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Love the square

170ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/10/10(水) 18:04:09 HOST:EM117-55-68-185.emobile.ad.jp




「よし、ミスド行こう!」


 放課後になった瞬間すぐさまミスドの提案をしたのは里咲だった。
 早くない?とめぐが抗議したけど、それを無視して里咲が言う。


「たまにはマックでもいいかもなー」
「なにお前ら、放課後遊ぶの?」


 里咲の言葉につづけて楽しげに声をかけてきたのは渓人だった。
 空が不安そうにわたしと渓人を交互にみたのを見つけ、ちょっと緊張しながら言う。


「渓人、健人が昨日はすみませんって」
「いやー、俺も大人げなかったわ! 俺こそごめんって伝えといて」


 なんだ、普通の渓人だ。
 ちょっと安心して微笑むと、渓人は笑いながら冷たく言い放った。


「昨日莉乃が帰ってからまじつまんなかったわー」
「え、どうして?」
「可愛い女の子いなくなったじゃん」
「奈々ちゃんもいたし、めぐも里咲もいたじゃん」


 むっとしながら抗議すると、渓人はへらりと笑った。


「奈々って子は空に夢中だし、めぐは敦志と話てっからよー」


 ちょっと待ってよ、里咲は?
 なんて言える強さわたしにはなくて、でもいち早くその場から逃げたくて席を立ちあがった。


「わたし具合悪いから帰る」
「ちょっ、莉乃?」


 めぐが不安そうにわたしの肩に触れたのがわかったけど、走って教室を出てしまった。
 何やってんだろ、わたし。


 とぼとぼと校庭を歩いていると、後ろから渓人が追いかけてきた。
 なんで渓人なのって思ってしまう。


「待てよ莉乃、俺なんか悪いことした?」
「……里咲のこと」


 ぼそりと小さな声でいうと、渓人は苦笑しながら言った。


「里咲は苦手なんだよ」
「だからって目の前であんなこと言うの?」
「……悪かったって、俺だって必死なんだよ」
「なにに……?」


 泣き始めたわたしを見てあわてる渓人。
 わたしが勝手に泣いてるのに、これじゃ渓人が泣かせたみたいだよね。


「……莉乃に、振り向いてほしくて」
「え……?」




 それって告白?なんて聞けるほど強くないわたしはただただ戸惑っていた。




「っ」



 その瞬間に、重なった唇。



「やめてっ……」
「ごめん」
「……渓人わかんない……意味わかんないよ」


 なんでキスしたの?
 なんで謝るの?
 なんで里咲のこと嫌いになろうとするの?



 ぶわっと涙があふれた。



 健人、来てよ。
 そう思ったとき。



「何勝手に俺の莉乃泣かせてるんですか?」



 大好きな、健人の声。



「けん、とっ……」
「莉乃、とりあえず場所かえよっか」


 健人はそれだけいって、涙がとまらないわたしの背中を撫でてくれた。






     -



 ぐだぐーだ。


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