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闇色
32
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ピーチ
:2013/01/03(木) 18:20:49 HOST:EM49-252-209-107.pool.e-mobile.ne.jp
櫻の相談所
「―――ん………」
ゆっくりと目を開けた彩織が、軽く辺りを見回す。
どうやら両手足は椅子にきつく縛り付けられているようであり、彼女の力で解くことは敵わないだろう。
「ここ…は……?」
直後、低い男の声が聞こえた。
「起きたかい?」
びくりと、少女の肩が震える。
朝に見たニュースが、脳裏に蘇る。
―――女子中学生連続誘拐事件。
「……あ……………」
他人事だと、思っていた。
自分が巻き込まれるなど、その瞬間まで誰が思っただろう。
―――被害者の女子中学生は、身体の所々に切り傷や火傷の跡、殴られた跡などがあり……
「……や………っ、だ……」
じわっと少女の双眸に涙が溜まった。
「大丈夫……大声さえ上げなければ、すぐに帰れるよ……?」
そう言った男の手には、いつ取り出されたのかぎらりと光る長いナイフ。その刃先が赤く見えるのは、決して気のせいなどではないだろう。
彩織の瞳が、音を立てて凍りついた。
男の握るナイフが、彩織の腕に深々と突き刺さる。
「っ……!」
痛みに顔を歪める彩織をいたぶるように、楽しそうに、男はそれを繰り返す。
「あー…もうこんな時間だ。じゃあ」
濁った鉛色の瞳が彼女を映す。それに反応し、彩織がびくりと震えた。
「あぁ。言っとくけどね。ここは元々人通り少ないし、もし仮に人が居てもこんな廃工場、誰も気にしないから」
そう言いながら、男はにぃと嗤(わら)い、放り投げたナイフを彼女の首にあてがった。
「―――もし俺が居ない間に逃げ出したら………どうなるか、分かるよね?」
男の一段低くなった声に、少女が首を縦に振る。
「ならいいんだよ。まぁ、何日か俺の道具になってくれればいいからさ」
そう言った男が、外に人が居ないことを確認し、外へと出て行った。
「……………あ……」
これから、どうすればいいのだろう。
「……寒い…」
何しろ、季節は秋を終えてそろそろ冬になりつつある。そんな中、こんな場所に居て、寒くないわけがない。
自分はこれからどうなるのだろう。
寒さだけでも十分な理由になっていたのに、それに恐怖が加わり、彼女の全身から血の気が引いた。
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