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The world is made of a game
2
:
かるた
◆IGFHp3B3LM
:2012/08/18(土) 00:46:04 HOST:KD027082037068.ppp-bb.dion.ne.jp
「01 The girl was perplexed calmly. 」
(少女は冷静に、困惑した)
ずきりと、何かが痛むような気がした。
気がしただけで、何が、何処が、どう痛むのかはわからなかった。
けれど動かそうと思えば体は何処も正常に動き、目の前の現状を見るため、ぱちりと目を開いた。
まず目に入ったのは、綺麗な青空だった。
「…ここ、は」
ゆっくりと体を起こすと自然と視線は下に向くわけで、地面が可愛らしい黒と白の市松模様の床であることがわかった。
しかしそれ以外に建物らしきものなどはなく、ただ青い空と地面だけが長々と続いている景色だけ。
怪しく思いながら立ち上がると、見慣れた黒い学生服が目に入る。いつも通う、高校の制服。
黒い自身の髪を揺らしながら、とりあえず、歩くことをきめた。
「私…そう、確か…友達の家に良く途中、何か、拾ったの」
そう思い出した途端、ぎゅっと握っていた手に何かの感触が宿る。何か、握っている?
何か掴んだ覚えなんてないし、元から持っていたとしか考えにくい。
恐る恐ると開くと、それは小さな子猫のキーホルダーだった。
「これだ、拾ったの。…ショコラに、にてたから」
これを拾ってからの記憶が無い。この、昔飼っていた子猫に良く似ているキーホルダーを手にしてからは。
何がなんだか良くわからないが、立ち止まっていてもしょうがない気がする。
暫く歩くと、前方に人影を見つけた。あれは、銀色の髪。
銀色の髪に真っ黒なスーツを着た、恐らくは男の人だ。がたいからしてそんな感じ。
取り合えず何でも情報がほしい。近づこうと声をかけようとしたところで、ぐらりと、眩暈がする。
いや、違う。足元が歪んでいるんだ――――そう、気がつく頃にはもう遅く。
目の前の光景が、天地のように一変する。
地面は黒ずんだ土くれ、空は禍々しいワインのような紫色。ぐにゃぐにゃと歪んでいて気持ちが悪い。
まるでゲームのような世界観に、変に冷静に気味が悪いなあ、と思ってしまう。
しかし、思ったより体は正直らしく、行き成り変わった世界にひっと恐怖を含んだ声が漏れた。
「なに、これ、なんで…?なんで、」
『ようこそ、プレイヤー諸君』
マイク越しに響くその声は、まるで、神様気取りの道化のようだった。
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