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雷光の呪術師
11
:
館脇 燎
◆SgMmRiSMrY
:2012/02/12(日) 15:52:45 HOST:222-151-086-018.jp.fiberbit.net
羽桜のマシンガントークを聞き終え、現在、雷眞達が通う学校「桟浦高校(しきうらこうこう)」。
調度一時限目が終わった頃合いだ。
「ハッ!?」
授業の間の十分休みに、雷眞の声が教室の中を刹那統一する。
「声おーきーよ雷眞〜。明るい話じゃないんだからサー」
羽桜は机に頬杖を付き、前のめりになりながら暢気に言う。しかし、その内容は冗談でも「暢気」とは言えなかった。
「いや、でも……昨日の夜九人が……」
「ご臨終ですたー」
雷眞の言い切る前に羽桜が言った。
自分で「明るい話じゃない」とか言っておきながら、ここまで明るくしているのは何故だ。マイペースにも程があって欲しい。
「ったく〜、そんなことも知らないの〜?」
羽桜は暢気に、それでもって蔑むような声色で言う。
まあ確かに、雷眞自身がニュースをあまり見ないことは事実だ。だが、登校時に信長特集の話でなくこっちの話を優先してくれても良いのではないだろうか。
うーん、と小さく唸って雷眞は腕を組み天井を見上げる。
九人の死因は全て付喪神。そして、羽桜の話だとそれらは全て狼のような姿をしていたらしい。つまり、状況が昨夜の雷眞と同じなのだ。
さらに、死人にも衝撃的な事実が明らかになった。
「今、何て言った……?」
雷眞は耳を疑い羽桜にもう一度訪ねる。
「ふに……だーかーらー! ご臨終な人々は、全員呪術師なんだってばー!!」
羽桜の言葉に、雷眞は絵画が如く表情を固めた。
「呪術師、だって……?」
ふに、と羽桜のふざけた返事が雷眞をさらに混乱させる。
そう、無くなった九人は全て呪術師だったのだ。
何を言っても反応しなさそうな雷眞に、羽桜はマイペースに話を続ける。
「新人から上級までよりどりみどりな葉っぱだよん。「聖(ひじり)」の上級呪術師も消されて、連盟大騒ぎだったろうなー」
呪術が当たり前のこの世界では、呪術師連盟という連盟が築かれている。そこでは多くの呪術師が集い、大掛かりな仕事や時にはふざけた仕事が舞い込んできたりと、何かと賑やかだ。
そして、先程述べた「谺」と同様「聖」も立派な呪術師連盟の一つである。
立派も立派で、「聖」は初代から続く日本最強の呪術師連盟。その凄さで遠い地からやってくる呪術師も多い。
ハッキリ言って、「谺」は「聖」の足元にも及ばない。つまり、「聖」から呪術師が、それも上級の呪術師が付喪神に殺されたのはかなり重大な訳だ。
ちなみに、「よりどりみどりな葉っぱ」と羽桜は言ったが、「よりどりみどり」の「みどり」は「見取り」である。雷眞は心中でツッコミを入れた。
何故心中なのかは、はざくらのマイペースから想像できるだろう。
「「聖」もやられたのか……」
朦朧とする意識の中、雷眞は「よりどりみどり」以外もとりあえず聞いていたようで、小さく呟く。
「差し詰め「呪術師狩り」ってとこだねー、ニハハハハ〜」
何処までのマイペースな羽桜。
コイツの頭には自分が「狩られる」という選択肢は無いのだろうか、と雷眞の心中に思わせるような口振りだった。
(ニハハハハって……)
途端、不意を突くように学校中にけたたましいサイレンの音が降り注ぐ。
そして、サイレンの中から割って入るように放送が紛れ込んだ。
『警戒警報、警戒警報。現在、校門裏に多数の付喪神が発生。非戦闘生徒は直ちに避難、呪術師生徒は校門裏の包囲に取り掛かれ』
放送が止み、再びサイレンのみが響き渡ると、生徒達は一斉に動き出した。
羽桜を残して。
「行くぞ実緒!」
一人、のほほんとしている羽桜の手を引き、雷眞はそのまま校門裏に急ぐ。
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