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Love the square

165ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/10/08(月) 17:47:13 HOST:EM117-55-68-11.emobile.ad.jp



 これが、渓人と里咲の過去。
 そして渓人の里咲に対する思いであり、里咲に振り向かない気持ちの理由だった。


「……里咲にさ、説明してやってくんない?」
「本当のこと教えちゃってもだいじょうぶなのかな」
「いずれ向き合わなきゃいけないことだろうし、早いほうがいいだろ」


 空はそういって、敦志を引きずって公園を出た。
 わたしは二人より少し遅れて公園を出て、きっとまだ里咲とめぐがいるであろうミスドへ向かう。


 少し、緊張した。


     ×


「里咲、めぐ!」
「おかえり莉乃ー!」


 予想通りミスドでガールズトークしていた里咲とめぐ。
 わたしはさっきの位置に座ると、少しドキドキしながらさっきのことを話した。


「あのね――」


 二人はわたしの話をとても真剣に聞いてくれた。
 そんな二人に今まであったことを話すのは怖くて辛くて嫌だったけど、里咲とめぐはちゃんと受け入れてくれた。


「渓人、やっぱり莉乃のことが好きだったんだ」


 そういう里咲の目から涙があふれだすのがわかった。
 わたしが里咲を泣かせているんだと思うと胸が苦しくなる。


「あたし、何であのとき渓人を振ったんだろ」
「里咲は……わたしを恨んだりしないの?」


 わたしがおそるおそる訊くと、里咲は泣きながらも微笑んで言った。


「莉乃はあたしの大事な親友なのに、恨むわけないじゃん」


 わたしまで涙があふれてきてしまった。


「なんで泣くの〜?!」
「うれしくてっ……」


 いつのまにかめぐまで泣いてる。
 周りから見たら変な客なんだろうな。


 そう思ったとき、ミスドに見覚えのある三人組が入ってきたのが見えた。


「健人?」
「莉乃!」


 反射的につぶやいた言葉に気づいたのか、三人組はこっちを向いて驚いたような顔をした。



 ずっと、会いたかった人。


「莉乃ごめん、最近会えなくて」
「ううん、学年違うんだし仕方ないよ」


 実は、制服の移行期間とともに屋上閉鎖の時期になってしまったのだ。
 冬になると雪が積もったり氷がはったりですべって落ちたら危険だからという理由で閉鎖されたらしい。
 もちろん春や夏にはまた開放されるのだが、いっしょにお昼を食べていた屋上が使えないとなると会う機会も少なくなってしまった。


「り、りの?」
「だれこのイケメン」


 めぐと里咲の戸惑った表情に、わたしはあわてて説明した。


「えと、わたしの、その……」
「莉乃の彼氏です。一年の健人っていいます」


 わたしが彼氏という単語をいえずに戸惑っていると、健人は笑いながら言った。
 いっしょにいた奈々と翔も自己紹介する。


「健人の幼馴染の奈々です」
「俺は翔です!」


 里咲の目から伝わるなにこのイケメンビームが痛かった。


「莉乃、あんたどんだけ良い男に振り回されてたの」
「翔くんもかっこいいー」


 里咲がビームを放ちながら言い、めぐは翔の顔をじっと見つめながら言った。


「ていうか莉乃、何で泣いてんの? なんかあったのか?」


 心配そうにそういう健人にわたしはあわてて首を振った。


「ち、違うよ!」
「ん、なんかあったらすぐ相談しろよな」


 ふざけたように笑う彼が愛おしくて、思わず抱きついてしまった。


「莉乃?」
「ずっと会いたかったよ」
「ん、俺も」


 健人がわたしを抱きしめようとしたところで、それは里咲やめぐ、奈々ちゃんと翔の手により強制終了された。


「失恋したあたしの目の前でラブラブしないでよ」
「わたしだって彼氏に会えてないんだから再会のラブラブはよそでお願いします!」
「莉乃先輩恨みますよ?」
「ちょ、健人ずりーぞ!」


 「はーい……」としゅんと落ち込んだ様子で二人で返事した。
 そのあとは六人でいろんな話をして、里咲とめぐと奈々ちゃんはすっかり仲良しになってしまった。



 わたしの周りの人たちは、みんな暖かい人たちばかりだ。
 みんなと出会えて、わたしって幸せ者だなってあらためて思った。


     -


 無理矢理感あるけどがんばって幼馴染三人組と二年メンバー(一部)と会わせてみたよ!


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