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陰陽師 〜前世と現世〜
45
:
ピーチ
:2012/04/14(土) 10:38:21 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
全身が引き裂かれそうな痛みが走る。
「・・・・・・と・・・」
横になっていても、めまいがするようになってきた。
「・・・今日は早めに行くか・・・」
そう言って、誠人は部屋の鍵を掛けて窓を開けた。そして、誰にも気付かれないよう音もなく降り立ち、いつものように雑鬼達のいる所まで歩いていった。
「あれ〜?誠秋、今日は早いじゃん?」
「どーしたんだ?」
「あぁ・・・ちょっとね・・・」
誠人は適当に誤魔化し、その後雑鬼達に問うた。
「それより・・・今日は異常なかったか・・・?」
「あぁ、たま〜に俺らと同じような妖見かけたくらいだぞ」
「・・・そうか・・・分かった・・・」
「お前、段々悪化してるんじゃないか?」
それを聞いても、誠人は表情も変えずにうん、と言っただけだった。
「・・・誠人、お前明日来んな」
「え?」
「そんな状態で下手に妖に殺されて見ろ、どうすんだよ?俺達」
雑鬼達が、自分の体調を気にしていることが一目で分かる。
「・・・うん、ありがとう・・・」
今日はもう帰る、と言ってから、誠人はこう付け加えた。
「もし変なの見つけたら、家に来てもいいから。家になら、神だっているからな?」
「は、はいっ!」
「・・・じゃあな・・・」
誠人が家に着いたのは、九時半を回った頃だった。
「・・・・・・まずいな・・・」
そう呟いた直後、誠人はすぐ傍の壁にもたれかかった。本格的に体力まで取られてきたようだ。
「まぁ・・・今日はとりあえず大丈夫だったからいいか・・・」
“早く治せよ”
誠人は、尭悸が言った言葉を思い出し、静かに謝った。
「・・・ゴメン、これ多分・・・この大蛇が消えない限り消えないよ・・・」
次の日、明人が誠人の部屋に押しかけてきた。
「・・・何でここでするの?」
「お前の体調がまだ完全じゃないから」
「大丈夫だよ・・・?」
「一応」
「・・・ゴメン・・・」
「いいって、別に」
早速、と意気込んで始めたものの、数分後には分からないなどとわめいている。
「・・・誠人の説明ってほんと分かりやすいよな・・・」
「・・・そう、だといいけど」
「あぁ、バカでも分かる」
と、明人は自分を指差して笑っている。
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・おい、大丈夫か?」
「続き・・・終わらせようか・・・」
「・・・」
明人でも気付くほど、誠人の様子がおかしい。そう思いながらも、誠人の部屋に不審なものがないか、目だけで徹底的に調べた。しかし、これと言って怪しいものはなかった。
「・・・で、こうなる。分かった?」
「え?あ、あぁ・・・」
「じゃあとりあえず終わりだね・・・」
「ありがとな」
「うん・・・・・・じゃあ、俺少し寝てるね」
「あ?あぁ・・・早く治せよ?」
いたずらっぽく明人が言った。
「・・・うん・・・分かってる・・・」
誠人は、そろそろ限界に近づいていた。明人が部屋を出た瞬間、誠人はベッドに倒れ込んだ。少しでも痛みを和らげようと試みているが、痛みは治まるどころか、次第に増してく。
「・・・大丈夫だ・・・!」
自分自身に言い聞かせながら、痛みを堪えて立ち上がる。昨夜、雑鬼達には出てくるなと言われたが、そういうわけにも行かない。以前の妖が、予告をしたばかりなのだ。“一週間以内に次の獲物を探し出す”と。
誠人には、理解ができなかった。なぜ、わざわざ“獲物”なんかが必要なんだろう?そんなことを考えている内に、急に眠くなって、そのまま無意識の内に眠ってしまった。
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続きまーす
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