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陰陽師 〜前世と現世〜
42
:
ピーチ
:2012/04/11(水) 21:59:13 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「お、おい?誠人?」
「・・・・・・・・・・・・・・・!」
誠人の左腕から、全身に言葉にならない激痛が走る。明人も誠人の異変に気付き、ドアを叩きながら大声で叫んだ。
「おい、どうしたんだよ?誠人!?」
「・・・・・・何でもない・・・ゴメン明人、少し一人にしてくれない?」
滅多に自分の意見を言わない誠人が今回に限って意見を言った。これはもうおかしい。
「・・・分かった、落ち着いたら出てこいよ?」
「・・・・・・・・・・・・うん・・・」
ドアの向こう側から、荒い呼吸を繰り返すような音が聞こえる。明人はしばらく自分の部屋にいたが、誠人は一向に部屋から出てこなかった。
「・・・なぁ、尭悸」
「?どうした?」
尭悸。その名を呼ぶことを許されるのは、尭悸の相棒であるとされている明人だけだった。
「・・・誠人の様子がおかしいんだ」
「誠人の?」
「あぁ・・・帰ってくるなり自分の部屋に閉じこもったり、部屋の中から変に荒い呼吸が聞こえてきたり・・・」
「・・・しばらくしたら良くなるんじゃないか?」
「・・・だな・・・」
尭悸の言うことも尤もなので、とりあえず夜まで待つことにした。
その頃誠人は、自分の中で暴れていた大蛇が一層激しく暴れだし、最初以上の苦痛が襲っていた。
「・・・・・・やめ・・・・・・!」
いくら陰陽師とはいえ、まだ十四歳。自分が受けた呪詛だけでも辛いはずなのに、裕也の受けた呪詛まで自分に移し、予想以上の痛苦が誠人に圧し掛かる。大蛇が暴れているのが分かるからこそ、恐ろしくもあった。
「・・・くっそ・・・・・・・・・・・・!」
リビングで、父親の守人が明人を呼んでいる声がする。しばらくしてから、明人の金切り声が聞こえてくる。
「・・・・・・・・・・・・五時か・・・」
あと二時間。誠人は、七時過ぎには自分の部屋の窓からでも外に出て、またいつものように雑鬼達に異常がないかを確認して、家族の誰にも気取られぬよう自分の部屋に戻る。
「誠人?大丈夫か?」
ドア越しに、明人の心配したような声が聞こえてくる。
「・・・・・・・・・・・・あぁ・・・大丈夫・・・」
「誠人!?」
明人は、ドア越しからでも誠人の異変に気付いた。明らかに、呼吸が荒くなっている。
「・・・・・・ほんとに大丈夫なんだ・・・」
頑として口を開こうとしない誠人に対し、明人は
「・・・分かった。でもさ、隠してることはいずれは明るみに出てくるぞ?」
とだけ言った。
「・・・じゃあ・・・明るみに出た時に全部話すよ・・・・・・」
「・・・あぁ・・・」
七時まで、あと一時間四十分。誠人は、痛みを感じないようにするため、軽く横になった。
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続きまーす
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