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Loveletter
208
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/18(水) 20:33:39 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 幸せになってね side梨花
あたしは未花先輩に今まであったこと、これまでのことの全てを話した。
あたしがずっとレオ先輩のことを好きだったこととか、事情があったとしてもとにかくあたしからレオ先輩にキスしたこととか。
あたしとレオ先輩は両思いだったこととかも、全部。
それを話している間、未花先輩は真剣に、でもちょっと寂しそうな表情で相槌を打ちながら聞いてくれた。
「……あたし、翔といるっては言ったけどやっぱりレオ先輩が好きなんです」
「うん、梨花ちゃんの気持ちだもん。そこはわたしは何も口出しできないね」
未花先輩はやっぱり優しくて、可愛くて。
こんな女の子がレオ先輩と並ぶには相応しいと思うんだけどね、
「もうレオ先輩を先輩として見ることができないんです……好きって感情を手放そうとするとどうしても辛くなってきて」
「……梨花ちゃんはもう、我慢しなくていいと思うよ」
未花先輩の言葉にえ?、と声を漏らした。
「梨花ちゃんいっぱい我慢してるじゃん、好きでいるってことくらい良いと思うな。ここから先のことはレオ先輩もいなきゃ話せないけどね」
自分がレオ先輩と別れてもいいのだろうか。
未花先輩は余裕そうな、いや、きっと未花先輩のことだから自分が不幸になる道を見ているようで少し罪悪感がうまれた。
「未花先輩も我慢しなくて――――」
「我慢してるんじゃなくてね、幸せなみんなを見るのが楽しいんだよ」
未花先輩が辛そうな、それでも優しい笑みを浮かべてあたしに言った。
「まだ先生以外誰にも話してないんだけど……わたし、これからいつまで生きれるかよくわからないんだよね」
未花先輩の言葉に目を見開いた。
そして未花先輩が言葉をつづける。
「いつ死ぬかもわからなくて、でも発作が酷くなったら手術も危なくてあんまりできないみたいで……みんなと同じくらい生きるのは難しいって」
「そん、な……」
そっと呟いたあと、未花先輩が辛いと思うのに無理矢理微笑んで言った。
「だから梨花ちゃんはわたしを気にしないで幸せになってね」
幸せになってねって、すごく嬉しい言葉のはずなのに。
未花先輩の幸せなってねはこんなにも辛くて寂しい――――
-
209
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/19(木) 20:40:08 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 余命一年 side梨花
「未花先輩、死んじゃうんですか……?」
未花先輩の言葉が嘘なんじゃないかと、あたしとレオ先輩を付き合わせるために言った言葉なんじゃないかと思い疑うように未花先輩に尋ねた。
でも未花先輩は残念そうに、それでもあたしを不安にさせないようにと無理に微笑を浮かべる。
「うん……で、でもね! まだ余命が決まったわけでもないし、ね?」
未花先輩が誤魔化すように言った言葉なんてどうでもよかった。
あたしがレオ先輩とどうこう言ってる暇なんてない。
「未花先輩が幸せになんなきゃだめです……あたしが幸せになっても意味ないですよ」
自分が傷つかないための決断っていうのも時には必要だと思う。
だからこそ、あたし自身が傷つかないために未花先輩には幸せになってほしい。
「未花先輩が幸せにならなきゃあたし全然嬉しくない……あたしも辛いよ」
それでも未花先輩は自分のために遠慮してるんじゃないかと感じてしまったのか、苦笑して首を左右に振る。
「わたしのことは気にしないで――」
「未花先輩、あたしたちに幸せになってほしいとか言っておいてあたしを傷つける行為をしようとしてるんですよ? やめてくれないんですか?」
遠慮がちな未花先輩に対してキツく言い放った。
確かに言い方は悪かったと思うけれど、やっぱり未花先輩は泣き出してしまう。
「……っ、未花先輩……キツく言ってすみません」
「ちがう、ちがうの……」
あたしが謝ると、未花先輩はふるふると首を左右に振りながらちがうと何かを否定し始めた。
そして少し落ち着いてからあたしに向き直って言う。
「キツく言われたなんて思ってないしそのことに泣いたわけじゃないよ……梨花ちゃんが、わたしのことを思ってくれてて嬉しくて……もうわたし、死んでもいいかも」
えへ、と可愛らしく微笑む未花先輩に胸がズキリと痛んだ。
死なないでほしいっていうのが一番の願いなのに。
「……手術、そんなに危ないんですか?」
「発作が酷くなると死んじゃうらしいけど、手術も死んじゃう確率高いんだって」
つまり、何もできることはないということだ。
あたしが思わず涙をこぼした瞬間、ガチャリという音と共にドアがそっと開く。
「未花、梨花……っ」
あたしたちの名前を呼ぶ大好きなレオ先輩の姿に思わず立ち上がる。
けれどレオ先輩にちゃんとさっきまでのことを話してあげなきゃと思いとんっと未花先輩の背中を押した。
おっと、とよろけそうになった未花先輩をレオ先輩が軽々と支えたあと、未花先輩はそっと上目遣いでレオ先輩を見つめ聞く。
「レオ先輩、ずっと聞いてましたよね……?」
「……ん、聞いてた」
少し間をあけたあと、レオ先輩がごめんと謝った。
そして未花先輩がいいんです、と首を振り謝る。
「わたしこそ先輩に言えなくて本当にごめんなさいっ……」
泣きながらごめんなさいと言い続ける未花先輩の頭をレオ先輩がそっと撫でた。
――そのあと、レオ先輩が未花先輩を震えた手で包み込む。
「……余命とか、本当にわかんねえの?」
「…………ほんと、は……」
長い間をあけたあと、未花先輩も震えた声で言った。
「本当は、あと一年しか生きられないって……」
なんで、未花先輩が――
‐
210
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/20(金) 19:55:03 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Empty heart
わたしの心は「 」気持ちでいっぱいだ。
――ぼんやりと、その言葉を眺めていた。
まだ新品の教科書には「」の中の言葉を埋めなさいなんて命令口調の黒字が書かれている。
相変わらずの命令口調に何も思うことはなかった。
友達はいい加減命令口調やめてほしい、飽きてきたと愚痴を吐いてきたけれどわたしにとってはどうでもいいことだし。
ていうか、高校生にもなってこんな問題を出すか?
