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The world is made of a game

3かるた ◆IGFHp3B3LM:2012/08/19(日) 06:35:25 HOST:KD027082037068.ppp-bb.dion.ne.jp


  「02 Who Where on earth whispered that it was the beginning of hunting? 」

(狩りの始まりだと囁いたのは、一体どこの誰だったか)


プレイヤーとは一体なんなのか。それよりもこの世界はなんなんだ!

頭の仲がこんがらがって仕方ないほどに困惑しているのに、何も考えられないほど真っ白にもなっている。
訳がわからない。ああもう、まるで無理やり鞄の中に詰め込んだイヤホンのようだ。
しかしそんなこともお構いなしに道化は語りを続ける。


『唐突出申し訳ないが、君たちにはゲームをしてもらおう。私の勝手ですまないのだが、此処は大きな迷路になっている。其処から出ないと、もとの世界には出られないね』


申し訳ない程度で済む話じゃないと思いながらも言い返せるほどの威勢も、気力もない。
しかも出られないって冗談じゃないよ、声も出ない。


「はあ?しんじらんねえ…最悪だ」

先ほど声をかけようとした銀髪の男性が前方にいるのを見つけ、そして苛立ちの篭った表情が目に映る。
辺りを見渡すと何人かの人を見つけることができ、自分以外の人間がいることに安堵し、同時に得体の知れない人間への恐怖が溢れる。
深い紫の妖艶な美女や、黒髪の少年、青い髪を束ねた幼い女の子など、沢山の人がいた。

「あらぁ、私は楽しそうですきよォ?」

ふわふわとしたバイオレッドの髪をなでながら美女が艶を含んだ色っぽい声でそう呟く。
一つ一つが美しい仕草の彼女に同姓の私でも少しうっとりとしてしまうが、今はそれどころじゃない。

一体自分のみに何が起こっているのか、何一つわからない。


『この迷路にはいくつもの武器や回復薬を用意してある。それらを駆使して、迷路を抜け出すことが元の世界へ帰る最も近い道だ。他人を蹴落として進むも、手を取り合って進むも君たち次第さ』

悦を孕んだ声に、きっと、声の主はにやにやと無様な私達の姿を見て笑っているんだろう。

『さあ、始めようか?ルールは簡単、”抜け出せ”』


その一言が言い終えられる前に、何もなかった平地に大きな迷路の入り口が出現する。
悠々と気取っていた他の人たちもそれには驚いたようでみな動きを止め、それをまじまじと見つめていた。

「んー…でも、武器があるってことは、早いもの勝ちってことよねェ」

先ほどの美女が赤い紅の乗った唇を笑みに歪ませながらぼそりと呟く。

「皆が行かないなら私がいくわァ…ふふふ、楽しくなってきそうじゃなァい」

こつこつとヒールの音をながらしながら女性は入り口へ何の躊躇もなく入っていくと辺りをきょろきょろと見渡しながらも、さも何度も通っているかのように、迷い一つなく歩いていった。
後姿が見えなくなったあとも止まることのない靴音でわかる。

そのあとを続いて何人かの人々が入って行き、残りの人数が少なくなってくる。
先に入ったほうが有利ということは目に見えているが武器なんて扱えるかわからないし、中には既に武器を持った人間がいるかもしれない。
そんな恐怖に足がすくみ、上手く動けない。


「ふむ、そろそろ時間も時間じゃ、妾も行くとするかのう」

凛とした幼い少女の声が響き、私の後ろから小さな足音が聞こえてくる。
深く重みのある青のきめ細やかな髪を二つに束ねた女の子は恐らく声の主と思われ、颯爽と私の横を通り抜けると迷路の入り口で立ち止まり、ふわりと髪をなびかせながら振り返る。

夜の空を映し出したような真っ黒な瞳が此方を捉え、数秒ほど観察するようにじっと見つめると、つばを返して入り口に入っていった。
一つ一つの動作が流れるように美しく、古風な口調もあいまってどこか東国で見た絵画に出てくるような、大昔の姫気味のような印象を与えられた。
私の半分程度しかない身長に似合わないその凜とした姿に呆気をとられるが、此処で立ち止まっていて何になるのか。

「…生きなきゃ、生きて、帰らないと」

私は、何一つ不自由のない、平凡で、けれど、幸せな人生を歩んできたんだと思う。
両親を愛していたし、学校も凄く楽しかった。大好きな友人に囲まれて、当たり前の子とだと思っていたけど幸せだった。
だから、そんな生活を、こんな理不尽なわけのわからないゲームに奪われたくない。失くしたくない。

震える足をなんとか動かして進む。

怖さが消えたわけじゃない。けど、此処で何もせずに終わるよりはいいと思った。
意外と私は度胸のある人間なのかもしれない、と、やけに冷静になりながら、気がつけば走り出していた。


「何が出来る?…何かしなきゃ」



これが、私の戦いの始まりだ。


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