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陰陽師 〜前世と現世〜

56ピーチ:2012/04/15(日) 00:03:49 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「ゴメンな、いきなり来て」
「え?いや、別に構わないんだけど・・・」
「それより」
突然、裕也の顔が、真剣な表情に変わった。
「お前さ・・・大丈夫なのか?」
「え・・・?あ、あぁ・・・うん、大丈夫」
誠人は、いつもの如く。薄く笑みを作りながら答えた。
「裕也こそ大丈夫なの?」
「あぁ、俺は次の日には痛みも文様みたいなのも消えてたよ」
「・・・良かった」
「え?」
突然、誠人の口から出てきた言葉に、思わず裕也が聞き返す。
「・・・・・・俺のせいであんなことになったからさ・・・」
「気にすんなよ?」
「え?」
「あれは、俺が勝手についていった結果だからさ」
「・・・うん」
「・・・あのさ、今度またうちに泊まってかね?」
「は?」
誠人は、いきなりの質問に、は?としか答えられなかった。あまりに唐突過ぎたからだ。
「できれば・・・今から」
「・・・今から・・・?」
「頼むよー・・・」
「・・・うん、いいよ」
「マジ!?良かったぁ・・・」
「ゴメン。ちょっと待ってて」
そう言って、誠人は一度、部屋を出て行った。
「・・・?」
少ししてから、明人の金切り声が聞こえてきた。それを聞いて、裕也はピンときた。
「ゴメン・・・って言うかさ、本気で今から・・・?」
「・・・あぁ・・・」
「分かった。じゃあ行こう」
誠人の家を出て、三十分ほどしてから、裕也の家に着いた。
「・・・お邪魔しまーす・・・」
「いーよ、誰もいねーし」
「・・・まだ帰ってないの?」
「あぁ、長くて一年、帰ってこねぇよ」
「・・・一年・・・」
今の誠人からすれば好都合かもしれない。この状態だから。
「・・・夜にな」
「うん」
「何か変な影が浮き出て来るんだ。“あの者をよこせ”とかなんとか言いながら」
「・・・・・・・・・!?」
「・・・?誠人?」
「あ・・・いや・・・」
裕也には、夜になったら様子を見てくる、とだけ言った。
「もちろん、裕也の周りには結界張っておくから」
「・・・何か悪いよな、俺・・・」
「大丈夫だよ、確認だけだからさ?」
「・・・あぁ」
その後しばらく話をしていたが、七時を回ると、誠人は準備を終わらせてさっさと行ってしまった。
音も無くいつものように歩いていると、いつものように雑鬼達が押し寄せてきた。
「誠秋ー!!!」
「今は誠人!」
しかし雑鬼達は、怒鳴り返す誠人を見てもそれどころじゃない、と言うような慌てた口調だった。
「お、お前の弟ってあれか!?」
「あの化け物つれてたから、すぐに分かったぞ!!」
「何であいつがお前だって間違われるんだよ!?」
上から一鬼、刃鬼、諜鬼の順だ。
「何でって・・・明人の方が霊力が強かったから・・・だよ?」
「絶対おかしい!」
「そーだそーだ!」
「ちょっと待て・・・間違っても変なこと言うなよ?絶対に俺の名前出すな?」
「誠秋はいいんだな?」
「いい訳ないだろ!?」
そこまで言った後、誠人はつい雑鬼達のペースに乗せられていることに気付いた。
「・・・なぁ?」
「え?」
「お前ら最近・・・」
言いかけた時。反対側から異様な空気と、凄まじい神気のような澄んだ空気が辺りを支配した。
「・・・これ・・・!?」
その後は言葉が続く前に、全力で駆け出していた。
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続きまーす


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