そう半ば呆れながら、それでもその空欄にどんな言葉が入るのかと真面目に考え出した。
わかった人から手挙げて発表してー、なんて中学生や小学生っぽいことをやらせる国語の先生を溜め息混じりに見つめた。
こんなのわたしにはわからない、と心の中で諦めたけれど、周りをよくよく見てみるとほぼ全員手を挙げている。
その生徒たちの瞳はまるで先生に馬鹿にしてんじゃねえよ、と言っているようだった。
「じゃー……空」
まだクラスの人の名前をよく覚えられてない先生は席順ではない出席番号順の名簿を手に、ふいにわたしの名前を呼ぶ。
わたしはえ、あ、と何も言えなくなって戸惑ったあと、冷静にびしりと言い放った。
「わたし手挙げてませんけど」
「ああ、名簿席順じゃないからよくわからなくてねー」
ごめんごめん、と苦笑する先生に何とか逃れられただろうかと思う。
そんなことを思ったわたしが馬鹿だったのかな。
「でもこれは答えられるんじゃないの? 空、答えてね」
無理無理!、と両手を胸の前で振ったけれどもう逃れられそうにはなくて、溜め息を吐いたあと言った。
「わかりません」
「……マジで?」
少し間をあけたあと、まさかと言ったような目で先生がわたしを見つめた。
それに反抗して呆れた表情で見つめ返す。
「わからないし答えたくもありません、代わりに誰かどうぞ」
「ん、んー……納得しちゃいけないような気もするけど、まあいいや……じゃあ綾、答えてー」
綾はわたしがそう思っていいのかわからないけど友達で、代わりにさされて大丈夫かな、と思った。
「はい、わたしの心は幸せな気持ちでいっぱいだ、です」
綾も戸惑い恥ずかしさ紛れではあったけれどハッキリと自分の考えを述べていた。
これが正しいとわかっていながら、それでもわたしには無理だと諦める。
「はいはい、その心は?」
国語の先生はよくわからないけどその心を問い掛けていて、綾はにこりと可愛らしい笑みを浮かべてからわたしを見つめ言った。
「大好きな友達と学校生活を送れていることが幸せで、感謝しても感謝しきれないくらい幸せだーって気持ちでいっぱいなんです」
綾がわたしのことをこんな風に思ってくれてるなんて思わなかった。
でもわたしの心は幸せな気持ちでいっぱいになるっていうのは、ちょっと違うような気がする。
違うというか、わたしはそういう感情になったりはしない。
「……幸せってなんだろうね」
ペンケースについている綾と御揃いの兎のストラップを見つめながら、そう独り言を呟いた。
‐
つづきます!
一周年記念の息抜きと思いましたがこれも一周年記念です←
ていうかもうぜんぶ一周年きねn((
211
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/20(金) 19:56:13 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
はい、すみません!
上の小説はしあんいろに投稿する予定だったものですorz
しあんいろにも投稿しておきますm(_ _)m
212
:
燐
:2012/04/20(金) 20:08:50 HOST:zaq7a66c598.zaq.ne.jp
ねこっぴ>>見たよんヽ(^o^)丿
未花さん死んじゃう系っすか!?
てか、相変わらずねここの小説は凄いね^^
物語に吸い込まれていくから、続きが凄く気になる^^v
213
:
ピーチ
:2012/04/20(金) 20:24:45 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>
ひっさしぶりーーー!!>▽<
最近読む暇なくて・・・今日一気読みしたーww
美花先輩・・・死んじゃうの!?
酷い!酷すぎるよー!!←バカみたいに感情移入するバカww
214
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/21(土) 08:49:59 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
>燐
何でこうなったかは知らないけど死んじゃうっぽいね、←
すごくないよ(´・ω・`)!
でも、そんな風に見た人が気になるって思ってくれるような小説を書きたいなって思ってるからそう言ってもらえるとすごい嬉しい!
