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どーも《何でも屋》です
33
:
虎視眈々
:2012/05/31(木) 18:24:11 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
「親も親なら子も子だとは言うものでが正谷さんご家族はなんだか違いますね」
会社の6階にある社長室に行くためにエレベターに乗った真たちに笠松は笑いながら言った。
「言っときますけど俺は死んだって親父みたいにはなりたくありません。つか死んでもなりません」
きっぱりと言ってしまう。そこは似ているらしい。
34
:
虎視眈々
:2012/05/31(木) 18:47:57 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
『チーン』
エレベーターが止まる音がしドアが開く。3人は出て行きすぐ左に曲がった。。それから9個ほどドアを行ったほどあたりで「社長室」と表札の付いた薄茶のドアの前に立った。
「社長、入ります」
3回ほどノックした後にそう言うとドアの取っ手に手をかけゆっくりと押していった。
35
:
虎視眈々
:2012/05/31(木) 18:58:03 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
「社長?」
ドアを開け、中に入るとそこには4つの焦げ茶のソファーと脚の短い机があるだけだった。
3人はもっと進んでいき部屋の中を見渡す。
「社長?」
笠松は手前のソファーに手を置きながら奥へと進む。
36
:
虎視眈々
:2012/05/31(木) 19:14:53 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
「しゃ…社長!!」
笠松は悲鳴を上げた。真は、笠松が見たところに目を即座に移した。そこには頭から大量に血を流した奥田が倒れこんでいた!?
37
:
名無しさん
:2012/05/31(木) 19:25:31 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
「社長!」
「笠松さん、ストップ!」
真は叫びながら笠松の肩を掴む。
38
:
名無しさん
:2012/05/31(木) 20:17:09 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
「親父!救急車と警察に電話!!」
ドアの外側にまだ立っていた剣に真は叫ぶ。
「は?」
全く事情が読み取れずに部屋の中を見る。
「いいから早く!!」
言い方がただ事ではないと思った剣は着ていたトレーナーのポケットから携帯をとりだしまず救急車に電話した。
「それと笠松さんはこの会社のシャッター締めて!!」
ビクビクと震えている笠松に真は言う。泣きながらも「は、はい」と頷きながらエレベーターの方へと走って行った。
「…たくっ」
真は横たわる奥田を見ながら片手で顔を抑えて呟く。
「何でこう今日に限って事件にかかわんなきゃいけねんだよ」
39
:
名無しさん
:2012/05/31(木) 20:35:17 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
―それから30分後。西谷株式会社には十数名の警察とパトカー、一台の救急車が訪れた。
「えー殺害されたのはこの会社の社長である奥田 武彦(おくた たけひこ)42歳。」
社長室の中で1人の若い刑事が手帳のようなものを見ながら座りながら奥田を見ている40代後半ぐらいの刑事に報告する。
40
:
虎視眈々
:2012/06/01(金) 19:00:53 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「う〜ん、死因はどう見ても撲殺だな」
座っていた刑事は立ち上がりながら言う。
「そして第一発見者が…」
そう言いながら若い刑事は社長室を出てすぐ左の壁でスタンバイしていた真達と顔を合わせる。
41
:
虎視眈々
:2012/06/01(金) 19:16:21 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「どうも、警視庁捜査一課強行犯係の田辺(たなべ)です」
田辺がそう言うと
「同じく捜査一家強行犯係の瀬口です」
次は若い方の刑事が言う。
42
:
虎視眈々
:2012/06/01(金) 19:24:15 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「……」
自己紹介をされても何も言わない真。
「…あ、あの」
先に口を開いたのは笠松だった。
「瀬口、この方は?」
田辺は横に立っていた瀬口に聴く。
「この会社の受け付けの笠松 峰子さんです」
手帳を見比べるように説明する。
43
:
虎視眈々
:2012/06/01(金) 20:01:08 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「で、この方たちは?」
次は真と剣を見ながら横目で聞く。
「え〜、長髪の男の子が正谷 真君、そしてもう一人が正谷 剣さん。今夜は殺害された奥田さんと昼間口論になったのでその謝罪をしにきたらしいです」
「口論」その部分で田辺はピクリと片眉を上げる。
44
:
虎視眈々
:2012/06/01(金) 20:22:17 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「失礼ですが、午後8時から9時までどこで何をしていましたか?」
アリバイ確認…心は咄嗟に考えた。
「親父がやったってのか、あんた?」
壁に凭れながら冷たい目で真は田辺に聞いた。
「そういうわけじゃありません。参考証言を聞きたいだけです」
田辺も、また冷たい眼で言い返す。
「…親父はそのオッサンを見つけるまで俺とずっと一緒にいたよ」
質問に答えたのは真だった。
45
:
虎視眈々
:2012/06/01(金) 20:34:39 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「…親族の方からの証言は認められません」
まぁ、そうだろな…真が考えていた答えが案の定だったのでその後の言葉に息詰まることは無かった。
「なんで俺がこんなクソ親父の肩なんか持たなきゃいけねぇってんだよ、死んでもゴメンだね」
親指を立て剣を指差しながら訴えた。
「し〜ん、お前は俺を一生ムショ送りにしてえのか?えぇ?」
苦笑いを浮かべながら言う剣。
46
:
虎視眈々
:2012/06/01(金) 20:51:20 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「その方がお袋も姉貴も何かと楽だ。ついでに俺も恥じる糞親父がいなくなると思うとせいせいする」
「親をムショ生活にするほうが恥だろ!!お前ホントに俺の息子か!!」
「親父の子供だと思ったことねぇし、だいたいあんたとのdneを切れる装置があるなり借金してでも買う」
「いい加減にしねぇとその長髪むしり取って、筆の毛にすんぞ!!!」
親も親なら子も子だとは、本当に言うらしい。
二人は刑事の前で額と額をこすりつけ親子ゲンカをし始める。
47
:
虎視眈々
:2012/06/01(金) 21:05:38 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「…瀬口、容疑者は?」
呆れ返った結果の末、やっぱりこうなる。
―それから10分ほど経ったあとだ社長室前に2人の男性がやって来た。
「事件が起こった瞬間にシャッター閉めたので犯人逃げられなかったみたいですね」
