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陰陽師 〜前世と現世〜
60
:
ピーチ
:2012/04/15(日) 10:00:03 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「この間、明人と二人で話したんだ」
「・・・何を?」
「・・・・・・お前が・・・」
尭悸はそこまで言って、
「いや、何でもない」
と言い換えた。
「・・・?分かった・・・」
誠人は、何か納得のいかない素振りを見せながらも、尭悸が部屋から出て行くのを、静かに見送った。
「まさか・・・な・・・」
誠人は、しばらくしてからもう一度、式紙を飛ばした。
「異常なし・・・」
それから後は、また昨日のように本を読みながら今まで見た妖の名前や説明を見ていた。
そして、いつものように七時を回ってから家を出た。誠人はその時、式紙を置いていなかった。すれ違いで、尭悸と明人が誠人の部屋に行ったのだ。
「・・・あれ?誠人?」
「やっぱりな・・・」
「やっぱり・・・って・・・」
「あぁ・・・追うぞ!」
「わ、分かってるよ!」
その頃誠人は、いつもの如く雑鬼達に様子を聞いていた。
「あ・・・あいつが・・・」
「・・・あいつってまさか・・・」
「昨日の奴だよ!あいつの仲間が俺達の仲間を・・・!」
「・・・愕・・・!」
≪我ラノ名ヲ知ッテイタカ・・・≫
「!?」
誠人達が声のした方を向くと、昨日の鳥妖、愕が姿を現した。
「・・・!」
≪ソンナ妖ドモナンカヨリ、オ前ノ方ガヨホド力ガアルヨウニ見エル・・・≫
愕がそう言った瞬間、誠人が地面に崩れ落ちた。
「誠人!?」
「どうした!?」
≪・・・未ダ呪詛ヲソノ身ニ宿シテイタカ≫
不気味な笑みを作りながら、その羽に黒く、大きな玉を作り出した。
≪オ前ニコレガ当タルトドウナルト思ウカ?オ前ノ身ニ宿ル呪詛ガ力ヲ増シテイキ、最終的ニオ前ハ死ヌ≫
「・・・冗談じゃないね、俺をそう簡単に倒せるわけねぇだろ?」
≪威勢ノ良サダケハ認メテヤロウ・・・ダガナ、コチラモ仲間ノ仇を討タネバ気ガスマヌ・・・≫
「『臨・兵・闘・者・皆・前・烈・在・前』!!」
真言密教を唱えながら、九字を切る。そして、手で格子を切った。しかし、昨日ほど上手くはいかず、惜しい所で逃げられた。
≪オ前ノ術ハ昨日全テ見テイル・・・避ケルコトナド造作モナイ・・・≫
そう言葉を洩らしながら、愕が黒い玉を投げつけてきた。誠人は、条件反射でそれを避ける。
「くそ・・・!」
誠人は咄嗟に、神札を放った。その神札が、愕の両羽を捕らえ、瞬時に焼き払う。
≪!?≫
突然のことに、さすがの愕も一瞬反応が遅れ、愕の両羽が灰と化していく。
≪オノレェ・・・≫
「『臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前』!!」
その一瞬の隙を突いて九字を切り、手で格子を切った。今度は、愕も逃げる暇がなく、しっかりと誠人の術中にはまった。
≪・・・我ガ消エタ所デ、マタ別ノ妖魔ガ姿ヲ現スゾ・・・≫
「・・・・・・消え失せろ・・・この地に害を為すものよ・・・」
その言葉を最後に、誠人は愕を消し飛ばした。しかしその直後、また別の妖魔達が現れた。
「な・・・っ!?」
≪今、愕が言ッタダロウ?他ノ妖魔ガ現レルトナ・・・≫
「・・・・・・お前らの目的は何だ?」
その言葉に、妖魔達はこう答えた。
≪オ前ノ力≫
「・・・え?」
≪オ前ハスバラシク高イ霊力ヲ持ツ者・・・オ前ヲ主ニ献上スル・・・≫
「・・・お前らの言ってる主って誰だ?献上ってその主とやらに・・・俺をか?」
≪オ前ニハ知ル必要ノナイコトダ・・・≫
妖魔達が、一斉に誠人に迫ってきた。誠人は、無意識に後退ろうとしたが、なぜか足が動かなかった。
「・・・」
もう一度、神札でその場を凌ごうとしたが、一瞬遅く。妖魔達に囲まれた。
その直後、後方にいた妖魔達が悲鳴に似た声をあげた。
「え?」
≪!?≫
続きまーす
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