>ピーチ
久し振りー!…なのか?←
一気読みお疲れ様ですww
どうだろうね!でもこのごたごたを解決するにはそうするしかなかったんd((
215
:
ピーチ
:2012/04/21(土) 09:07:31 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>
えー・・・でも美花先輩ってすっごく優しい先輩じゃーーん・・・
可愛そうだよー・・・
216
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/21(土) 09:14:07 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / さよなら side梨花
「……未花先輩、一年したらもういなくなっちゃうの?」
カタカタと震えた手で、未花先輩の服の裾を掴んだ。
運が良ければ生き残ることだって、とわずかな希望を胸にそう問いかける。
けれど未花先輩はふっと苦笑を零して残念そうに頷いた。
「……うん」
未花先輩がいなくなってしまうということをよく理解できなくて、でもふいに頭の中に浮かんだのはとても残酷なものだった。
あたしとレオ先輩とめぐがいて、有希先生も相変わらずスパルタで吹奏楽部の皆が楽しそうに話してて――でもそこに、未花先輩の姿はない。
「手術してもだめなの?」
「……う、ん」
未花先輩が俯いた瞬間、ぽたりと床に涙が落ちていったのがわかった。
何とか笑って誤魔化そうとしていた未花先輩もやっぱり怖いという気持ちがあったのか、俯いて顔を隠すようにして泣き出す。
「……未花、先輩」
泣かないで、なんて残酷なことを言うこともできず、未花先輩の名前を呼んでただ立っていることしかできなかった。
そして未花先輩が何かを決心したようにそっと顔を上げる。可愛らしい笑顔を浮かべて。
「……わたし、もうみんなに隠すのはやめるよ」
隠すって、何を?、と問いかける暇もなく未花先輩は会議室から飛び出し走って行った。
今の時間帯は朝だけど、今日は土曜日だから部活だけだし。
――となるとやっぱり音楽室に行ったのかな、と少し冷静に考えたあと、焦るレオ先輩の腕を引っ張ってあたしも会議室を飛び出た。
「レオ先輩っ、早く!」
×
「――未花先輩っ!」
音楽室に入り未花先輩の名前を呼んだ瞬間見えたのは、未花先輩がみんなの前に立って何かを話そうとしているところだった。
タイミング良く行けたようで、みんなの目線はあたしとレオ先輩に集まる。
それでも未花先輩はあたしに優しい笑顔を浮かべて言った。
「本当はもうちょっと後に言おうとしてたんだけど、それじゃ逃げてるだけだから」
そしてまた皆の方に向き直って未花先輩がすべてを話す。
「――わたし、実は小さい頃から病気でたまに発作が起こってたんです」
その言葉だけでざわつく部員たち。
それでも未花先輩はそれに負けない大きな声でつづける。
「それで、その……うまく言葉にできないけど」
きっと親のことは話さないんだろうな、と思いながら行き成り余命のことを話そうとしている未花先輩にドキリと胸が鳴った。
「――わたしの余命が、あと一年しかなくて……」
少し途切れ途切れに言った未花先輩はやっぱり涙をこぼしていた。
ざわめく部員たちだけど、すぐにその状況を理解して泣く人もいてあたしまでまた悲しくなってくる。
「……あ、と一年……よろしく、お願いします」
震えた声の未花先輩がみんなの前からいなくなると、部員たちは練習どころではなくなっていた。
-
切ります!
つかれてきt((
217
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/21(土) 19:07:18 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
>ピーチ
ねここも未花先輩のキャラすっごい好きだからなー
どうしようか迷ってるけど、奇跡的なことが起こりすぎてもあれだしねー
218
:
ピーチ
:2012/04/22(日) 00:06:20 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>
あー・・・確かに奇跡ばっかでも面白みないわなww←だからって死ぬのはやだ・・・
うーん・・・美花先輩が死なずに済む方法・・・←自分のじゃないのに必死に考える奴ww
219
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/22(日) 16:04:08 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 何も知りたくなかった side梨花
未花先輩が余命のことを皆に話した日からあっという間に一週間が過ぎていった。
翔はあたしを振り向かせようとしているのか、それとも元気づけようとしてるのか一生懸命優しくしてくれる。
でもどうしても未花先輩やレオ先輩のことが気になってしまう。
「――いてっ」
移動教室中に前の人にぶつかってしまうなんてもう日常茶飯事だ。
未花先輩の余命のことはめぐは知らない――というのも、未花先輩がめぐは一つのことにしか集中できない子だからあんまりショックな気持ちにさせたくないんだとか。
「もー、梨花最近様子おかしーよね?」
「……うん」
めぐのほのぼのとした会話に間をあけたあと頷きながらお前は何も知らなくていいなと心の中で呟いた。
「あ、レオ先輩だ」
「え?」
めぐがぶすー、とした顔で遠くを指さしたのに釣られて、どこどこ?、と探してしまう。
そのあとめぐがはんっ、と馬鹿にした様子であたしを見つめる。
「嘘だよばあか――」
「めぐは何も知らなくていいよね」
思わず言ってしまった言葉に後悔する。
めぐには話しちゃいけないのに――本当にあたし馬鹿だ。
「……やっぱ何か隠してるよね」
「……う、追求しないでくれる?」
「本当は知りたいよ、大好きな梨花のことだもん」
「あたしのこと、というより未花先輩のことなんだ」
そんなことを話しているうちにチャイムが鳴ってしまった。
あたしはどうしても授業を受ける気にならなくて、教科書を持ったままその場を離れようとする。
「ちょっと梨花、どこいくの?」
「……あたしサボる」
「じゃああたしも」
一人になりたいけど、めぐがいてくれるならいいかなって思った。
‐
一回メモ張に書いたらコピーと削除を押し間違えてしまったorz
ただ内容をさらりとまとめるために大幅に変更したよ!
一回目書いたのは音楽室での未花と部員のくだりがつづいてて、未花の体調が急変したってのだったんだけど
めぐちゃん忘れてたからめぐもストーリーにいれたいと思います!
