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陰陽師 〜前世と現世〜

43ピーチ:2012/04/12(木) 23:29:03 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「・・・と?誠人!?」
「・・・え?」
「大丈夫か?何回呼んだと思ってんだ!?」
時刻は七時を回っていた。あれから、無意識の内に眠っていたらしい。
「うん・・・ゴメン、寝てて気付かなかった」
「・・・あぁ」
「じゃあもう少し横になっとくから・・・」
「あのさ」
いきなり、明人が誠人の言葉を遮った。
「・・・?何?」
「・・・父さんから伝言」
「・・・え?」
「部屋に閉じこもってないで、たまには出て来いってさ」
そうだ。誠人は夏休みになると同時に裕也の家に転がり込み、帰ってからは、今のようにドア越しでしか話をしていない。
「・・・うん、体調戻ったらでるよ・・・」
「・・・じゃな」
「うん」
そう答えた直後、また大蛇が暴れだしたように肺が圧迫され、息をするのが困難になった。
「・・・・・・っ・・・!」
絶対に、ドアの向こうにいる明人に悟られることだけは避けなければならない。
「・・・行くか・・・・・・」
そう呟いて、誠人は部屋の窓から外に出て行った。
しばらく歩くと、いつものように、いつもの雑鬼達が顔を出した。
「おー!誠秋〜!」
「どうした?顔色悪いぞ?」
「も・・・もしかして呪詛のせい?」
上から一鬼、刃鬼、諜鬼の順だ。
「・・・あぁ、まぁそんな所かな・・・?」
「そ、そんな所ってお前・・・」
「そんな状態で無理したら・・・」
「最悪の場合・・・自分自身死んじまうぞ!?」
雑鬼達がわめいているが、誠人はその声頭が割れそうになった。
「・・・・・・!頼むから大声出さないでくれ・・・」
「あ・・・悪い」
「・・・・・・」
誠人は、雑鬼達には答えず、静かに両手を胸の前で組み合わせた。
「お・・・おい・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
誠人は何も答えず、その手を解いた。それを見て、雑鬼達はとりあえず安堵した。
「なぁ」
誠人が、いきなり何者かに話しかける。
「・・・そうか、分かった・・・」
そう言って誠人は、身体を右に左に動かしながら歩いていく。
「お、おい?誠秋?」
「今は誠人」
誠人が、間髪入れずに言い放った。
「・・・・・・今日はこの辺で終わり・・・・・・」
途端に、誠人の顔色が急変する。まるで、体内に酸素を取り入れることができないかのように肺の辺りを押さえて、はぁはぁと荒い呼吸を繰り返している。
「・・・・・・お前ら」
「え?」
「・・・・・・絶対に誰にも言うなよ?このことは・・・」
「は・・・い・・・」
それだけ言って、誠人はふらふらになりながら来た道を戻って行った。
自分の部屋の窓を開けて、誰にも気付かれないよう、ベッドに入った。
「・・・・・・い・・・っ!」
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続きまーす


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