の問いに、彩織の担任は困ったように答えた。
―――いえ、五時前に帰ったはずですが……?
その言葉を受け、聖月が言い表しようのない不安を覚えたのだ。
「……彩織…………」
不安げに呟き、そして小さく息を吐いた。
不意に聞こえた足音に、少女がはっと顔を上げた。
「あぁ、起きてたのかい?」
「…………………っ………」
最早恐怖で声も出ない彩織に、男は不気味に嗤う。
「そんな顔しなくてもいいんだよ? 後ちょっとだからね?」
そう言った男が取り出したナイフが、迷いなく少女の腕に突き刺さり、足を掠める。ハンマーのようなもので肩を殴られ、そしてライターの熱が容赦なく腕や足に密着する。
「いた…………っ」
狂気に歪んだ男の握った炎が、自由に踊っていた。
「あれ?」
「あ、こんにちは」
唐突に葉月と出くわした沙希が、笑顔で挨拶を交わした。
「こんにちは。……紅神さんは、一緒じゃないの?」
「あぁ……」
見るからにつまらなさそうに、沙希が言う。
「それが、ここの所ずっと休みで。何か体調悪いらしいんですけど」
「ここの、所?」
「はい。もう、そろそろ一週間になるのに……」
それを聞いた葉月があ、思慮深げな表情になる。
「そう……ありがとう」
「山月さん」
山月と呼ばれた女性が、声に反応して振り返った。
「あれ、葉月ちゃん?」
「あの、今捜索願が出されてる中学生って居ます?」
葉月の言葉に、山月がぴくりと反応を示す。それを受け、葉月が問うた。
「誰ですか?」
「……あのね葉月ちゃん、いくら普段お世話になってるとは言っても…」
「紅神彩織……じゃないですか?」
山月の表情が、ざっと強張った。
「……もう、死んで…………?」
「いや、後輩なんです」
そして、次に。
「……もう、一週間近く学校を休んでいるようですけど?」
それを聞いた山月が、弱ったなぁと呟いて。
「そこまで分かってるなら、確認なんて必要ないじゃない?」
「その件で相談があるんです」
「え?」
葉月が、少し考え込んでから、こう言った。
「実は―――………」
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