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天使も悪魔もカンケーないっ☆
6
:
ピーチ
:2012/09/17(月) 19:32:55 HOST:i121-118-221-80.s11.a046.ap.plala.or.jp
『第二話・影下 闇菜』
「―――人界の地より、今立ち還りし者。それが、我なり」
妙に重苦しい空気が、ぽつりと呟いた彼女の周りに渦を巻く。
「今開け―――魔界への扉」
直後。
まだ紅い夕日が見えていたはずの場所に、黒々とした何かが覆い始めた。
そして。
「―――お帰り、お嬢」
優しげな風貌をした青年が、闇の中から現れる。
それを見て、その闇を呼んだ少女―――闇菜はふっと笑みを浮かべる。
「ただいま。リンディア」
「うん。……えっと?こっちでも一応闇菜って呼んだ方が?」
「ううん、こっちではリュルでいいわ。……闇菜は、仮の名前だから」
「そっか」
リンディアと呼ばれた青年は、確認事項を終えた後、用件を告げた。
「リューク様がお待ちになってるよ」
リューク。
その名を聞いて、彼女の表情が無意識にすっと引き締まる。
「分かったわ。すぐに行きますって言って置いてくれる?」
「了解」
闇菜の言葉に、リンディアが頷いてその場を去った。
「…………父上、が?」
疑問を抱きながらも、彼女は己の背から、何かを生み出した。
―――漆黒の、とても大きな、そしてとても堅そうな翼を。
それを勢い良く羽ばたかせ、彼女は自分の父、リュークの待つ部屋へと向かって行った。
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