瀬口は田辺の耳元で呟いた。
「仮にも容疑者だ、ほしときまったわけじゃないだろ」
きつく口利きする。「すいません…」軽く恐縮する瀬口。
48
:
虎視眈々
:2012/06/01(金) 21:19:38 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「だが、害者さんの腕時計が壊れてたおかげで詳しい殺害時間がわかったところは不幸中の幸いだったな」
注意した田辺も嬉しさの声を上げる。
49
:
虎視眈々
:2012/06/01(金) 21:33:28 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「おい坊主、現場には入るな」
真は一人、殺害現場となった社長室の中に訪れていた。
それを中年の鑑識が止める。
「…く、九条さん?」
真は鑑識の制服についた名札を見ながら名前を言った。
「嫌だから、現場に入っちゃ…」
「にしてもすごい壷の数だな」
真は九条の話を遮って聞いた。確かに床にも壁にも大小バラバラに色とりどりの壷が置かれている。
「凶器は、壷?」
真は九条に壷を見ながら聴く。
「いや、灰皿だよ」
50
:
虎視眈々
:2012/06/01(金) 21:53:23 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
九条は机の下に捨てているかのように置いている四角ガラス灰皿を指さしながら言った。
「へ〜」
真はしゃがみながら机の下に落ちている灰皿を見た。それが凶器というのは本当らしく灰皿には赤い血がベッタリと付いていた。
「にしても、高そうな灰皿だな、おい」
灰皿を見ながら真は呟く。
「ん、あぁ。どうやら、今日、契約会社から送られたそうだ…そんなことより早くでろ坊主」
九条は話を変えて真を外に出した。
51
:
虎視眈々
:2012/06/01(金) 22:23:10 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「ケチッ」真は子供のように呟き社長室の外に出た。
「刑事さん、一体どうなっているんですか!」
外に出た瞬間すぐ横から男の声が聞こえた。奥田殺人の容疑者、立木 一(たき はじめ)だ。
「そうですよ、社長が殺されたってどういうことなんですか!?それに僕たちはなんでここの呼ばれたんですか?」
もう一人の容疑者であり奥田の秘書である横根 平助(よこね へいすけ)が田辺と瀬口に聴く。
「立木さんも横根さんも落ち着いてください」
それをなだめる笠松。
52
:
虎視眈々
:2012/06/01(金) 22:40:25 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「とにかく今、あなたがたは奥田さん殺害の容疑者なんです。今から我々警察がいいと言うまでここからは出ないでください」
田辺はそんな二人に静かに言う。それを聞き立木と横根は「ふざけるな」と言わんばかりの顔をして歯を食いしばった。
53
:
虎視眈々
:2012/06/01(金) 23:19:17 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「……」
真剣にその光景を見つめていた真。
「おい、」
そんな真に声をかけたのは剣だった。
「お前そろそろ帰れ」
剣はポンと真の頭に手を置きいった。
「俺は糞サツ共に事情聴取で呼ばれてるからお前先に帰って渚たちに事情話しといてくれ」
心配はかけたくない…それは真にもわかっていたが返事は
「ヤダ、無理、不可能、拒否、却下」
即却下。
この答えには剣も顔をひきつる。
「あのなーお前今何時だと思ってんだ、10時回ってんだよ。ただでさえ問題児のお前が連続で何日も遅刻したら反省文書かされっぞ」
それが何だ。あんたの時代とちがって反省文なんかでしょげるバカはこの時代にいない。と言いたいのもやまやまだったが今はそんなことを言って喧嘩している場合だはないことぐらい真にも理解できていた。
「どーせ家に帰ったところで姉貴にしばかれて帰ってくる羽目になるんだから、帰ったって意味ねぇよ」
真は両手を挙げお手上げポーズをとると薄くニット笑ってみせる。
「…好きにしろ、ばかガキ」
ため息混じり言うと剣はエレベーターホールの方え歩いて行った。
(だから嫌いなんだよ、俺は…)
心の中で真は小さく呟いた。
54
:
虎視眈々
:2012/06/02(土) 08:49:56 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
―「悪かったわね、真君」
社長室の隣の部屋で待機していた真に笠松は謝る。
「別に、ここに来る理由になったのはどうせ親父が原因なんだからよ」
苦笑を浮かべながら真は笠松に言う。
「その、灰皿からは指紋は出なかったの?」
気まずそうに笠松は真に聞く。
「…多分出てないと思う」
出ていても、出ていなくとも教えてくれるわけがない。だが、真には出ていない気がした。こういう場合大体は出ていない。そう、相場は決まっている。
「犯人まだこの中にいるのかな?」
遺体を発見した直後に会社のシャッターを閉めたといっても殺してすぐ逃げればこの中に取り残されることはない。
「‥‥笠松さん、」
真は笠松を小声で呼んだ。
55
:
虎視眈々
:2012/06/02(土) 09:06:04 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「なに?」
笠松は真に聞き返す。
「容疑者に上がった、立木さんと横根さんってなんで、奥田さんのこと恨んでんの?」
その答えにはさすがに笠松も戸惑う。
「…ココだけの話なんだけど。立木さんも横根さんも社長のこと恨んでると思う」
小声で笠松は真に言う。
「なんで?」
笠松は周りに目をやりここには真と自分だけしかいないことを確認するとまた小声で真に言った。
「立木さん、社長の失敗をよく自分のせいにされてたのよ。それで、悪い時なんて7ヶ月給料ストップ。お子さんもいるもんだからその間家庭は火の海だったらしいわ」
56
:
虎視眈々
:2012/06/02(土) 09:19:29 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「フーン」鼻で返事をする真。
「それで、横根さんは社長秘書で時期社長なんて言われてて奥田社長も期待してるようなこと言ってたんだけど。ある日酔っ払った拍子に奥田社長言っちゃったのよ……『お前はただの金づるだ』って」
まぁそら怒るわな…それが真の考えだった。
(つーことは横根さんは、奥田さんが死ぬことによって社長昇進出来るわけか)
これが本当かはわからないが大体はあっているだろう。
57
:
虎視眈々
:2012/06/02(土) 09:30:28 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「田辺さん、本当にまだ犯人ここにいるんでしょうか?」
瀬口と田辺は殺害現場を前に話していた。
「わからん。だがこの会社で害者に恨みを持ってたのはあの二人だ。一番怪しく殺害時刻にちゃんとしたアリバイがないのもあの二人だ」
田辺は瀬崎に言う。
58
:
虎視眈々
:2012/06/02(土) 10:38:56 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「一体、警察はいつまで僕たちを容疑者扱いするんだ!」
2回の会議室で立木は怒鳴った。
「立木さん、今は冷静にいきましょう。変に動揺したら疑われます」
横根は冷静に言ったが顔にはびっしりと冷や汗をかいている。
「……しかし、もし、あの事が警察にばれたら…」
立木は横目で横根を見る。
「大丈夫です、問題ありません。もしバレたとしても、社長が死んだ今となっては僕たちにあの容疑がかかることはありません」