220
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/22(日) 16:06:48 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
>ピーチ
まあ、そういう奇跡があった方がはっきりしてて書きやすいし見てる方もほっとするんだけどね!←
ま、死ぬって決まったわけじゃないんだしヾ(^ω^*)
221
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/22(日) 16:31:56 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / どうしてかな side梨花
――ぴゅう、と。
屋上に春の冷たい風がふいた。
「……めぐはさ」
隣で座り込みながらさむいねー、と呑気なことを呟くめぐにそっと話しかけた。
あまりふれてほしくない話しなのに自分から話すなんて馬鹿だなって思う。
「未花先輩の、その……隠し事、気になったりしないの?」
「そりゃあ気になるよ」
めぐが当たり前じゃん、と呟きながら即答した。
それでも優しい笑顔を浮かべながら立ち上がり、あたしに向き直る。
「でも、未花先輩とか梨花が話したくないっていうなら無理には聞かないよ」
「……めぐは優しいね」
ぼーっと空を眺めながらあたしが呟いた言葉にめぐは動揺していた。
そしてあたしもめぐの方に向き直って言う。
「あたしも何も知りたくなかった」
え?、とめぐが不思議そうに声を漏らす。
そんなことはどうでもよくて、そっとしゃがみこんでめぐに言う。
「もし、もしだよ? ――あたしが死んじゃったら、めぐは寂しい?」
「……っ、当たり前じゃん!」
キッ、とめぐに睨みつけられた。
それはそんな分かりきった質問するなよばか、という思いが込められているようでちょっと嬉しくなる。
「……あたしもね、めぐが死んだら悲しい」
そっと呟くと、めぐはあたしを睨まなくなった。
でもそのあと、真剣な瞳で見つめられる。
「――で、本当は誰が死んじゃうの?」
「ほん、と……は」
あたしが思わず未花先輩のことを話そうになった瞬間、ガチャリと屋上のドアが開いた。
「……あ、」
振り向くとそこにはレオ先輩の姿があってぱあっと表情を明るくさせる。
そして手を伸ばしてみた――けど、その隣には未花先輩の姿もあった。
どうしてかな。
未花先輩の幸せを祈ったはずなのに、レオ先輩をとられたって気持ちになって胸がズキリって痛む。
レオ先輩、戻ってきてよ。
‐
この展開を期待していた!←
まあ簡単に言えば嫉妬ですね、嫉妬ちゃんかわいいよ((
梨花はいい子なんです
そしてかわいそうな子なんです
ちょっとくらい幸せにしてやりたかったのに
やっぱり梨花はこういう運命になっちゃうんです
梨花を幸せにしてやりたいわ←
222
:
ピーチ
:2012/04/22(日) 17:00:41 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>
うわー・・・莉花ちゃんも美花先輩も、どっちも幸せになれる方法・・・
ぎゃー!思いつかーん!!←アホ。
223
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/22(日) 17:09:01 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / これが失恋というのなら side梨花
「あっ、先輩たちサボリー! いけないんだー」
めぐがふざけた様子で楽しそうに未花先輩とレオ先輩を指さした。
あたしはそっとその場から立ち上がることくらいしかできなかったけど。
「やー、面倒臭くてねー……っつうかめぐと梨花もサボりだろ?」
「あたしはサボってないもーん、梨花についてきただけだもん」
言い訳をするめぐはあたしの方をちらりと見て微笑んだけど、それでもあたしは何もできなかった。
未花先輩は死ぬってことも忘れて今は楽しんでいようとしてるみたいだけど、あたしは全然楽しめない。
「梨花がサボるとか、めずらしくね?」
「そお? 梨花は結構知らない間にサボってるよー……多分」
レオ先輩があたしの方を見たけど、微笑むことすらもできない。
不思議そうな表情で見つめられる――レオ先輩は、優しくてずるいよ。
「……レオ先輩」
そっと、レオ先輩の名前を呼んだ。
ん?、とレオ先輩が返事をする。
「レオ先輩は――」
「幸せですか?」
こんな質問するのはずるいと思う。
でも、それでも。
「幸せだよ」
レオ先輩が今幸せだっていうなら、あたしが関わる権利なんてない。
もし幸せじゃなかったら、もしあたしといた方が楽しいって言ってくれたら。
あたしはまた、レオ先輩といれたかもしれないのに。
これが失恋だというのなら、なんて辛くて悲しいものなんだろう。
‐
梨花が可哀想すぎるお話
でも未花はきっと梨花の気持ちに気づいてないよね、あれ?気づいてるか。
未花は優しいから梨花の気持ちに気づいてるっていうのもアリだけど
元々未花は鈍感設定だから気づいてないかもしれないね
や、まあ未花のことだから鈍感でもこーいうことには気づいてたりしそうだけどね。
224
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/22(日) 17:24:07 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
>ピーチ
ねここも思いつかない…(`・ω・´;)←
まあこのあとのお話は大体考えてるんだけどね、二人とも幸せは難しいなー
225
:
ピーチ
:2012/04/22(日) 20:02:59 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>
うーん・・・片方の幸せのために片方が犠牲に・・・わ〜っ!!あたしには絶対できなーーい!!
あたしは多分・・・絶対両方とも幸せにして、失敗したー!って喚いてるww←アホだからww
226
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/23(月) 19:52:21 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
>ピーチ
www
でも両方幸せにするのが読んでて一番やったー!って感じだよね!
