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ムーン☾クロニカルズ
58
:
彗斗
:2013/03/03(日) 02:01:58 HOST:opt-115-30-133-28.client.pikara.ne.jp
特別書き下ろし篇 街の郊外のラベンダー畑でネオスに出会う少し前のカットされたお話
「♪〜 ♪〜 ん?」
鼻歌を歌うのを止め歩みを止めた麗奈、いきなり止まった麗奈の動きに反応しきれなかったのか麗奈のふくらはぎにムーンが追突して来た。
だがそんな事は気にもせず彼女は前方にある物を見つけていた為、それを見ようと必死に目を凝らせていた。その視界に捉えたのは……
――綺麗な薄紫色の髪を持った麗奈と同い年ぐらいの少女
「すんごくきれ〜い……ラベンダーの花びらの色を少し薄くしたみたいな髪の色ね〜。いいわね〜憧れちゃうわ〜……」
暫くはそれにうっとりと見惚れていた麗奈だったがどこかフッと優しそうでどこか悲しげな笑みを大空に向けて浮かべた後、彼女は何処かへと立ち去ろうとしていた……
「あっ! 何処か行っちゃう! ムーン行くよっ!」
麗奈達が慌てて駆け出した頃には、少女はもう見えなくなっていた。それでも遠くには行っていない筈と麗奈は必死に坂を登りきったが……
「ウ…ウソ……? き…消えた……!?」
何と少女は後形も影も形も無く消え去ってしまったのだ。足跡らしきものも無く、少女がそこに居た事を証明する尤もらしい形跡も無かった。
「……ユーレイ? ねぇムーン、あの綺麗な人ってユーレイだったのかなぁ?」
当然の事ながらムーンには全く理解が出来ないらしい。首を傾げる事もせず、全く別の方向を向いている……
「……ムーン、アンタさぁ…本当に私の欠片探しを手伝いたいと思ってる?」
それを聞いてもムーンはいつもの知らん顔である。
「ふーん…ムーンはそこまで冷たかったのか〜、そうだったのか〜」
わざとらしく呟いた後、くるりと踵を返すと……その視界に入って来たのは……
――一面のラベンダー畑である。
「うわぁ〜!! すっごくひろ〜い♪」
麗奈は、花がどうやら好きな様だ。だが花に夢中になり過ぎて分らなかった様だ、
――麗奈を見つめる白い人影に……
その人影は風に散る花びらと共に消えてしまった……
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