したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

闇色

22ピーチ:2012/10/27(土) 10:21:28 HOST:i121-118-222-157.s11.a046.ap.plala.or.jp
『媒介』

「なぁ」
 唐突にかけられた声に、私が振り返った。
 そして。
「お前のその能力(ちから)、ちょーっと分けてくんねぇ?」
 それが、始まりだった。




「―――いい加減にしてよね!?」
 今のは私の声。
 空字 羽音(くうじ はおと)。
「いいじゃん別に。俺って言う媒介がなきゃ、お前今頃どっかで死んじまってるんだからさぁ?」
「っ……元々、あんたが私の所に来なきゃ良かったんでしょうが!?」
 つい声を荒げた私に、目の前に居る男、夢月 氷(むつき ひょう)が答えた。
「…大体、あんたが居なきゃ私は今だって媒介なんて必要なかったのよ」
 冷静さを取り戻しながら紡いだ言葉に、氷が顔を上げる。
「私は貴方に力を貸した。だから媒介が必要になった。違う?」
 そう。
 私の元々の魔力は、この男によって奪われた。
 だから、今の私は氷って言う媒介がなければ力を使うことが出来ない。
「……もちろん、私にも非はあったわ。でも、それ以上に貴方にあるんじゃないの?」
 その言葉を受け、氷がにっと笑った。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板