ねここはそんな優しい子じゃないからどうなるかわかんないけど(´・ω・`)!←
227
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/23(月) 20:10:03 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 君が幸せだと言うのなら side梨花
レオ先輩が今とても幸せであたしがいなくても全然平気なら、もうあたしはレオ先輩の前に現れない方がいいのかもしれない。
だってほら、仮にもお別れした仲だし、未花先輩がいるのにレオ先輩優しいからあたしに気を遣っちゃいそう。
――でも、本当は気を遣ってもらえると凄く嬉しくてたまらないの。
「……幸せそうで何よりです」
まるで意地を張ったように、強がったようにそう言葉を告げると早々と屋上から去ろうとした。
めぐが「梨花ー?」とあたしの名前を不思議そうに呼んでいたけれど、此処で振り向くわけにもいかない。
泣いちゃった、から。
別に追い掛けてほしいとか思ってるわけでもなく、むしろ一人にしてほしかった。
そっと屋上を出て移動教室中で誰もいない自分のクラスの教室に入った。
何処からか聴こえる軽やかなピアノに乗せられた歌はきっと、あたしたちのクラスが歌っているものだろう。
こうやって聴いていると子守唄みたいに思えてきて、思わずうとうとしてしまう。
走れー!、と窓の外から声が聞こえてきた。
これはきっと体育でサッカーをしているクラスかな、と思いながらまたピアノと絡み合う綺麗な歌声に耳を済ます。
――最近ピアノ弾いてないな。
ふいにそんな思いが出てきて、はあと溜め息を吐きながら練習しなきゃと呟く。
その瞬間、教室内に置かれている電子ピアノを見つけた。
自然と体が動いていた。
スパルタな有希先生のわりに電子ピアノのコンセントはきちんと外されていて、きっとお節介なクラスメイトがやったんだなと思いながらコンセントをさす。
音量の調節なんて気にせずにドの音を鳴らした。教室に巨大な音量で鳴り響くその音に思わず肩を揺らす。
音量を出来る限り小さくしたあと、猫踏んじゃったを弾き始めた。
――ああ、最近弾いてなかったからか全然だめになってる。
そう思いながら鳴り響かない音に思わず曲を弾くのをやめた。
やだ、なんでこんなになっちゃったの?
――やっぱりあたしにはこんなことできなかったんだよ。
諦めかけた自分がいた。
でもその瞬間、息を切らして勢い良く教室に入ってくる人がいた。
「……レオ、せんぱい」
「梨花っ……どうして泣いて、」
思わず涙を零してしまった。
心配そうな表情で見つめられきゅんと胸が鳴るのがわかる。
「……せん、っぱい……が、」
「……俺、が?」
「先輩が幸せで嬉しいけどっ……そしたらあたしは先輩の傍にいられなくなるような気がして、」
「……梨花、」
もう全て打ち明けることにした。
「あたしはまだ先輩が好きでっ……翔と一緒にいるって決めたのに、先輩を忘れられなくて……」
‐
梨花きた━━━(゚∀゚)━━━!!
思わずがんばれって応援したくなっちゃうような梨花を書くように目指しましたが無理かなorz
あれです、梨花のことを応援してくれる人がいなくてもねここがいるよ←
228
:
ピーチ
:2012/04/23(月) 20:19:09 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>
梨花ちゃんファイトー!!
美花先輩も負けるなー!←結局どっちの応援してんだww
229
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/24(火) 18:14:20 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
>ピーチ
www
どっちも応援したくなるよね、どうしようねここはどうすれば←
230
:
ピーチ
:2012/04/24(火) 18:38:34 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>
とーぜん、ねここはりょーほーのおーえん!←読みにくい!!
でもなー・・・やっぱりどっちも幸せになってほしいよねー・・・
231
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/24(火) 20:42:42 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 好きだよ side梨花
「――ピアノ」
「え?」
レオ先輩が教室にある電子ピアノを指差した。
驚いてレオ先輩の顔を見ると、頬が赤く染まっていて照れ隠しのようにふいっと顔をそらされたのがわかった。
「さっきのピアノ、電子ピアノだからってのもあるけどイマイチだった」
「……やっぱりそうですよね」
少し間をあけたあと、その厳しい言葉を素直に受け止めた。
あれ? ちょっと待って、話しそらされてる気がするんだけどな。
「練習付き合うよ」
「本当、ですか?」
照れたような様子でそう言うレオ先輩に本当だろうかと確認した。
そんな優しく微笑まれたら、頷かれたら。
「あたし……勘違いして浮かれちゃいますよ?」
いいんですか?、というようにレオ先輩を見つめた。
レオ先輩の恥ずかしそうな表情は滅多に見れないからじっと見ておきたくて。
「……勘違いして浮かれちゃえばいーよ、一生」
レオ先輩が拗ねるように小さく呟いた。
そしてえ、とあたしが驚きの声を漏らす暇もなく話しを続ける。
「俺だって翔とくっつきそうな梨花を見てずっと嫌だなって思ってたし――ずっと大好きだったし今も大好き、だよ」
ごめん、うまく言葉にできない、と照れたように言うレオ先輩に顔が真っ赤になるのが自分でもわかった。
でも、とあたしが話す。
「そしたら未花先輩はどうなるんですか」
疑問符をつけたら人任せになるような気がして嫌だった。
どうなるんですか、と自分に聞くように、自分を責めるようにぽつりと呟く。
その瞬間、レオ先輩の顔に迷いの表情が見られたような気がした。
「……未花のことは後輩として好きだよ、あくまで後輩としてな」
恋愛感情じゃないんだ、と言うレオ先輩に少し安心しちゃう自分が嫌だ。
「余命一年しかないし、自分のことは放っておけって未花は言うんだよ。でも……そしたら何か、ずるい気がして」
あたしも余命一年しかないんならこれからも生き続けるであろう人と付き合うっていうのはあんまりよくないと思った。
でも、未花先輩より自分を優先してしまった自分が現にここにいるんだもん。
「……余命一年しかないから、じゃなくて……あ、あたしだったら、その……傍にいたい人がいるって言うかな……あたしだったらだよ?」
自分でレオ先輩目線の話しをするのは気が引けた。
だって、自分のことを傍にいたい人がいるって自分で言ってるようなものなんだよ?
