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女用心棒

20ハチミツ:2012/07/28(土) 09:02:41 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
  
 『龍装抜刀術、2番。¨風切¨…』

21ハチミツ:2012/07/28(土) 09:37:17 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
 風翔、冷蘭ががれきに近づいた瞬間、守羅らしき者の声が小さく二人の耳に聞こえた。
 それと同時に何かが風翔と冷蘭の頬にかすれた。
「………風翔君、冷蘭さん…。血…」
 魅夜は震える手で二人を指さす。確かに二人の頬には一筋の傷から流れる血があった。
「っな…!!?」
「全く…。アブねーじゃねーか!怪我したらどうすんだよ」
 立ち込める砂煙の中から守羅の声と姿、そして縦長に輝く刀が見えた。
「てめぇ…」
「っま、確かにこれはやりすぎだな山野芽?」
 日向もやんできた砂煙から現れ、風翔を笑いながら叱る。

22ハチミツ:2012/07/28(土) 10:21:26 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「っは、申し訳ありません、お頭!今後はより一層気を付けます」
「なに、仕切り返してんだ!二重人格か、おい!!?」
 守羅は風翔の顔をまじまじと見ながら叫ぶ。
「ほざくな外道者が!部外者のくせして何様だ!!?」
 風翔も切り返して怒鳴る。
「お前だって何様だ!ふざけたこと言うとしばくぞぉ!!」
 守羅も風翔に怒鳴り返す。

23ハチミツ:2012/07/28(土) 10:30:38 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「しばかれるのは貴様の方だ!」
「いーや、しばかれんのはてめぇだ!」
「貴様だと言っているだろうが!!」
「死んでもそれはねぇ!しばかれんのはお前の方だ!!」
 二人とも相手の胸ぐらを掴み、似た言葉を繰り返す。
「…エ〜イ。もうやめんか。お前らは子供か?!」
「将棋の駒勝手に動かして勝つほうがガキだろうが!!」
 グワッと噛み付くように守羅は日向に顔を向け怒鳴った。
「だから貴様何様だと聞いている!?」
「ウッセーナ!!お前少し黙れ!!!?」
 この喧嘩は夜になるまで続く勢いだった。

24ハチミツ:2012/07/28(土) 12:05:25 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
――夜8:00。守羅と風翔の二人は顔も合わせないで一つの居間で正座していた。他にも数名の者がいたが空気の重さに耐えられずほとんどが二人と目をそらしていた。
「これって、一体どんな状況なんですか?」
 二人の前に座っていた魅夜の隣りで、護衛役、会津日・朝日(アイズカ・アシタ)は聞く。
「私たちには、荷が重い状況…」
 少し考えたように魅夜は朝日に言った。
「なぁ〜。お前等いい加減この空気直さねーか?」
 日向は手を組みながら二人に言う。
「やなこった。私はこいつが謝るまでは死んでもこの空気は直さん」
 守羅はそっぽを向きながらそう言う。
「なんだと〜!!貴様の口は余程暴言を履きたがると見える!!」
 風翔は身を乗り出し守羅に掴みかかる。

25ハチミツ:2012/07/28(土) 12:18:12 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「あぁ、もう、うっぜーな!!てめぇ斬るぞ!!」
「斬る?!っは、一体何でだ!?先ほどの刀は今ここにはないじゃないか?!」
 悠々という風翔に守羅はイラつきを感じる。
「そこまで言うなら斬って、てめぇの¨不死能力¨無くしてやろうか?!!あぁ!!」
 守羅も立ち上がり風翔に掴みかかる。
「不死能力?」
 魅夜は咄嗟にそうつぶやく。

26ハチミツ:2012/07/28(土) 12:34:00 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「お父さん、不死能力ってなに?」
 魅夜は日向に聞く。
「テスクの正式名称だ。由来は知らんがテスクが人に身に付けられている頃からある名だ」
 横目で魅夜を見ながら日向は説明した。
「っは、テスクを無くす?一体どうやってだ?!!脅しもほどほどにすることだなぁ!!?」
 風翔は高笑いをしながら守羅にもう一度怒りを高めるようなことを言う。
「おいおい、山野芽…そのぐらいにしとかないとこいつ…」
「あっそう…ならお望みどうり斬ってやるよ…ただし……」
 守羅は肩ぐらいまで手を挙げる。すると、手がある空間が、波打ち空間の中から赤い柄のした刀が出てきた。
「テスクなくなっても逆恨みすんじゃねーぞ!!!!」

27ハチミツ:2012/07/28(土) 15:45:42 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「おい、止めねーか、守羅!山野芽もこんな野郎の安い挑発に乗ってんじゃねぇ!!」
 刀の柄をとった守羅の前に日向は立ちはだかり、二人を見比べる。
「お頭、どいてください!刀を持っているからといって負ける俺じゃありません!!」
 そういう問題じゃない、と真面目な顔でいい日向は続ける。
「こいつの刀…清流丸はただの刀じゃねぇんだ!!」
 日向はものすごい剣幕で叫ぶ。風翔はどう言う意味だというような顔で日向と守羅の顔を見る。
「そうそう…これで斬られたら、てめぇのテクス、いや不死能力は完全に消えてなくなる。せめて斬られない様に頑張りな!!」
 守羅はそう言うと立ちはだかる日向を避け風翔に向かって走っていった。
「だからちょっと、待てって…」
 日向は右手をチョキのような形にして、人差し指と中指をくっつける。

28ハチミツ:2012/07/28(土) 17:28:56 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「いい加減にしなさい…」
 日向が何かをする直前、黙って見過ごそうとしていた冷蘭の堪忍袋の尾が切れた。
『氷水!!!!』
 冷蘭が手を前に出してそう叫ぶと、守羅と風翔の体が大きな氷に捕まった。
「っな…!!」
「んだよこれ!!?」
 二人は同時に言う。すると冷蘭は金髪の髪をなびかせながら二人のあいだに入る。そして守羅にきつい眼差しで向き合う。
「ここは一之瀬の城。喧嘩をするならよそでしなさい。もしこれ以上重荷としか思えない空気を貼り続けるのであれば、凍死か溺死させるわよ」
 冷蘭は片手を胸の前まで移動させ、『ザンッ』という音と共に氷を作り、脅迫に似た言葉を超低音の声ではなった。
「…スミマセンデシタ……」
 ほとんど恐怖心に押せれた結果、守羅はわざとらしく作り笑いを浮かべ謝罪した。

29ネコ・ヌコタン(=‘x‘=):2012/07/29(日) 11:41:10 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「よろしい」
 冷蘭はニコッと笑みに顔を変え、二人の氷を解く。
「それじゃあそろそろ晩ご飯の準備すしてくるわね。身位知らずのあなたも食べていきなさい」
 これもまた裏がないほどの笑みを浮かべて冷蘭は居間を出て行った。
「あの姉ちゃん、くそこエーな…」
「同感だ…」
 守羅と風翔は二人だけにしか聞こえないぐらいの声で冷蘭に向ける感情をさらけ出す。


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