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陰陽師 〜前世と現世〜

44ピーチ:2012/04/13(金) 23:32:27 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
次の日、誠人は久しぶりに部屋の外に出た。
誠人の顔色を見た途端、明人が声にならない声をあげた。
「ま・・・!?」
「・・・おはよう・・・」
一目で、誠人が無理に笑っていることが分かった。
「お前どうしたんだよ!?部屋にいる間、何してた!?」
明人の大声が、誠人の頭に強く響いた。
「あ・・・あんまり大声出さないでよ・・・!」
「あ・・・わりぃ・・・」
そこに、尭悸が姿を見せた。
「明人、何大声出して・・・・・・誠人!?」
やはり尭悸も、明人と全く同じ反応を示した。
その直後、また誠人の中で頭が割れそうな痛みと、言葉にならない苦しみが一気に襲ってきた。
「・・・う・・・・・・!」
小さな呻き声を上げ、倒れかける誠人を見て、明人と尭悸が慌てて誠人を支えた。
「・・・お前、ほんとにどうしたんだよ・・・」
「・・・・・・・・・大丈夫・・・だから・・・」
「バカ言ってんじゃねぇよ!こんな状態で大丈夫なわけねぇだろ!?」
それでも誠人は必死で誤魔化す。
「ま・・・だ・・・本調子じゃ・・・ないのかも・・・」
途切れ途切れに言う誠人を黙らせて、部屋へ運び、大人しく寝てるように言った。
誠人自身、きつそうなので動くことはないだろう。
「でも・・・なぜだ?」
「え?」
「誠人のあの苦しみようは普通じゃない。何か・・・あるのかも知れない」
「な・・・何かって誠人の部屋に?」
「ありえなくはないだろ?」
尭悸は、誠人の部屋に行くと言った。しかし、明人がそれを制した。
「あいつのことだ。多分また、鍵掛けてるよ」
「・・・じゃあ行ってみるか」
「へ?」
そう言って、尭悸は誠人の部屋の前まで行った。
「おい、誠人!大丈夫か?」
「・・・・・・神?」
誠人は、尭悸のことを神(しん)と呼んでいる。今は明人が“誠秋”の生まれ変わりの為、本名で呼ぶことをなるべく避けているのだ。
「あぁ。少しでいいから、開けてくれないか?」
しばらくの沈黙が過ぎた後、誠人が鍵を開けた。
「・・・ありがとな」
「・・・・・・何するの?」
先程のように、激しく呼吸が乱れているわけではないが、まだ顔色がかなり悪い。
「誠人?大丈夫か?」
「・・・・・・・・・うん・・・ゴメン、心配かけて・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「お、おい!尭悸!」
尭悸は、誠人の部屋を横目で見回している。
「・・・ない・・・」
尭悸がポツリと口にした言葉に、誠人は過敏に反応した。
「も、もう大丈夫だよ・・・」
「へ?」
「さっきみたいなのは、ほんとにたまにだからさ、大丈夫・・・」
「・・・お前、顔色まで誤魔化せるなんて思ってねぇよな・・・?」
「・・・!」
まぁいいか、と言った後、明人が誠人にこう言った。
「あのさ、お前社会得意だよな?」
「は?社会?」
「あぁ・・・分っかんなくてさ・・・」
明人が、決まりの悪そうな表情をしながら言った。
「・・・じゃあ、明日一緒にする?」
「教えろよ・・・」
「分かってる分かってる」
そこまで話していたら、尭悸が明人に声をかけた。
「おい、そろそろ出ないと、誠人も休めないぞ・・・誠人も、早く治せよ」
「うん・・・ありがと・・・」
パタン・・・と音がして、ドアが閉まった。その途端、誠人は崩れ落ちるようにして、ベッドに横になった。
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続きまーす


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