でも、レオ先輩はその言葉に微笑んだ。
「そうだな……もし梨花の余命が一年だったとしても梨花が好きって自分で思うなら俺は梨花の傍にいたし」
よかった、と安堵の溜め息をもらした。
ねえ、レオ先輩。
幸せってね、ほんの少しのことでやったって思えちゃうことだと思うの。
そんなほんのちょっとの嬉しいことをやっと感じることができたような気がします。
‐
わっふい!
まだわかんないよ!
とか言いつつレオと梨花はばっちりくっつきました。
一年間でどう変化するかな?
するのかな?ここから先のことは知らん。
ストーリーの下書きもしてないからね☆てへぺろ←
232
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/25(水) 16:56:05 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / もう手放したくない side梨花
「レオ先輩、梨花ちゃん……?」
そっと、教室のドアが開いた。
そして其処には驚いたような寂しそうな表情をした未花先輩の姿。
「……聞いて、ました?」
「うん、ごめんね――」
あたしが恐る恐る尋ねると、未花先輩は無理矢理微笑を浮かべながら謝った。
そんな未花先輩の言葉にレオ先輩が間をあけずに言う。
「ごめん未花……未花が俺のこと好きでいてくれてるのが嘘だったとしてもすごい嬉しかったよ」
未花先輩の理性というか、冷静さを保っていたであろう糸が切れたのかな。
ついに未花先輩は泣き出してしまった。
「うそなんかじゃないです……ほんとうにだいすきでした……」
初めて見た。
未花先輩が人の前でこんなに泣きじゃくるところ。
「かってに、勝手に嘘なんかにしないでくださいっ……」
未花先輩は余命が一年しかないっていうハンデがあって、でもそれでもレオ先輩はあたしの傍にいてくれて。
あたしが未花先輩の立場だったらやっぱり同じように泣きじゃくってレオ先輩に傍にいてほしいって主張しただろう。
「……ごめん、未花」
でも、レオ先輩は未花先輩に振り向くことはなかった。
あれだけ仲が良くて両思いらしい雰囲気だったのに、どうしてだろう?
ふいにそう思って、レオ先輩と未花先輩に聞いた。
「そ、の……あたしがこんなこと聞いていいかわかんないんですけど……レオ先輩と未花先輩って付き合ってましたよね。そのときレオ先輩は未花先輩のこと好きだったんですか?」
なんだか、へんな質問。
それでもレオ先輩は真剣に答えてくれた。
「……好き、だったのかな。俺自身恋っていうのがよくわからなかったから、後輩の中でも特別な未花を思う気持ちが好きって気持ちなのかもって勘違いしちゃったのかも」
いつもキッパリしてるレオ先輩が言葉を濁す(にごす)。
ちょっとめずらしいな、と思いながらそれでもそうですか、と呟いた。
あたしは未花先輩に幸せになってほしい。
でも、レオ先輩を譲ることはできないです。
どうしたら、いいのかな。
‐
233
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/27(金) 21:58:37 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
>ピーチ
www
がんばって両方応援するよ!
まあ結論的にそうなることをねここも望みたいけどどうだろうね!←
234
:
聖奈
:2012/04/27(金) 22:03:31 HOST:p079.net220148002.tnc.ne.jp
入れて下さい
あまり来れませんが・・・
235
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/27(金) 22:26:16 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / ほんとにすき side梨花
「レオ先輩はわたしの気持ち、ずっと冗談だと思ってたんですか?」
未花先輩が涙をながしながらレオ先輩に尋ねた。
泣いている所為なのか怒っているのかちいさく震えた声がレオ先輩を戸惑わせる。
「そういうわけじゃ――」
「好きです、レオ先輩」
レオ先輩の言葉をさえぎって未花先輩が言った。
ごめん、とレオ先輩が謝ろうとした瞬間に未花先輩が精一杯の明るい笑顔を浮かべて告げる。
「レオ先輩が梨花ちゃんのことを好きでも、わたしはずっとレオ先輩を好きでいます――片思いでいいから、死んじゃうまでずっと」
死んでも好きっていうのは怖いからね、と力無く笑う未花先輩に違和感を感じた。
それでも優しくて可愛い未花先輩に申し訳なくなりそっと俯いてしまう。
――ほんとに、すきでした。
レオ先輩とすれ違うとき、未花先輩がそっとつぶやいた言葉。
その言葉はまるで別れを惜しむような感じだったけれど、早足で教室を去っていく未花先輩を引きとめることはできなかった。
× だいすきでした side未花
――ぴゅう、と。
春なのに冷たい風はわたしの二つに結んだ髪をなびかせた。
きっとこれが最期の居場所になるだろう。
精一杯努力して頑張って入った青春高校の屋上はやっぱり心地よかった。
余命一年――これが告げられたわたしの残りの時間。
でも、一年経つ間もなくタイムリミットは近づいてきている。
近いうちに死にます、とお医者さんに告げられた瞬間意識が遠のきそうだった。
だけどわたしはたくさん幸せを感じたし、大切な仲間もできた。それに、有希先生もまるでお母さんのように優しくしてくれた。
もう未練はない。
待つべき人も、もうわたしには振り向いてくれないだろうし。
別にそれが悲しいわけではなかった。
好きな人が選んだ決断なんだから素直に応援するつもりでいるし、もう邪魔はしない。
でも、死ぬときくらい。
死んでしまうときくらい、わたしに振り向いてほしかったな。
卑怯だってことくらいわかってる。
泣いて泣いて同情してもらおうなんて無理だって知ってたから無理矢理でも最期は笑いたかった。
「――っ」
そろそろかな。
咳が出てきて息がしづらくなった。
発作も起きてくるのが自分でわかったような気がする。
かはっ、と。
まるで吐き出すかのように咳き込んで出てきたのは赤く恐ろしいものだった。
「ち……?」
不思議そうにつぶやいてみた。
だけど咳は止まらなくてもう終わりなんだと感じる。
「さよなら、みんな」
かすれた声でそうつぶやいて、遠のいていく意識とともにふらりと倒れ込んだ。
‐
未花視点に変わりました!
