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ムーン☾クロニカルズ

10彗斗:2012/09/08(土) 19:52:16 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
二乃欠片 相棒との出会い…
「ん〜? だぁれ?」
 木々の間に架けられた大きめのハンモックに自分の体を預けて寝ていた時、麗奈はふと人の気配を感じて目が覚めた。
 麗奈は眠そうに上半身を起こして二人が消えた場所の周辺を見ていると……一人、凛とした男の姿が目に映った。
「……君か、あの門を開く資格を持つ者は……」
「あ……貴方は誰?」
 いきなり意味の解らない言葉を口にした見覚えの無い男に向かって恐る恐る麗奈は訊いてみた。
 すると……男は口角を少し上げた後、自分の名を名乗ろうとしたのだが……
「お前は俺の顔を忘れたってか? 俺の名は……いや、言わないでおこう。ここで言うとお前が混乱するだけだしな」
 この男は、どうやら麗奈の事を知っている様子だ。ただ一つだけこの男には不自然な点がある。
 何が不自然かと言うと……この男、顔も頭もフードで隠して見えない。それに声もよくよく訊いてみると……擬声の様な感じがする……。
 それほど麗奈に顔を見られる事が不味い事なのか……
「……貴方、そんな恰好でここに何の用?」
「あぁ…すまない。ここに長居する気は無いからちゃっちゃと用事を済ませる。その用の内容は…コイツを渡す事だ」
 とパチンと指を鳴らした時、彼の斜め右前方に光が現れその中から月色の狐の様な動物が出て来た。その動物を見た麗奈はポカ〜ンとした顔でその男の隠れている顔を見ている……
「え……その動物は何?」
「…お前まさか…この動物を…知らないのか?」
 信じられないとでも言う様な雰囲気で見返している男に向かって冷や汗を垂らしながら……言い訳をした。
「…だって私はその動物見たこと無いもん…」
「……ま、仕方がないか。お前の環境では見る事は出来ないしな。コイツは「ムーン・ジャッカル」。簡単に言い換えれば狼だ。お前の旅の頼れる相棒になる筈だ連れて行くと良い」
 そう言いながら男はジャッカルに指示を出して麗奈の近くに行かせた。ジャッカルはその後、じっと麗奈の顔を見て…コツンと顔を麗奈の足に押しつけ始めた。
 その様子を見た男はホッと安堵の溜息をつきながら何をすればいいのか分らない麗奈に説明をし始めた。
「…その様子からすると……お前をご主人と認めたみたいだ。良かったな、もしコイツが認めてなかったら…お前に噛みついていた所だ」
「……ま、いっか。これからよろしくね…え〜と額に月の形みたいな傷があるから……『ムーン』!!」
「ヴァン!」
 このやり取りを見ていた男は…「頑張れよ」と静かに言い残し、その場から消えてしまった……


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