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天使も悪魔もカンケーないっ☆
12
:
ピーチ
:2012/09/27(木) 21:23:33 HOST:i121-118-221-80.s11.a046.ap.plala.or.jp
『第九話・異変』
―――しばらくしてから。
「……じゃあ、明日ね」
「うん、また明日」
そう言いながら、二つの人影が浮かび上がった。
一つは大きく、とても上質そうな純白の羽根を持った者。
もう一人は、真逆の漆黒の固そうな翼を持った者。
全くと言っていい程に正反対に見えるこの二人は、実際真逆の世界に住まう者達である。
一人は天界、そして、もう一人は魔界。
「………ねぇ、リュル?」
リュルと呼ばれた、今まさに飛び立とうとしていた少女が、漆黒の翼を翻す。
「何?」
「さっきから………何かに尾(つ)けられてる気がするんだけど…」
そう呟いた少女―――ミューラの言葉に、リュルはその恐ろしい程に整った顔に、険を滲ませて。
「…やっぱり、気付いてたかぁ…私達を尾けてるのかな……」
「や、怖いこと言わないでよ…」
いささか表情を引き攣らせ、彼女はしかし苦笑を返す。
「でもまぁ、気になるならさっさと家に帰ればいいわけだし、何もそこまで怯える必要ないんじゃない?」
そう言ったリュルの言葉も正論なので、とりあえず頷きながら、さっさと天界への門を開いていった。
次の日。
「……なんで、こんな朝っぱらから…」
昨日感じた視線が、未だに感じる。
と、言うことは。
「やっぱり……」
「人間じゃあ、ないわよね」
「ひゃあ!?」
唐突に聞こえた声に裏返った悲鳴を上げ、自分の肩に置かれた手を見て、更に小さく飛び上がった。
「何よその反応……少しは落ち着きなさいって」
そう言った少女、影下 闇菜の姿を認めて、ミューラ―――天羽 未央が慌てて謝る。
「ご、ごめん! やっぱり、あれからもちょっと怖くて…」
「ったぁく……」
そう言った時の闇菜の表情は、言葉とは裏腹にどこか真剣さを帯びていた。
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