あ、でもでも一度未花視点やっただけで次レオか梨花(多分梨花)視点になります!
これからちょっと変わることがおおいかもしれないorz
とにかく未花の心情です。
かなしくなってきた、書いてるねここが!←
236
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/27(金) 22:27:56 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
>聖奈さん
ぜひぜひ!
あまり来れなくても全然大丈夫ですよ^^
237
:
ピーチ
:2012/04/27(金) 22:36:46 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>
み、美花先輩・・・ガンバレー!死ぬなーー!!←ちょー興奮してるww
美花先輩、無理しすぎだよ!絶対!!
238
:
燐
:2012/04/28(土) 11:55:30 HOST:zaq7a66fe3c.zaq.ne.jp
ねこっぴ>>お久しぶりですね^^
1週間もコメしてなかったんか…私。
運命って残酷だよね…忘れた頃に悲劇がやってくるみたいな…。
未花さん…肺が悪いんか?
口から血吐いたって事は…。←違う気がする。
239
:
聖奈
:2012/04/28(土) 12:07:56 HOST:p248.net220148011.tnc.ne.jp
来ました。
みなさんよろしくです
240
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/28(土) 18:22:11 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
>ピーチ
どどどどうしようこれからねここは何をすれば←
>輪
肺なのかな?
よくわかんないけど←
でも生まれつきの病気みたいなそういう設定であってほしい!
>聖奈さん
来てくれてありがとうございます^^
よろしくお願いしますm(_ _)m
241
:
ピーチ
:2012/04/28(土) 18:34:03 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>
ととととととととにかく、ねここは美花先輩の蘇生!!←大アホ。
そそそそそそそそそれか、この際、りかちゃんとレオ先輩をくっつける!←余計にアホ。
242
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/28(土) 18:40:17 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / ラブレター sideレオ
未花が教室を早足で去っていったとき。
小さな声で俺に告げた言葉に動揺してしまったけれど、それでも梨花を大切にすると決めた以上振り向くことはできなかった。
――未花の傍にいてあげたい。
そういうことを思ったときも何度かあった。
可愛らしい笑顔で振る舞う未花にいつしか俺は惹かれていったのだろう。
でも俺は未花を大切な後輩と思ったことはなかった。
本当に、恋愛感情として好きだった。
何で俺の気持ちが梨花の方に向いてしまったのか、俺自身よくわからない。
でもきっと。
未花が大切な後輩なんじゃなくて、梨花が大切な後輩だったのだろうか。
俺は本当の好きって気持ちと大切な後輩の区別もつかなかったのかな。
未花をもっと大事にしてあげて何でもわかってやれたら――それでも余命は一年しかなかっただろう。
そんなことを考えているうちに自然と屋上へ来ていた。
梨花も、ふらりと歩き出す俺についてきたらしい。
そしてそこで見えたのは――
「み、か?」
手に血をつけて倒れている未花の姿。
息をしてるかしてないかなんて冷静な判断さえできず、救急車を呼ぶので精一杯だった。
梨花は何かを悟ったように冷静に有希先生を呼んでくれた。
救急車が来て看護師さんがそっと俺たちに告げる。
「未花さんは――」
「まだ、かすかに息をしています」
一瞬固まった。
まだ助かるかもしれないということに気づきあわてて看護師さんに聞く。
「これから先余命とか気にせずに生き延びることってできないんですか?」
「……手術をして成功すれば」
「じゃあ手術を――」
「手術は未花さんがしないとご決断されたようで……」
どう、して?
「それと、未花さんから手紙を預かっています」
そっと差し出された薄い桜色に染まった未花らしい色の紙。
この手紙の内容が未花の本心だとしたら。
「……俺、何やってたんだろ」
もうこの言葉しか出なくなっていた。
‐
意味深系!
一度書いたのは未花がこの場で死んじゃったもの。
でも、ね!
これからの展開に持っていきたかったからかすかに息はしてるZE☆設定←
243
:
ピーチ
:2012/04/28(土) 21:20:43 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>
み・・・みかせんぱーい!!死んじゃだめー!!りかにれおをとられるぞーー!!!
・・・何かゴメン。うn。マジゴメン。
244
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/28(土) 22:36:35 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / ラブレター sideレオ
レオ先輩がこの手紙を読んでいるということは、わたしはもう死んじゃいそうなのかな。
それとももう死んじゃいました?
