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天使も悪魔もカンケーないっ☆
4
:
ピーチ
:2012/09/17(月) 14:39:52 HOST:i121-118-221-80.s11.a046.ap.plala.or.jp
『第一話・エンジェル or デビル』
「あ」
そう呟いた、少女が居た。
ふわりとした、少しウェーブがかかった栗色の髪に、白い肌。優しそうな、しかし意思のこもった墨色の瞳。
その声は、彼女の視線の先に居る少女にまで届いて。
「…あ、おはよう」
声に反応して振り返った少女が、彼女を見つけて先に挨拶をする。
先程の少女とは全く違い、むしろ対照的だとさえも思わせる、真っ黒な、墨色の髪。そして、少女と同じ白い肌に墨色の瞳。
「おはよう」
優しげな笑みを浮かべながら、後ろに居る少女も挨拶を交わす。
「影下さん、昨日って仕事だった?」
そう言った少女―――天羽 未央は、相手の少女―――影下 闇菜に尋ねた。
「…えぇ。ちょっと、ね…」
気まずげに、闇菜が呟いた。
「そっ…か、ごめんね、いきなり変なこと聞いて」
「いいわよ、それよりそっちは? 昨日、連絡取れなかったわよ?」
「うん…こっちも仕事入ったからね…」
「…そう」
二人の会話を聞いただけでは、何の仕事か分からないだろう。まず、中学生の姿をしたこの二人が仕事をすること自体がありえない。
「昨日、一回お父様の所に行ったの」
不意に、未央がそう語り出した。
「へぇ…で、どうしたの?」
「まーたエルに捕まっちゃった」
ぺろりと舌を出して呟く彼女は、しかし次にこう言った。
「でもね、気に入ってないのはエルだけであって、お父様や他の天使(エンジェル)達はいいって言ってるのよ? 悪魔族とは言えども、味方なら親しくするにこしたことないって」
―――悪魔族。
今、この少女はそう言わなかったか。
頬にかかった栗色の髪を払いのけ、未央は続ける。
「お父様達だって、手を結んだことはあるんでしょう?」
未央の言葉に、闇菜は弱々しい笑みを浮かべながら。
―――影下 闇菜。
普通でないその名は、ある特殊な能力を秘めている証。
この少女は。その名の如く、“闇”を住処とする、いわゆる“悪魔”。
しかし。
「でもやっぱり……悪魔族は悪魔族なのよ?いつかは、敵対するかも知れない。そんな可能性もあるのに、貴方に私を殺すことができる?」
この少女は、違う。
“悪”を忌み嫌い、“善”を好む。
「……多分、無理」
未央は、闇菜の言葉にそう返し、そして次にこう反論する。
「でも、さ……私、影下さんが人を殺すなんて、出来ないと思う」
私以上の良心の塊だもん、と未央が呟いて。
―――天羽 未央。
その名が如く。そして、闇菜とは全く種族が違い。しかし。
闇菜同様、“悪”を嫌い、“善”を好む。
しかし、彼女は悪魔族である闇菜のことを“良心の塊”と表現した。
そして、自分のことを。
「私は―――影下さんに比べたら、ずっと良心なんてないからなぁ……」
そう呟いて、その後に明るく言う。
「まぁ、大丈夫だよきっと。だって……」
―――“善”も“悪”もないと、人間は成り立たないから、ね?
そう言って、優しく笑った。
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