横根はまた冷静な口調で話した。
59
:
虎視眈々
:2012/06/02(土) 11:11:08 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「こら、坊主、現場に入るなってさっきも言っただろ!!」
真はまた現場の中に入り、退散しようとしていた九条に怒鳴られた。
「うん、すぐに出るから」
真は部屋の中に入り辺りを見回す。
机、本棚、壷、ソファー、窓、脚短机。真はそれを全て一気に見通す。
「なんだあれ?」
真は奥田の机後ろにある本棚に近づいた。上から4段目の本棚に目をやる真。そこには、何かあったかのように空欄の場所があった。本一冊が入るぐらいの隙間。
(何か入ってた…じゃあ、ここに入ってたのは、なんだ)
周りはギリギリにまで本が敷き詰められている。その中で一つだけ空いた場所。―何かが、あった―真の脳内にその言葉が浮かんだ。
「おい坊主いい加減出ろ!」
九条の堪忍袋のおが切れた。しかし、真は聞こえていない様子で置いてある壷に近づく。
(犯人は灰皿で奥田さんを殺した。置いてある壷を使わないで。確かに壷より灰皿の方が使いやすいけど壷の方が確実だろ。中には小さい壷だってんのに…)
部屋の中で一番大きい壷に近づきながら真は考える。
しゃがみながら壷を観察する。すると
「ん?」
壷の下に何かがある。青い何かがはみ出して見えた。
真は壷を動かそうとした。その時、
「坊主いい加減にしろって言ってるだろ!!」
真の頭に2度目の雷が落ちた。
「いたずらに現場のものを触ろうとするな!!」
九条は真が腰に巻いていたトレーナーを力尽く出っ張り部屋の中から追い出した。
60
:
虎視眈々
:2012/06/02(土) 11:27:18 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「いってなーー!!別にいいじゃねぇか」
「良かない!!お前さんは今回の事件には無関係だ!!」
真の言ったことに九条はまた怒鳴る。
「そろそろ俺も帰るが上には迷惑かけるなよ!」
そう言って九条はエレベーターホールに歩いて行った。
「クソッタレ」
真は九条の後ろ姿を見ながら呟いた。
「追い出されちゃったみたいだね」
すると後ろから声が聞こえた。振り向くとそこには瀬口が苦笑しながら立っていた。
「瀬口さん…」
真は驚いたような目をしながら呟く。
61
:
虎視眈々
:2012/06/02(土) 11:57:54 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「さっきは悪かったね、君のお父さんを疑うようなことを言ってしまって」
1階の自動販売機の前でコーヒーの缶を持ちながら瀬口は真に謝る。
「……油断させて、本当のことを言わせるって魂胆?」
真も片手にオレンジジュースの缶を持って瀬口に言った。
「言っとくけど、親父のアリバイ本当だよ。ついでに俺が親父のことが嫌いだってことも」
きっぱりと言う真。
「…ハ、ハ、」
図星だった。真はその笑いを見て「ハァ」とため息を吐く。
「なんで君はそんなに、お父さんのことが嫌いなんだい?」
瀬口は真に聴く。
「………あの野郎は、怒鳴る時しか俺の名前を呼ばないんだ。…俺が小学生の時にテストで100点とっても運動会の徒競走で1位とっても中学の時に学級員になっても高校に受かっても、親父は俺を名前を呼んで褒めたたことは無かった。だから何だろうなきっと、褒められるってどんなことか分かんなくなって、今となっちゃ問題児扱い」
真は笑ってみせた。瀬口は俯いてそれを聞いていたがすぐに持っていたコーヒーを一気飲みして自動販売機に投げ捨てた。
「晴れるといいねお父さんの容疑」
そう言って瀬口は非常階段のほうへ歩いて行った。
62
:
虎視眈々
:2012/06/02(土) 12:22:08 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
―「失礼しま〜す」
真は九条に注意されたことなど忘れて社長室の中に入っていた。
(さっきの壷、壷)
そう思いながら真は先ほどの壷へと近寄った。
「あれ…」
真は壷の下を見てつい言ってしまった。
(なくなってる、なんでだ?)
さっきまで確かにあったはずの青い何かはなくなっていた。
「ハッ〜!?」
真は驚いた拍子に壷を押した。(何で?)
「と、と、と、…あんぶなー」
ぎりぎりセーフに壷の口をつかみ割るのだけは防げた。
「………なんでこれ」
63
:
虎視眈々
:2012/06/02(土) 13:13:11 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
―「ギィィィィ…」
誰もいない真っ暗の室内にドアが開く音が響いた。そして外から一人誰かが入ってきた。
その誰か、はそのまま部屋の中で一番大きな壷へと近づく。
「…な、ない‥!」
壷を持ち上げその裏を見るとさっきの真のようなリアクションをした。
「何がないんだ‥」
後ろからの声。振り向くとそこには真が壁に凭れていた。
「なぁ、…」
真は部屋の中に入りドアの隣についている電気のスイッチをつけた。
「笠松さん…」
そこには笠松が居た。
「し、真君」
動揺したような口ぶり。
「どうしたの、真君…?」
笠松はすぐに作り笑いをして聞き返した。
「どうしたもなにも。来ると思ったから、あんたがここに…」
真はゆっくりと部屋の中に入りながら言った。
「来ると思ったって…」
「犯人だから…あんたが」
真自身も嘘であってほしいという言い方で笠松に言った。
64
:
虎視眈々
:2012/06/02(土) 15:56:13 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「…ほら俺バカじゃん、だから勘違いかもしんないけど‥すじが‥合いすぎてんだよ」
まるで何かに悔やむように真は言った。
「あんた俺たちがここに来る前に奥田さんを殺したんだろ。わざと、時計を早めて…」
笠松は立ち上がりながら真の話に耳を傾けた。
「だけど、俺達が来たことによってあんたが考えた計画が崩れかけた。でも、あんたはそれを逆手にとった。」
辛かった、推理している自分自身が
「自分にはあたかもアリバイがあると思わせ容疑者の中から外れた…」
「ちょっと待って真君、なんで私がそんなことをしてまで奥田社長を殺さないといけないの。それに私がここに来たのだって社長を殺した証拠として何か残ってないかなと思ってきただけで」
「じゃなんで分かったんだよ!!凶器が灰皿でって!!」
真は叫んだ。
「…そんなの…」
「この部屋は壷が大量にある、あのに、あんたは凶器は灰皿だって知ってた。なんでだよ」
「私は第一発見者よ、社長を見つけた時に一緒に凶器も見えて、だから…」
「見えないんだよ、あんたが立ってた場所じゃ…」
笠松は息を飲んだ。
「笠松さんが立ってた場所からじゃ机が邪魔で下にある灰皿までは見えないんだよ」
「………」
笠松は青い顔で俯く。
「笠松さん…」
65
:
虎視眈々
:2012/06/02(土) 17:24:29 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「……真君」
それから笠松が口を開いたのは数秒後だった。
「いつから私が怪しと思ったの?」
笠松は苦笑しながら聞いてきた
「これをその壷の下で見つけた時だ」
真はそう言いズボンのポケットから一枚の写真を取り出し、笠松に見せた。
「…それ…」
「『笠松 健太郎』…笠松さんの親父さんだろ」
写真に写っていたのは一人の男だった。そしてその後ろには「笠松 健太郎」と書かれていた。
「…えぇ、笠松 健太郎は私の父であり、ここの社長に殺された男よ…」
66
:
虎視眈々
