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陰陽師 〜前世と現世〜

33ピーチ:2012/04/08(日) 23:25:24 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
「あれは・・・」
呪詛だ。そう言いかけて、誠人は裕也に目を向けた。
「い・・・っ!」
少し動いただけで、自分の腕に激痛が走る。
「裕也・・・」
誠人に比べると、負っている呪詛は少ない。が、裕也はあくまで一般の人間だ。放っておくと、その内死に至るだろう。
「・・・くそ・・・!」
自分が無力なばかりに、裕也を傷つけた。
「あれー?」
「どうしたんだ?」
「あ、誠人じゃん!」
突然、ついさっき聞いたばかりの声が聞こえた。
「あ・・・!」
雑鬼達だった。
「お、おい、お前ら!」
「へ?」
「・・・頼みがある・・・!」
数分後。目を覚ました時には、裕也は自分の部屋にいた。なぜかは分からないが、右腕を動かすたびに激痛が走る。
「ゆう・・・や?」
「・・・え?」
「ゴメン、俺の不注意のせいで・・・!」
「・・・?」
裕也は、何が何だか分からない様子だった。そんな裕也に対し、誠人はこう説明した。
「・・・あの妖の呪詛を受けたんだ・・・」
「・・・呪詛?」
誠人は、その先を説明しなかった。
「だから・・・お前が受けた呪詛を、俺の方に移す」
「え・・・はぁ!?」
「動かないこと。これが絶対条件」
誠人の言葉に押されて、裕也は思わず黙った。
「・・・上江 裕也の体内を蝕む闇の大蛇よ・・・この身体を形代とし、わが身に移れ・・・!」
誠人が呪文を唱え終わった瞬間、裕也の身体は楽になり、逆に誠人は、一気に痛みと苦しみが襲ってきた。
「い・・・つっ・・・!」
「ま、誠人!?」
「ゴメン」
「え?」
「俺のせいでこんな目に遭わせて・・・ほんとにゴメン」
その言葉を聞いて、裕也は慌てて否定した。
「い、いや、元々俺が勝手についていったのが悪いんだし・・・そんなに自分を責めるようなこと言うなよ、な?」
「・・・うん、あのさ」
「・・・?」
「俺・・・明日にでも家に帰るよ」
「―――え?」
「俺のせいだから」
そう言って、誠人は裕也にこう言った。
「あのさ・・・このこと、誰にも言わないでくれない?」
「はぁ!?」
「いや、自分でちゃんと話すからさ・・・頼む・・・!」
「で、でも・・・」
何を言っても一歩も譲らない誠人に、裕也が折れて、しぶしぶ了承した。
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続きまーす


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