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陰陽師 〜前世と現世〜
50
:
ピーチ
:2012/04/14(土) 22:29:36 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
家を出てしばらくすると、急に尭悸が辺りを警戒し始めた。それとほぼ同時に、誠人も異様な空気を感じ取った。
「・・・・・・」
「・・・?神・・・?」
「尭悸?」
「来るな!!」
「え?」
声をあげると同時に、空中から何かが飛んできた。
「うわっ!?」
「!?」
尭悸の周りを包む空気が変わった。今までは、多少の余裕はあった。しかし、そろそろ何かが出てきてもおかしくはないのだ。
≪何者ダ・・・!?≫
「それはこっちの台詞だ。何者だ!?」
≪ソノ者・・・ヨコセ・・・≫
そう言った直後。誠人に向かって、空間を切り裂いた何か、異様なものが飛んでいった。
「・・・っと・・・」
≪ソノ者・・・我ラガ主ニ捧ゲル贄ニ相応シイ・・・≫
「・・・主?」
誠人の言葉に敏感に反応した妖が、数体の妖を送りつけてきた。誠人はそれを見て、条件反射で逃げ出した。まさか明人達の見ている前で堂々と祓う事なんか、できるわけがない。
「あ、おい・・・誠人!?」
ほんの少しだけ、明人の声が聞こえた。しかし、誠人の耳にはそれ以上、何の声も届いてはいなかった。
「・・・明人、先に俺がこっちを片付ける。それが終わってから誠人を追うぞ!」
「あ、あぁ!」
一方その頃、誠人は全くと言っていいほど人気のない所に、妖達をおびき寄せた。
「・・・ここで十分だ」
そう言うと、誠人の口元が微かに動いた。
「『臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前』!!」
咄嗟のことで呆然とする妖達を見て、静かに呟いた。
「・・・俺だって、無能なわけじゃないだろ?」
言葉もなく消えていく妖達を眺めながら、はっと我に返り、急いで来た道を戻って行った。
誠人が妖達を倒した頃、尭悸は未だに苦戦していた。
≪アノ者ヲヨコセ・・・ソウスレバ、オ前ラノ事ハ見逃シテヤロウ≫
「ふざけるな!!」
尭悸が怒鳴り返した直後。何か、小さい声が聞こえてきた。
「・・・!?」
振り返ると、全身黒い服に身を包んだ子供の姿を捕らえた。
「・・・『臨・兵・者・皆・陣・烈・在・前』!」
≪ナ・・・!?≫
あまりに突然のことに驚いた妖は、小さく捨て台詞を吐きながら、地面に消えていった。
「あ・・・っ!」
「明人ー!!」
妖が消えた直後、誠人が戻ってきた。
「あ・・・れ?」
「・・・?どうしたの?」
明人と尭悸が振り返った時には、子供の姿は跡形もなく消えていた。
「・・・何でもない、帰るぞ」
「・・・二人ともさ、怪我とかしてないよね?」
「んなことお前が心配する立場か!?」
「・・・・・・違います」
誠人は、分かってる。などと言ったら後々どうなるか分かっていたので、敢えて素直に答えた。
「とにかく帰るぞ・・・誠人」
「え?」
「お前・・・帰ったら守人に結界かけてもらえ」
「・・・えぇぇぇ!?」
冗談じゃない。そんなことをしたら、腕の文様のことがばれるのは時間の問題。それだけは阻止しなければならない。
「・・・・・・分かった・・・」
そう答えて、帰ってから誠人は守人の所へ行った。正確には行かせた。自分に似せた式紙に。
「・・・厄介なことになったな・・・・・・」
そう呟いた直後。突然、また呪詛の痛みが暴れだした。
「・・・冗談・・・だろ・・・!?」
決して冗談なんかじゃないことくらい、自分自身が一番良く分かっていた。それでも明人や尭悸、最近は守人にも、絶対に悟られてはいけない。そう思ったからこそ、今まで体調を崩したふりまでして誤魔化し続けてきたのだ。自分自身をも。
「誠人ー?いるかー?」
ドアの外から、いつもの明人の声が聞こえてきた。誠人は、呼吸を整えて返事をした。
「うん、何?」
「ちっと入っていい?」
「・・・うん、別にいいけど・・・?」
かちゃ、と音がして、誠人が部屋の鍵を開けた。
「父さん、何て言ってた?」
「さぁ?父さんに聞いてみれば?」
「・・・お前、底意地悪いな・・・」
「・・・そう?」
誠人は、あくまでもこれが普通なのだ。それをいきなり底意地悪い、などと言われてもそれが疑問として残るだけである。
「ま、いーや・・・あのさ、尭悸にもう誠人は連れてくるなって言われた」
「あ・・・そーなんだ・・・」
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続きまーす
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