:2012/06/02(土) 20:37:13 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
―4年前。雨の日だ。何を思ったか男は一人高層ビル9階から落ちた…イヤ、落とされた…
「父は4年前のあの日の夜奥田呼び出され、そして殺されたのよ!!」
笠松は怒鳴るように叫ぶ。誰でもいいから自分の悲しみを受け止めて欲しくて…
「だから私は父の死の真相が知りたくてこの会社にに入った、それからすぐに父の死の真相がわかったは…奥田は会社の誰かと手を組んで裏金を回してたのよ」
手を胸の前に置きながら叫んだ。
「だから今日奥谷話を付けに行ったわ。裏金を回していたことを自白して罪を償ってくれって、でも奥田は要求を飲むどころか逆に行ってきたわ…
『裏金を回していたとして君のお父さんとは全く何の関係も無いよ。それにたかが一人の死ぐらいで何かを自白するするバカが居るのか』
ってね。」
聞いている方にまで怒りが伝わるような声を上げた。
「…真君あなたにだって理解できるでしょ。家族を殺されて、尚その家族を侮辱される気持ちが…」
笠松は泣き出した。永遠に泣き続けるかのように―
67
:
虎視眈々
:2012/06/02(土) 20:59:04 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
その後笠松はすぐに田辺たちに連行されて行った。
「笠松さん…」
真は連行される笠松に言った。「ん?」泣いたあとの赤い眼でわざと苦笑いをしながら笠松は真に聞き返す。
「確かに俺だって、家族を殺されて、しかも侮辱までされたら殺意がわかないわけじゃない。あんな糞親父でも侮辱されれば俺は侮辱したやつを殴り殺すかもしれねぇ。でも俺らは人を裁く神なんかじゃないんだ。ましてや俺らには人を殺していい権利も理由もなんにも与えられちゃいないんだ」
人は神ではない。ましてやそれ以外の人体でもない。人は人、ものはもの、そして「死は死」でしかない―
68
:
虎視眈々
:2012/06/02(土) 22:23:06 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「本当にありがとうございました!!」
深々と頭を下げ、瀬口は真に礼を言う。
「……」
真はなんといっていいか分からず言葉を詰まらせる。
「その前に、一つお願いしたいことがあんだけど…」
「ん?」
「刑事さん、犯人捕まったんですか!!」
突然の声。二人は声のしたほうを見るとそこには立木と横根が立っていた。
「もう僕達は帰っていいんですよね?」
立木は片手にカバンを持ち、帰る気満々で瀬口に聞いた。
「はい、もう事件解決ですから、お帰りいただいて結構です。でも明日また事情聴取ですのでよろしくお願いします」
瀬口はまた頭を下げる。
「でわ僕もお暇します」
横根も片手にカバンを持って帰る気満々だ。
「それでは…」
「待てよ」
二人が帰ろうとした瞬間それを真が止めた。
「正谷君?」
瀬口が真の顔を見ながら聞く。
「まだアンタらの『裏金協力』の件については全くほとぼり冷めてないんだけど」
その場の温度だけが下がる。
「裏金?一体何のことだい?」
少なくとも冷静に、それは横根のポリシーらしい。
「嫌だから、殺された奥田さんと協力して裏金回しててのあんたたちなんだろ?」
真は腰に巻いていたトレーナーを取りながら言った。
「まぁそら警察もうかつになるわなー。毎日のように嫌味被せられてる奴らがまさか共犯になって裏金回すとはおもんねぇし大体今回は殺人事件として来てっから裏金なんかを考えるわけでもなく…」
真は白々しい目をして瀬口を見た。
「だからカケに出た。警察がこれを見つけられれば警察の勝ち、見つけられなかったら自分たちの勝ち。で、あんたらは勝った。とついでに事件も解決、めっちゃ運良いじゃん自分たち☆的な感情の中で俺に終止符を撃たれた。いやまさかこんなガキなんかに裏金回してたことがバレるなんて1ミリたりとも考えてなかったんだよな。で、今‥と」
電車の中と同じ様に子供のような口調で話す。
「バカバカしい。冗談も大概にしたまえ」
立木が険しい顔をしながら真に言う。
「じゃあそのカバンの中のもん見せろよ。あんだろ青い裏金リストが」
ニコッと笑ってみせると真は大胆にトレーナーを着てまた笑った。「ハイ終了」とでも言うかのように…
69
:
虎視眈々
:2012/06/02(土) 22:48:10 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
それからすぐだ、二人はカバンの中を探られ中から青い裏帳簿が見つかった。それが確たる証拠となりまた連行された。
お手柄第3回目。電車の痴漢騒動といい、殺人事件といい、裏金といい、真は今日一日で3つの事件を解決した。本人は偶然が重なったに過ぎないと思っているようだが世の中にはそれを偶然ではなく「必然」と呼ぶ者も居る。
『なんでも、やりなす、こなします、あなたのための《何でも屋》』と看板をかけた店にも一人それを偶然ではなく必然と感じたものが居た―
70
:
虎視眈々
:2012/06/02(土) 22:49:01 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
それからすぐだ、二人はカバンの中を探られ中から青い裏帳簿が見つかった。それが確たる証拠となりまた連行された。
お手柄第3回目。電車の痴漢騒動といい、殺人事件といい、裏金といい、真は今日一日で3つの事件を解決した。本人は偶然が重なったに過ぎないと思っているようだが世の中にはそれを偶然ではなく「必然」と呼ぶ者も居る。
『なんでも、やりなす、こなします、あなたのための《何でも屋》』と看板をかけた店にも一人それを偶然ではなく必然と感じたものが居た―
71
:
虎視眈々
:2012/06/02(土) 22:52:01 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
(すみません、間違って同じもの発信してしまいました。無視してください)
72
:
虎視眈々
:2012/06/02(土) 22:54:31 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
第2話
【押し売りは遠慮してます…】
73
:
虎視眈々
:2012/06/02(土) 22:57:55 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「キーン、コーン、カーン、コーン」
ここ蓮城高等学園では1限目の予鈴が鳴り響いた。ついでに、
「また遅れた―――!!!!」
正谷 真の走りながら言っている絶叫も…
74
:
ピーチ
:2012/06/03(日) 01:03:23 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
虎視さん>>
初めまして♪今の所を読んでみたけど、凄く面白いと思うよ!
ミステリーは大好きでーすww
更新待ってるねーww
75
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 07:50:44 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
ピーチさんコメントありがとうございます。てことでバンバン書きます
(トリックとか考えんのムズイが…(T▽T)
76
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 08:08:10 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
(たく、今日こそは遅刻しねぇと思ったのに、何で一昨日痴漢騒動が今になって感謝されねぇといけねんだよ!!)
