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Love the square

156ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/10/07(日) 17:32:14 HOST:EM117-55-68-140.emobile.ad.jp



「花ちゃん花ちゃん」
「なんですか? 莉乃先輩」


 今日も予想通り朝早く来ていた花ちゃんに声をかけると、花ちゃんは楽しげに笑いながら近くまで来てくれた。


「あの、ね……わたしと健人、付き合うことになりました……て、なんか改めて報告するのもはずかしいね」


 へらりと笑いその数秒後、花ちゃんがまるで自分のことのように喜んで言った。


「おめでとうございます! やっぱ健人には莉乃先輩だなって思ってたんで、本当にうれしいです!」


 そんな。
 わたしに健人なんてもったいないくらいなのに。


「それでね、奈々ちゃんと翔にそれを伝えるのに協力してほしいの」
「もちろんです! じゃあ、昼休みに屋上にくるよう伝えておきますね! あたしと優花も行っていいですか?」
「うん、いいよー。ていうかむしろ来てくれるとうれしい」
「じゃあ、楽しみに待ってますね!」


 わたしは楽しみじゃなくて不安なんだけどなあ。
 それでも、楽しそうな花ちゃんを見たら少し楽になった。


 ちゃんと伝えられるといいな。


     ×


 すこし早く来てしまっただろうか。
 そう思って屋上の重いドアを開けると、そこにはもうすでに健人や奈々ちゃんや翔、花ちゃんに優花ちゃんの姿があった。


「みんなっ」
「莉乃、いつ話そうか?」


 健人が真剣な顔をして聞くからちょっと動揺しちゃったけど、早く伝えたほうがいいかと思い微笑んで言った。


「今がいいかな」
「ん、わかった」


 わたしが不安な気持ちだったことを見抜いたのか、健人はわたしの頭を優しく撫でてから奈々ちゃんと翔に向き合った。


「二人に言いたいことがあるの」


 最初に口を開いたのはわたしのほうだった。
 健人にばかり任せてられないって思って。




「わたしと健人、付き合うことになりました」




 はずかしさ紛れで勢いよくそう言うと、なんでだか健人のほうが驚いていた。
 奈々ちゃんと翔はわかりきっていたという表情で微笑んで言う。


「健人にはやっぱり、莉乃ちゃんのほうがお似合いだよ」
「莉乃のこと諦めんのはキツイけど、やっぱその二人が一番だよな」


 なんで。


「なんでそんな優しいのっ……」


 思わず泣き出してしまった。
 きっと奈々ちゃんや翔もつらいんだ。
 わたしが泣くなんておかしいってわかってるのに。





 幸せすぎて、涙が出てきてしまう。


     -


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