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幻影師
94
:
ピーチ
:2012/12/09(日) 17:36:44 HOST:EM114-51-164-105.pool.e-mobile.ne.jp
『第六十七話・隠れ家』
「―――で、突然連絡取れなくなったのは自分でもわけ分からないうちに連れ去られたから……と?」
「そ、そーそー」
最早愛想笑いの霊を見て、緋織の眉間にしわが一本刻まれた。
「そーそー、じゃないわよ!! 私達がどれだけぢ心配したか分かってんの!?」
「神瀬から聞きました」
苦笑交じりの霊の言葉に、花音が小さく息を吐き。
「……まぁ、無事だったんならそれにこしたことはないけど…」
呆れ交じりに呟かれた言葉に、傍に居た弥生と誠也も首を縦に振った。
「全くだな」
「いくら何でも、私達が帰った直後にそんな変なことに巻き込まれる?」
「…るせ」
ばつが悪そうに顔を背ける霊の耳に、少女の声が響いた。
「兄様、警察は駄目だとあれほど………っ」
「…今は、信じるほかないだろう?」
何せ、大切な妹を護るためだ。そのためだから、仕方がない。
「……本当に、守ってくれるんですか?」
青年の言葉に、花音がうーんと首を傾けた。
「守るっていうのとは、少し違うわね。私達はあくまでも、匿うだけ」
彼女の言葉に青年が目を見開く。だが、当人は全く気にしない。
「匿えるかってことを聞かれたんだもの。わざわざ守る必要まではない」
でも、と花音が付け加える。
「だから、ここに居れば安心だし、必要なものがあれば頼めばいい。ここに居るのは、一人じゃないから」
にっと笑った女性の言葉に、少女が問うた。
「もう、逃げる必要はないのですか?」
「…そうねぇ、居場所が捕まれない限り、問題はないと思うけど…」
そのために、わざわざ人目を避けてここに連れてきたのだ。これで見つかろうものなら、今までの苦労が水泡に帰すではないか。
「まぁ、見つかったら見つかったで霊達に守ってもらえば安心よ」
「おい、何だその無責任な言い方は」
霊が、思わず半眼になって詰め寄った。花音は苦笑しながら、
「ほら。こーんなに怖いお男が居るのよ、多少の問題はないって」
そう言って笑った花音が完全に全てを諦めたことを悟り、霊達が揃ってため息を吐いた。
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