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Love the square

149ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/09/15(土) 16:42:21 HOST:EM117-55-68-146.emobile.ad.jp


「片思いでも報われない恋でもいいから、好きでいさせてください」


 これが、わたしにできる精一杯の告白。
 健人は驚いたように目を丸くさせたが、その直後赤い顔を隠すように俯いて言った。


「わかんねえよ……」
「健人……?」


 心配になって顔をのぞきこんでみた。
 うわ、耳まで真っ赤だ。
 熱でもあるんじゃないかとさらに心配になってしまう。


「莉乃のことが好きなのか、奈々のことが好きなのか……」


 わたしにも、希望はあるんだ。
 でもそしたら奈々ちゃんが悲しむ。
 翔のことも、傷つけてしまう。


 わたしが幸せになるとどうしても傷つく人がいて、それを考えると胸が痛くなってきた。


「もうやだよ……」


 思わずそうつぶやいてしまった。
 わたしが幸せになると傷つく人がいて、でもわたしだって幸せになりたい。
 こんなぐるぐるした思いなんてもういらないのに。


「なんで恋なんかしちゃったんだろ……」


 せめて、ずっと翔だけを思いつづけていられれば。
 そしたら誰も傷つかずにすんだのに。


「莉乃はそればっかりだよな」


 顔をあげた健人が冷たく言い放った。
 冷たい目に、びくんと肩を揺らしてしまう。


「何があっても、周りのこと気にしてばっかで……自分はどうなってもいいのかよ」
「わたし、は……みんなが傷つくのが一番悲しい」


 おそるおそるそういうと、健人にため息をつかれてしまった。
 どうしよう、すごく呆れられてる。


「莉乃がそういうなら、俺だって莉乃が傷つくのは嫌だよ」


 思わず目を丸くさせた。
 なんで、わたしのことを考えるの?


「わたしはいいもんっ」
「それ、きっと翔も奈々も言うと思う」


 ふっと、健人が笑った。
 やっと見られた健人の笑顔に少しほっとする。


「だからさ、莉乃一人で抱え込んでちゃ何も解決しないんだよ」


 健人が優しくそう言った。


「翔にも奈々にも、もちろん俺にも。ちゃんと話せよ? 莉乃のなかで相手が傷つくって決めつけて迷ったって、何も進歩しねえよ」


 わたしは、周りの人のことを考えてるように見えて実は、自分のことしか考えてなかったんだ。
 こんなわたしが翔に思われていいわけがない。
 健人を好きでいていいわけがない。
 そう思ったとき。


「だから、抱え込むなっての!」
「う、ごめんなさい……」
「不安なんだろ? なら言えよ」


 そう微笑む健人は


 やっぱり好きだなって思った。


「ねえ健人ー」
「んー?」
「好きだよっ」


 ふふっと笑ってそう言うと、突然赤くなる健人の顔。


「な、なんで今それを」
「や、健人が思ったこと溜めこまないで言えって言ったんじゃん」


 わたしが正論のようにそういうと、健人は顔を赤くさせたまま言った。


「そういうのは言わなくてもいいんだよ」
「でもわたしが言いたいの。言わなきゃあふれ出てきて大変だもん」


 その瞬間、突然健人にキスされた。



「けん、と……?」
「やばい、可愛い」


 状況がよくわからない。


    ‐


 あまあまあまあま←


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