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闇色

20ピーチ:2012/10/25(木) 20:49:22 HOST:i121-118-222-157.s11.a046.ap.plala.or.jp
『使命④』

「おい、アーリー?」
 俺の声に面白いくらいの反応を示してくれ、慌てて空中を見上げた少女が居た。
 アーリー・クレイゼン。
 隣の国、シュールジング国の、姫(プリンセス)。
「れ、レオン様!?」
 なぜ此処に、と可愛らしく慌てながら言うアーリーの抗議の声を無視しながら、俺が言った。
「…まだその年だからな、どっか行きたいとか脱走したいとか、そう言うのは分かる。でも、お前はプリンセスだろ? お前はお前の国を、しっかりと護っていかなきゃいけないんだ」
 そう。アーリーはまだ十にも満たない子供。
 そんな子供にこの言葉はまだ難しいだろうとは思ったけど、アーリーに付いてる兵辺りが教えてやるだろ。聞けばだけど。
「でっ、ですが!」
「ですが、何だ?」
「う………っ」
 子供を丸め込むのが簡単だなんて、とんでもない。
 むしろ、下手すりゃ大人よりも面倒だぞ。
「れ、レオン様はいやだとお思いになられたことはないのですか? いつもいつも、おうちのなかで勉強ばかりで…」
 しゅんと俯いた拍子に、オレンジの髪がアーリーの表情を隠した。
 …子供相手だから、じゃない。
「そうだなぁ……確かに、俺もそう言うことはあったよ。だから本当は、アーリーにどうこう言えることじゃない」
 それを聞いたアーリーが、えっと顔を上げた。


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