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Love the square
102
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/09/05(水) 16:56:03 HOST:EM117-55-68-148.emobile.ad.jp
☆100突破記念番外編小説☆
「……どうしよ」
ポツリとつぶやいた。
路地裏の狭い道に二人でポツンと座っていたのだが、コンクリートの壁に寄りかかって話していると突然聞こえた寝息。
目の前にいる白い猫もすやすやと眠りに入っていて、俺は一人で思い悩んでいた。
毎日夜八時という約束をしてから数日後、随分親しくなった俺と莉乃は夜に会って一時間以上喋っていたのだ。
けど今日は莉乃の様子がいつもと違って、少し疲れた様子でしかも時間に十分程度遅れてきたのだった。
普段の莉乃ならこんなことありえなかったけど、よっぽど疲れが溜まっていたようで、そして今こんな状況になっている。
腕につけた時計は八時五十分をさしていて、さすがの俺も理性を保てなくなってくる。
隣でそんな可愛い顔して寝られても、どんな反応していいかわからない。
「莉乃、起きて……って、無理か」
小声で莉乃を起こしてみるが、莉乃は幸せそうな表情を浮かべて爆睡していた。
限界が近づいてきた俺は思わずそっと顔を近づけてみる。
あとほんの数センチで唇が重なりそうなそのとき、莉乃が俺の肩をぎゅっと掴み莉乃からキスしてきた。
動揺を隠せないで口をパクパクさせるが、どうやら莉乃は無意識にキスしてしまった模様。
そっと俺の肩から手を放し、また幸せそうな表情をして眠ってしまった。
口がもごもご動く。
「……す、き…………」
莉乃が寝言でポツンといった言葉に思わず顔が赤くなってしまった。
きっと俺のことじゃない。
好きな人のことだろう、莉乃はそいつと間違って俺にキスしたんだ。
そう、自分に言い聞かせながら。
ちょっと嬉しく感じる自分もいた。
「なあ莉乃」
眠りつづける莉乃に話しかける。
「俺も好きだぜ」
いつかこの恋が実れば――
そう思って日々を過ごしていくうちに俺の気持ちが奈々に向いていったのはこれからもう少しあとのことである。
‐
健人が莉乃に片思いしてたころのお話。
毎日八時に路地裏っていうのが何気に気に入ってて、書きにくいシーンではあったけど甘い二人の仲を書くのが楽しかったです。
莉乃の優しさで始めた猫のお世話がいつのまにか人と会うための場所になっていったのは健人があらわれてからですね。
そう思うと莉乃にとっても、健人にとってもすごく思い出の場所なんじゃないかと思います。
それでは、あらためて100レス突破ありがとうございました!
引きつづき本編をお楽しみください。
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