今日の朝。いつもの電車に乗るときに一昨日痴漢にあった田所 美稲(たどころ みね)が真を見つけ長々と礼を言っていた。昨日は何もなく普通に学校に行った(遅刻して)。そして、いつも乗る電車には乗り遅れ次の電車には載ったものの、途中犬に追いかけられ、来るにあたって信号はすべて赤になり、近道は工事中で通れなくなった。と散々なことになり今にあたる。
77
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 08:32:07 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
学校まであと数m。そんな位置になった瞬間真は咄嗟に足を止めた。
視線を感じた―
真は振り向き、視線の正体を探す。
(なんだったんだ今の…)
真は違和感を覚えた。だがすぐに前に目を戻し学校の校門に走った。
―(正谷 真。か、…)
視線の正体は真が写った写真を片手に口角を少し上げた。
78
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 09:12:02 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「正谷。お前また遅刻か!!」
教室に入った瞬間、福原の怒鳴り声がちった。
「イヤ、イヤ、今回はチャンっとした理由があんだよ。理由が!」
真は必死に訴える。
「どうせ、寝てたカラーとか言うんだろうが。」
しかし、福原に聞き入れる耳はない。
「ほら、早く席に行け」
そう言い福原は真の背中を押す。狼少年とはまさにこのことだな。
「なんでいつも、遅れるの…」
真が席に着いた時隣の席の高津 咲良(たかつ さくら)が言った。
「そうそう、高校生にもなってママに起こされないと起きれないんじゃいけないよ〜」
そして次は前の席の前原 涼(まえはら りょう)が真をからかう。
「あぁ!?」
真はこれを喧嘩が売られていると感じた。
「てめぇ、毎日毎日俺が遅れただけでいちゃもんつけやがって。そんなに俺に殴られて欲しいのか、涼!!」
体を前に乗り出し真は涼に怒りの声をかける。
「オー怖。そこまで怒んなよ真ちゃん、俺ら中学からの仲だろ」
涼は二カッと笑いながら言ったが、それとこれとは話が違う。
「それはそれ、これはこれ、だろうが…」
『正谷、前原!!授業中に話しすんな!!』
突然、福原の怒鳴り声が真と涼の耳に飛ぶ。
「チッ」
「ヘイヘイ」
二人はそれぞれに言いたいことを言うと黒板に目を向けた。
79
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 09:40:43 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
―「キーン、コーン、カーン、コーン」
1限目終了の鐘がなった。
終わったと同時に真は思いっきり背伸びをした。そのついで(?)に真は白い天井を視る。
「どうしたんだよ、真ちゃーん」
涼が前から話けた。
「…あのさぁ、その呼び方やめてくんね‥」
嫌な顔をしながら言う真に涼は「なんで?」と聞き返す。
「いや、なんか『クレヨ○しんちゃん』ぽいから」
まぁそうだな。涼も承知のうえで真のことを中学から「真ちゃん」と呼んでいる。
「いいじゃないの〜。可愛いんだからよ真ちゃんって名前」
可愛いとか気色悪い…真はそう思ったが口には出さなかった。言ったら言ったでまた何か変なあだ名をつけられると思ったからだ。
80
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 09:51:55 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「ていうかよ〜、そんない言うなら髪切れば。少しは男っぽくなるって」
また笑って言う。
真の髪の毛は中学生の頃から一度も切っていない。また、中学の頃からまともに制服を着たことがない。理由は全くないが。
「いや俺もそうしたいんだよな。でも、姉貴が切るなって言ってんだよな。意味わかんねぇけど」
(そのうちまた女装させられるな…)
涼は不敵に笑ってみせる。
81
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 10:33:47 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
『不審者―――!!』
突然だった。教室の窓側から見える校庭から声が飛んできた。
真は、廊下側の自分の席からすぐに窓側の席に飛んでいき窓を開け外を見た。
「どうしたんだ」
「なになに」
「不審者」
「なんかのショーかよ」
生徒は口々に言ってくる。
真は1階の自分の教室から校庭をキョロキョロと見渡す。
『学校内に不審者が現れました。生徒のみなさんは窓を閉めて静かに体育館に集まりましょう』
校内放送でそう言われると生徒全員のザワつきが一段と増した。
82
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 10:48:57 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「み、皆落ち着きなよ、兎に角今は体育館に行こう…」
戸惑い口調で学級員の高梨 琴紗(たかなし ことさ)がみんなに言う。それに従い数人の生徒が廊下へと出ていく。
「正谷君。体育館行こう…」
咲良が真の肩に手を置きながら言った。
「……」
真は少し考えたあとに一度振り返り桜に言った。
「高津、俺ちょっと言ってくわ」
真はそう言うと咲良が止めるのも聞かないで窓から地面に降りた。
「ちょ、正谷君!?」
「高津窓閉めといて」
真はそれだけ言い残し校庭の方に走っていった。
83
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 11:08:31 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
(またこういうのに首突っ込んじまったけど、まぁ問題ねぇだろ…)
校庭をひた走る中真はそんなことを考えていた。
何をどうしろ不審者を見つけてもその後の後始末は全くできない真。
「不審者ってどんなやつなのかな?案外この前の、痴漢騒動ん時の基や…」
「正谷さん!!」
84
:
ピーチ
:2012/06/03(日) 11:15:35 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
虎視さん>>
うわっ!不審者!
