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パープルストリーム・ファンタジア 幸運の紫水晶と56人の聖闘士

374彗斗:2013/03/23(土) 19:28:03 HOST:opt-115-30-217-109.client.pikara.ne.jp
第三十五乃策 謎の足音と暗殺者(Ⅰ)
「やっと終わったね〜」
「あぁ、ああいうのはどうも好きになれなくてな。気が滅入ってしまうかと思った……」
「よく言うよ兄さんも」
 リョウ兄弟達が誰も居ない筈の廊下を歩き、自分達に割り当てられた部屋に帰っていた時の事だ……ふと、背後が気になりリョウが振り向いた。
「どうしたの? 何かいる?」
「……何か…な。明らかに何かが隠れてるな」
 背負った鎌に手をかけ、静かに息を殺す……だが何かがいる気配は感じない。
 気のせいか……と考え直したリョウは警戒を解き、先に進もうと踵を返したその時!!
――カタッ……
 静まり返った空間に不自然な音が響いたのだ。すぐさま恐れを抱いたリョウカがリョウの腕に掴み掛ってきた。おそらく縋りでもしたいのだろう。
「ちょ…ちょっと何!? 今さっきの音!?」
「知るか! その前に此方からけしかければ騒ぎが大きくなるだろうが!!」
 コソコソと話を交わした後、自身の腕に纏わりついているリョウカを引きはがそうとリョウカの顔に手を出した時――規則的で乾いた足音が聞こえてきた……
「……そこの角から来るけど……兄さんどうする?」
「そりゃ決まってるだろ!? 今更何を言わせる気なんだ?!」
 そういった後、悪魔よりも性質の悪そうで不気味な笑みを浮かべたリョウはこう言った。
「標的だったら抹殺だ……いいな?」
 コクリと声もあげずにうなずいた二人は兄と一緒に、一瞬にして闇に消えた……


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