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不思議な学園
4
:
Mako♪
:2012/07/27(金) 01:23:56 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
物語の始まり(2)
四方を塞がれ、絶体絶命の危機に陥った少女は、自分を囲む”人形”を哀れむように笑う。
「……私に斬られる為だけに作られた、哀れな人形(ドール)。……本体じゃないだけ、まだマシ、か。」
少女はそう呟くと、何処からか、青色をした剣を出した。
少女がそれを構える間にも、人形達は近付いてくる。
一番近い人形と少女との間が1m程になったとき、少女が動いた。
剣を手にしたまま、人形よりも高く飛び上がりながら、人形を蹴りあげる。
空中に舞う人形を斬り、地面に着地するのと同時に少女が一回転。
すると、最前列の人形達は、真っ二つになった。
飛び散る液体。
__血のように紅(あか)くなく、鉄のような匂いもしない。ただの、液体。
少女はそれを飛んで避ける。
近くの人形に1つ、水滴が当たった。
途端、人形の、水滴が当たった部分を始めとし、人形がぐじゅぐじゅ、と嫌な音を立てて溶けていく。
それを見た少女に、悪寒が走る。
(__ッ。当たっていたら、自分がああなっていたかもしれない。)
これでは、液体を出さずに人形を斬ることなど、到底不可能。
「__まさか、こんな奴等に使うなんて。思ってもなかった。」
少女はそう呟き、なにやら呪文を唱え始める。
「__火龍よ、炎の力を授かりし龍よ。今、我の力となり、かの物を焼き尽くせ__。」
稟とした声で少女が唱えると、少女の足下が朱色に輝いた。
その光は、少女の身体にも巻き付き、
やがて、少女の髪と瞳が赤く染まっていくとともに、少女の身体も朱色に輝きはじめる。
途端、少女の身体から、朱色に輝く一匹の龍が現れた。
龍は、口から真っ赤な息(炎)を吐き、少女の周りにいた人形達を焼き尽くした。
龍は、役目を果たしたとばかりに、再び少女の身体へと吸い込まれて行った。
少女は、ふらふらと門へと歩き始めた。
門から出るまで、あと一歩の距離までたどり着いた時。
何かが少女の腕を掴んだ。
その拍子に、少女はバタリ、と倒れる。
少女の腕を掴んだのは、体育館にいた長髪の男。
「__まったく。校外に出ればどんな目に会うか、わかんねーのに。」
男はそう呟くと、
「ワープ」
と呪文を唱えた。
少女は自室へと帰された。
タッタッタッタ……軽い足音が聞こえ、一人の少年が走ってやってくる。
「カルジャ先生!人形(ドール)は?」
カルジャと呼ばれた男は、灰と、液体を指差すと、
「まだまだだな、キル。まぁ、相手が悪かったって言うのもあるが。」
と言う。
キルは、そうですかー。と言うと、
「ま、いつでも俺が頂点(トップ)、奪ってやりますよ。」
と呟いた。
「さぁ、どうかな。頂点(トップ)と2番目(君)とじゃ、差が在りすぎる。」
カルジャはそう呟いた。
カルジャとキルは校舎へと戻り始める。
「いや、しかし龍華にも困らされるものだ。これで、脱走は何度目だ。」
カルジャは苦々しげに呟く。
「ホントですよね。龍華、小さな身体でよくやってくれて……」
キルは少し迷惑そうだ。
二人はそれぞれ、龍華_先程までそこにいた少女に対して、違うが似た感情を抱くのだった。
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