会ってみたいなー・・・
事件巻き込まれてみたい・・・
ってゆーか、良くそこまでミステリー思いつくねーww←途中で挫折した人ww
面白いよ!更新待ってるねー♪
85
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 11:17:10 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
聞き覚えのある二度と聞きたくない声。
真は頭の中にめんどくさいという感情が生まれた。
「……なんで居んだよ基山…」
白々しい目で前に現れた基山を見る。
「いや〜ちょっと正谷さん探しにこの学校に入ったんですけどなんか皆さんが僕のこと変な人だとおもちゃってて…」
一瞬で分かった。こいつが今この学校で不審者呼ばわりせれていることに…
86
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 11:30:50 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「基山…」
真はつめターイ目で基山を見ながら言った。
「帰れ、迷惑だ、ウザイ、つか死ね」
真は脳裏に浮かんだ言葉をすべて放った。
「ひどい正谷さん!!この前はあんなに優しくしてくれたのに(泣)」
「その誤解を受ける言い方やめろ。優しくもなにも俺はただ単にあんたが痴漢じゃないって言っただけだ」
87
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 11:44:16 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
もういい加減にしてほしい。痴漢騒動で助けてやっただけなのに何かの意図で「何でも屋に入らないか」なんて言われて、それだけではなく学校にお押し売りのように侵入してくるとか…
「兎に角学校は押し売りを断固拒否してるんでさっさと帰れ。今帰るなら誰にも言わないから」
こんな人と関わりを持ってるなんて思われたくないし、思いたくもない。今のところ誰も見てないし基山を逃すことだって簡単だ。
「ちょっと待ってくださいよ。僕がここになんの理由もなく来たと思ってるんですか!?」
「思ってる。ついでに言ったらなんの理由がないからこそ来たと思ってる」
キッパリと言う、性格の真。それは父親の剣から受け継いだものである。
88
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 11:58:16 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「う、う、う、ひどい、ひどいです。正谷さん!なんの理由もなしに来ているわけないじゃないですか!!」
両手を拳に変え縦に降ってみせる。
「じゃあ何か理由あんのかよ」
真は呆れ顔になりながら言った、すると基山は二パーと笑い「特にありません(´▽`)」と言い真の顔を見る。
「じゃあくんな!!!!」
「ブゴッ!!!」
基山の顔面に真の硬い拳が飛んだ。
89
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 12:11:00 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「たく、ふざけやがって。理由もなしに来てんじゃねえってんだよ」
殴られた顔を抑えている基山を前に真は愚痴を発する。
「それにしても正谷さんは相変わらずですねぇ」
基山は真の学生には見えない服装を見て言う。
真の服装は半袖の黒いTシャツに腰には青い長袖のトレナーを巻き、両手には金色の糸で「勝利」と「必勝」という文字が縫われている黒いバンドをはめ、首には十字架のネックレス、ズボンは中途半端の長さの半ズボン、髪は男だというのに長髪で後ろでひとつ結びにすているという格好。
90
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 12:23:15 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「俺はこれで学生こなしてんだよ。いちいち文句言うな!!」
真はめんどくさいと言わんばかりの顔で基山に言ったが、自分自身この格好を好んでいるわけではない。
「兎に角だ校門はあっち。早く帰れ」
親指で校門の方を指さしながら言うと、基山は突然被っていたレディース帽子を取った。
「いえその前に、一つだけご相談したいことがあります」
真剣な口ぶりで話す基山。
91
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 12:59:57 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
真にはその話し方がおかしく聞こえた。
「一昨日の社長殺害事件。世間的には警察が解決したようになってますが本当は正谷さん…」
変なところで話に区切りがついた。
「あなたが解決したんですよね?」
何で?…真はそんな顔をして基山を見つめる。
92
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 13:10:28 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「………」
無言でやり通すには無理がある。
「図星…ですか?」
分かっているのにわざと聞いてくる基山の顔に違和感とウザさがこみ上がってきた。
「…それが本当だとしても俺は何の文句もねぇよ。逆に報道されないだけありがたいね」
93
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 13:24:18 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
真は両手を挙げお手上げポーズをしてみせる。
「ものすごい推理力です」
基山はポツリと一人呟いた。
「……」
(なんだよこいつ。奇味悪ぃ。しかも、心の中を見透かされるような感触。なんか…)
真の脳裏に変な感触が生まれた。
94
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 13:27:32 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
キモチガワルイ コイツハイヤダ
真の頭に浮かんだのはそんな感情だった―
95
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 13:35:29 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「正谷!!!!」
真の横から福原の声が聞こえた。
真は即座に声のしたほうを見て一歩後ずさりした。
「大丈夫か!!正谷!!」
福原は、まず真の肩をつかみ語りかけるように言った。
「不審者がいたぞーーー!!」
96
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 13:40:58 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
福原は叫ぶように言った。
真はどうしてだか顔に冷や汗をかいていた。
知っているのに、初めてじゃないのに、殴ったのに、話したのに、文句言ったのに。心を読まれる感触ってこんなに怖いことなんだ…
97
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 13:53:46 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「真君もう大丈夫だと思うけど、本当に何をされてない?」
真は学校の保健室で平坂 香奈(ひらさか かんな)に心配されていた。
「うん、ちょっとビックリしただけだから…」
先ほどよりは顔色がだいぶよくなった真を見て少しだけ笑顔を漏らす平坂。
「そういえば、あの捕まった不審者さん、真君の名前ばっかり叫んでるみたいだけどお知り合い?」
あぁ…あの後すぐに駆けつけた教師たちによって不審者=基山 昌平(きやま しょうへい)は捕まった。というよりパクられた。
98
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 14:00:31 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
もうあんな意味不明の人なんかに関わりたくない。
ほんといって基山は宇宙人なんじゃないかと真は思っている。(んなわけないが…)
「んじゃ俺教室戻るは…」
そう言い真は座っていた保健室のベットから立ち上がりドアの方に歩いて行った。
「真君、一人で行ける?なんなら私も…」
平坂が止めるのを押し切って真は「いいよ」とだけ言って保健室を出た。
99
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 14:08:48 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「しーんちゃん。大丈夫か?」
教室に戻るなり一番聞きたくない人の声が耳に入った。
「にしてもいいとばっちりだったな……つかホントに大丈夫か?顔色悪いぞ」
心配されている自分がなんだか情けなくなる。
真は深くため息を知ると自分の席に戻った。
100
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 14:11:51 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
(すいません、また上間違えました。「知ると」ではなく「つくと」でした。私よく間違えるんだよな(T▽T)
101
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 14:14:52 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
(正谷君……)
横で真を見ていた咲良は心の中で心配した。
102
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 14:32:52 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「キーン、コーン、カーン、コーン」
午後5時28分。この日は珍しく普通の時間に帰れた真。
これが何の変わりもない日だったら良かった。
(あー、気持ち悪い。)
ここまで気分が悪くなるとは自分でも思わなかった。
(つかあの後、基山の糞ジジィはどうなたんだ。)
そんなことを考えて歩いていると
「ブー、ブー、ブー」
ポケットに入れていた携帯が鳴った。メールだ。
(誰からだ…)
題 お店紹介。
(ただの会員募集のメールかよ…)
イラついている真に追い討ちをかけるようにメールの第一文が目に入った。
103
:
ピーチ
:2012/06/03(日) 14:41:33 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
虎視さん>>
正谷君ある意味凄いっ!
・・・何か正谷君って頭悪い名探偵みたいな?←違ったらごめんっ!
あ、あと、タメ口でいい?←今更何言うww
104
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 14:43:08 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
『なんでも、やります、こなします、あなたのための《何でも屋》で働きませんか?内容はいろいろ☆あなたに合ったお仕事をしましょう』
何でも屋…基山が真を誘った仕事。
「……住所まで書いてるよ…」
まるで来てくれと言わんばかりのタイミングの良さ。
真は口角を上げ薄く笑った。
(行ってやろうじゃんクソ野郎)
105
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 14:47:40 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
ピーチさん、タメ口でok(・∀・)オッケー!っす
あと、私が考えるに真は馬鹿だがやるときはやる少年です!!(自分が書いてんのに)
そしてこれからも読んでくれると幸いです!!
106
:
ピーチ
:2012/06/03(日) 14:51:58 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
虎視さん>>
わーぃ♪あたしもタメでいーよーww
あ、そっか!「やる時はやる少年」!なるほど!
え・・・でも待って、やらない時は?どうなの!?
ミステリー大好きなんでー!絶対欠かさず読むよー←更新されてたら絶対!ww
ミステリー・・・あたしは途中で折れたからなー・・・←ノートに書いてた時にww
107
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 15:03:15 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「ここか、何でも屋って?」
真は大小イロイロのビルが立ち並ぶ都心に居た。
2階建のやや小さなビル。窓には先ほどの何でも屋のフレーズが内側からテープで貼られている。
「ここが基山の働いている…」
顔を上げ真はビルの屋上を見る。
「よし、はいるか!!」
「んじゃまず、どの課に入るか、からだな」
意気込んだ真に後ろから突然男の声が聞こえた。真は振り向き声の招待の人物を見る。
「どーも(^^♪」
黒髪、短髪。まず真の脳裏に叩き込まれた男の印象はその二つだった。
108
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 15:15:53 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
ピーチさんのご質問にお答えしましょう。真はやるときはやって、やらないときは…ほかの皆様方がやる気を出させます!!(というセッティング。て事で基山さんたちガンバ!!)
109
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 15:29:08 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「…あ、あんた。誰だ」
真は現れた男に聞く。
「あぁ、俺か?俺はこの何でも屋の第7課の精神科係、橋波 斗也(はしなみ とうや)。何でも屋に入んなら俺の名前は絶対忘れんなよ」
斗也は簡単に自己紹介をして二っと笑う。
「……は、はぁ」
真は戸惑いながらも軽く返す。
110
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 16:04:53 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「まぁなんでもいいから入った入った」
斗也に押され真は、何でも屋のビルの自動ドアにまで行かされた。
「え、ちょ、ちょっと、待った。俺は何でも屋に入りに来たんじゃなくて、人に会いに…」
真がそう言った時にはもう何でも屋の中に入っていた。
「おーい、皆!バイトさんが来たぜー」
斗也は真が「違う」というのを押し切って叫んだ。するとその叫びに答えるように1階ののあちこちのドアが開きゾロゾロと人が出てきた。
「うわー、ほんとにバイトさんだ。」
出てきた人の中の女性がが笑いながら言った。
「おうよ、夏恋(かれん)!久々のバイト君だ!!」
斗也はニッコリしたまま夏恋に言う。
「うわーガチで連れてきやがった。」
次は男性が苦笑しながら呆れ顔で言う。
「俺に限って嘘はつかぬさ黎音(れおん)これでも頑張ったんだからな」
斗也はまたもニッコリして黎音に言う。
111
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 16:28:28 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「うんわー、すげー」
「さすがといっていいな」
「斗也君スッゴーい」
ほかの者たちも口々に斗也を褒めるようなことを言っていく。
「ねぇねぇ君なんていう名前?」
夏恋が微笑みながら真に聞いてくる。
「ちょ、ちょっとタンマ」
真は両手のひらを見せみんなを止める。
「俺はここで働きに来たんじゃなくて、ここで働いてる基山に会いに来たんだ」
真はみんなに叫び散らすように言う。
「…基山さん‥なら、もうちょっとで帰ってくるんじゃないかな…」
一人が静かにそう言う。
「基山さんってどうなっちゃたの?なんか社長に電話あったみたいだけど?」
また一人が言う。
「でもよー社長がどっか行って5時間はたってるだろ?」
そしてまた一人。
「おっそくねー」
そして、また一人が笑いながら言う。
112
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 16:47:46 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「あ、そうですか。…じゃあ俺今日は帰りま‥」
「まぁ基山君が帰ってくる前にいろいろしちゃえばいいわよねー。」
夏恋は真の話を遮り言った。
「じゃー、ちょっとこっちきてー」
夏恋は真の手を取り「受け付け」と表札のかかった机のところまで連れて行った。
「はいまず、これに住所と電話番号、名前、あとその他モロモロ書いてくれる」
そう言い縦長机の向いに真を座らせその向かいに夏恋が座った。そしていろいろ書かれた紙を出しついでにボールペンも出した。
(冗談だろ、おい…)
113
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 17:19:32 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
住所 高橋町3丁目6ー4−2 電話番号 090‐8426‐4651 名前 正谷 真 誕生日 10月 8日 職業 高校生 家族構成 「教えるか!!」 立候補課 特に無し
これが真が記入したすべてである。
「家族構成が無記入、しかも立候補課は無し…かぁ」
記入されたものを見て夏恋は作り笑いをする。
「そこまで書く必要ねぇだろ。つか、俺さぁここには基山だけに会いに来たんだけど。何でも屋になるとか言ってないし、大体俺なる気とかないんだけど」
真も作り笑いを浮かべ説明する。
「あらそうだったの、知らなかったわ。でも…」
夏恋の可愛らしい顔がマジめな怖い顔になった。
「ちょっと遅かったかな」
114
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 17:59:14 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「アンマーイ(≧∇≦)」
「あんまり油断すんな、新人」
両方から小さい女の子とツンツン頭の茶髪の男が空宙を飛ぶかのように真に蹴りを喰らわそうとした。が
「アメーのはどっちだよ…」
そう言うと真は座りながら床を蹴りわざと椅子ごと後ろに横転した。そのせいで両方から真に蹴りを喰らわせようとしていた二人の足と足がぶつかり空中風流なんて大芸当を失敗して地面に落ちた。
「いったーーーい゚(゚´Д`゚)゚ひどいよ真君!!功君(こうくん)ならまだしも私にまで怪我させるなんてー!!」
落ちた少女は泣きながら真に訴える。真も真で何かガードがあって横転したわけではないにで背中と首が微妙に痛い。
「あぁ!?天翼(つばさ)てめぇ俺はまだしも、ってなんだ!!お前は何様だってんだ!!」
もう一人の落ちた男はその場で怒鳴り散らす。
「あ〜イッタ。背中打ったかも」
真は一人で嘆きながら立ち上がる。
115
:
虎視眈々
:2012/06/03(日) 18:20:50 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
(あのギリギリのタイミングで9課の二人をよけた…しかも焦るような素振りは一切見せず数秒であそこまでする判断…)
夏恋は驚いた顔をして立ち上がった真を見る。とその時だ…
「何やってるんだお前等!!」
突然出入口から男の声が聞こえた。
『社長』
皆は声を合わせて言った。
「しゃ、社長…?」
真は出入口の方を見て呟いた。
116
:
ピーチ
:2012/06/03(日) 18:35:11 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
虎さん>>
何かもー、面倒くさいから「虎さん」って呼ばせてもらいまーすww
うわっ!真君可哀そー・・・
あーゆー強引なのってウザく感じられるよねー
・・・うん、何かゴメンね。けなしてると思ったら・・・
117
:
虎視眈々
:2012/06/04(月) 16:16:57 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
すいませんピーチさん答えるのにものすごい時間かかりました。
私学生なんで金曜と土曜の夜遅くまでぐらいしか書き込めなくて…
あとピーチさん私も強引な人は嫌いです(じゃあ何であんなキャラ考えたんだ…)
そして何よりいつも書き込んでくれて有難うございます!!
118
:
虎視眈々
:2012/06/04(月) 17:23:19 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
「…あ、正谷さん」
と同時に聞き覚えのある嫌いな者の声が真の耳に入った。
「…よ、よう基山‥」
戸惑いとウザさが交差した。ここには基山に会いに来た様なモノなのに実際に会うとなんだかぎこちない。
「どうしたんですかこんな所で?…もしかして何でも屋には入りにですか!」
基山の自信のある言い方は真の脳内にイラツキを感じさせる。
「いや、俺はそんな気できたんじゃなくて…」
「申込書はもう書いてもらったから、どうしようもないんだけどね」
真が基山に説明するのを夏恋が遮る。
119
:
虎視眈々
:2012/06/04(月) 17:47:48 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
「だから俺はそんな気で書いたんじゃ…」
「いやいや、今回ばかりは斗君に感謝しないと〜」
真の説明を次は天翼が遮った。
どうやらここの人間は全員人の話を最後まで聞くという事を知らないらしい。
「そうですか、そうですか。それはどうも有難うございます!!」
基山は真に近寄りながら歓喜の声を上げる。
「…って何すかその顔?」
真はホントに嫌な顔をして基山を見る。
「誤解が交差する中で誰一人としてまともに話を聞きたいと思う奴が居ない事に失望してる」
真は冷たい目をして基山に言葉を返す。
120
:
虎視眈々
:2012/06/04(月) 17:59:18 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
「…って、待て、待て、待て、待て、待て」
今まで自動ドアの所で黙って見ていた、「社長」と呼ばれた男が突然話に割り込む。
「俺はなんにも許可してねぇぞ。何のテストもしてねぇのに」
男は基山と同じように真に近寄り怒鳴るように言う。
「いいじゃないですか。社長、久々のバイト君なんですから」
夏恋は真の肩に手を置き、言った。
121
:
虎視眈々
:2012/06/04(月) 18:07:36 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
「………」
真は緊張してか呆れてか言葉が出てこない。
「…お前、名前なんてんだ」
男は真の前に来ると首を少しかがめ聞いてきた。
「‥正谷、真…」
真は戸惑いながら答える。
「真、ねぇ。名前はいいな」
男は目を上目ずかいにして言った。
「だが、0点だ…」
122
:
虎視眈々
:2012/06/04(月) 18:18:35 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
『ズゴンッ!!!』
けたたましい音と衝撃が真の腹を襲う。
「ッ―――――――…あ、危なー」
襲ったのは男の右ひざのタックルだった。 しかし間一髪の所で真は手を腹の前に掲げひざタックルを阻止した。少々の反動はあったが…
「ヒュ〜。回避力は80点」
男は口笛を鳴らし真を褒める。
123
:
虎視眈々
:2012/06/04(月) 18:38:24 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
「な、何が80点がクソボケ!つかやる前になんか言え!!」
真は男のひざを離しながら叫んだ。
「……なんかお前って見た目より馬鹿だな」
男は足を床につけると呟くかのように言った。
「誰が馬鹿だでくの坊!社長だか何だか知らねぇが、何様だてめぇ!!」
真は男に険しい顔で睨みつける。
「何様…かぁ。そうだな、じゃあ『鷺沼様(さぎぬまさま)』とでも呼んでくれや」
鷺沼…どこかで聞き覚えのある名前だと真は思った。
124
:
虎視眈々
:2012/06/04(月) 18:53:51 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
「…鷺沼さま〜。てめぇホントに何様だ。俺は自分の事を棚に上げるやつ大っ嫌いなんだけど」
真は一人愚痴を漏らす。
「ん〜〜。…お前って上に怖い姉を持った強がり坊やって所か」
鷺沼は不敵に笑って真に言った。
「……」
真は顔をしかめる。
125
:
虎視眈々
:2012/06/04(月) 19:51:39 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「図星か?」
基山と似た笑い顔。真はそんな風に笑う鷺沼の顔をジッと見つめる。
何でも屋の者は全員キモチガワルイ真はそう確信した。
「…あんたさぁ、基山に似てて…」
真は静かに目をつぶりながら呟くように言う。
「どことなく‥ウザイ」
真はそう言い目を開ける。その目は怖いもの知らずに見える鷺沼を圧倒させた。
126
:
虎視眈々
:2012/06/04(月) 20:03:22 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「俺が‥ウザイ。かっ」
鷺沼は近づけた顔を離し薄く笑う。
「…よし(^ー^;)。合格!!」
鷺沼は笑いながら答えた。
「じゃあいいんですね。社長!」
突然夏恋が微笑みながら聞いた。
「まず1回目のテストわな。次が本腰だ」
鷺沼は意気込んでいったが真はめんどくさいと言わんばかりの苦笑いをして顔で嬉しさを顔で表現している基山を見た。
(俺って最近不幸なんだけど(T▽T))
127
:
リオネル・メッシ
:2012/06/04(月) 20:03:23 HOST:i219-167-175-101.s02.a018.ap.plala.or.jp
ぼくも、タメでいいですか。
128
:
ピーチ
:2012/06/04(月) 20:31:53 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
虎さん>>
うわー・・・結局入っちゃった・・・
なーんかなー・・・真君お気の毒だわww
うーん・・・あたしだったらぶっ飛ばす勢いで出て行くかも♪
129
:
虎視眈々
:2012/06/05(火) 18:06:36 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
メッシさんタメで(・∀・)オッケー!です(^^♪
そしてピーチさん入るからこそ何でも屋なのです。題どうり
本音(~_~) はっきり言ってそろそろ入れんとタイミングがやばいからなんだ…
130
:
虎視眈々
:2012/06/05(火) 18:41:08 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「第二試験ってんだよ?」
真は基山の後ろにつき何でも屋の2階を歩いている時に聞いた。
「そうですね〜簡単に言えば何でも屋の11課になる為のテストです」
基山は笑いながら言う。
「テストかぁ。……って、ちょっと待て11課ってなんだ」
気をお落としながら真は呆れ口で聞く。
「あれ痴漢騒動の時に言いませんでしたっけ?僕は何でも屋11課探偵部の者だって。正谷さんには最初から11課になってもらうつもりで誘ったんですけど」
二パーと笑い、答える基山。「冗談だろ、おい」真はそう呟いたが基山には全く聞こえていなかった。
こんな奴といるだけで気分が悪くなるのに、これから一緒に働くとなると完全にヤバイ
(俺の寿命縮みそう(T_T))
131
:
虎視眈々
:2012/06/05(火) 18:51:37 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「まぁ用意が終わるまでここで待っててください」
2階の少し行った所の部屋の前で基山は真に言った。
真が部屋のドアの上を見ると『第11課 探偵部』と書かれた表札がかかっている。
「あと、ついでなんで部屋の掃除もしといてくれますか?」
最初からそのつもり。また似たことを言われると怒りMXである意味やばいと思い真は何も言わずジッと基山を見た。
132
:
ピーチ
:2012/06/05(火) 22:12:20 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
虎さん>>
あー、そうか!入らないと題名と食い違う!←あほ。
うーん・・・それにしても、真君は常々不幸体質だねぇ・・・
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