直接はきっと伝えられないなって思って手紙にしました。
メールじゃなくてすみません! メールだと死んじゃいそうなときに送れないんです(笑)
きっと今までも言ってきただろうけど。
好きです、レオ先輩。
本当は死にたくなかった。
レオ先輩の傍にいたくてたまらなかった。
それでもわたしが手術をしないで死ぬことを決断したのは
やっぱりレオ先輩に振り向いてもらえなかったのもちょっとはあるけどそしたらレオ先輩気にしちゃいそうなので詳しくは書きません
でも、わたしがもう必要とされてないってわかったから死ぬって決断できました。
もし、
途中で途切れた手紙の言葉に動揺を隠せない。
そして手紙を握っていたあたりに小さく書かれた言葉を見て思わず涙をながしてしまう。
――もしわたしがまだ生きているなら、死なないで先輩の傍にいたい。
看護師さんに告げた。
今すぐ病院に行って手術をしてくれ、と。
そして梨花に向き直って言う。
「……ありがとな、梨花」
「やっぱりレオ先輩には未花先輩じゃないですか……でも、未花先輩なら許せちゃいます」
そう言って微笑む梨花は絶対泣くのを我慢してるんだろうなと思った。
さらりと髪を撫でてやってから有希先生に尋ねる。
「翔って教室にいますか?」
「ああ、いんじゃね?」
いってきな、と梨花につぶやくように言った。
なんだかんだいって梨花も俺のことは先輩として好きだったのかもと感じ背中をそっと押す。
翔と幸せにな。
心の中でそう告げてから救急車に乗った。
付き添いは先生かと思ったけど、先生が俺で良いって言ってくれたから。
――未花の傍にいたい。
その一心で命懸けになったり未花を守ってやりたいと心から思った。
‐
245
:
ピーチ
:2012/04/29(日) 09:52:05 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>
おー!!レオ先輩が心変わりしたー!!
莉花ちゃんも好きだけど・・・やっぱり美花先輩といないとダメだー!!←うるさいww
246
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/29(日) 11:32:42 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
>ピーチ
レオと未花が一番合ってるなって思った←
www 梨花もいいんだけどね〜
247
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/29(日) 12:34:09 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 傍にいたい sideレオ
しんと静まった病院が俺に不安と緊張を与えた。
点滅した緑色の文字で緊急治療室と書かれた部屋はもう一、二時間は開いてないだろう。
未花はずっと俺を好きでいてくれていた。
優柔不断で梨花や未花に心が動いてしまうような俺をずっと愛してくれていた。
だからちゃんと向き合って答えなきゃ。
そう思って自分の気持ちに素直になった瞬間やっと未花が必要だと気づいたんだ。
梨花には翔がいるからとか、そういう理由じゃなく本当に未花が好き。
手術が成功する確率なんて10%とほぼ無いに等しいくらいだけど、その10%に賭けようと思った。
「……未花」
小さな声で未花の名前を呼ぶ。
はいっ、と元気良く返事をする未花の笑顔が思い浮かんだ。
好きだよって本当の気持ちを言ったときも。
ただ傍にいて他愛無い会話をしたときも。
俺が未花の家族になる、なんてクサイ台詞を言ったときも。
未花はずっと、優しい笑顔を浮かべてくれた。
その笑顔に何度救われたことだろうか、と思い出に浸りながら未花の無事を祈る。
今は祈ることしかできないけど、もし手術が成功したら――
もし成功したとして、未花は俺に振り向いてくれるだろうか。
そんな疑問がふいに思い浮かんだけれど、未花が書いてくれた手紙を見てそんな心配はいらないかなと思った。
未花、早く帰ってきてくれよ!
そう思いながら時間が経つのをただ待っていた。
‐
なんか。
最終話っぽくないですか? どうしよう←
え、どうしよう。
終わらせたくないんだけどどうしよう。
正直Loveletterが終わって次のお話書く予定ないし。
書きたいけどなんかいーの思い浮かばんし。
とりあえずLoveletterでイベントとかたくさん書いたり日常を書いたりしたいです。
だから今までの作品で最長のものになるかな?
しあんいろはね、もうちょっとで400だけど!
ていうか一周年だけど!
Loveletterについてあとで語ろっかな。
248
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/29(日) 12:50:28 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
▼語る!
今まで連載してきたものってどんくらいあるんだろう?
スタート地点がPurincess*(ぷりんせす‐)っていうのです
29レスで完結しました←
で、プリンセスの綴り間違ってるっていうね(笑)
PurじゃなくてPrです(笑)
でもそれをネタにしたっていう何か。
これ書いたころくらいにしあんいろもちょうどやったんだよねー
連載もの長く書けるようになったのはしあんいろがキッカケです!
それで次に恋敵アリス(こいがたき‐)をやったんですけど
これは残念ながら内容もアレで完結までいかず22レスで終了orz
その次に書いたのがねここの超苦手なファンタジー・戦闘・シリアスと得意な恋愛を詰め込んだゆうぐれカフェ!
完結したのはどのくらいのレスかわからないけれど今は感想含め157レスあります
よく書けたなーって思いつつも
実際2ヶ月間しか連載してないんだよね(笑)
そしてその次はほのぼのシリアス恋愛なねこのあしあと
ゆうぐれカフェの157レスを1ヶ月ちょっとで越しちゃった何か!
約3ヶ月で感想含め226レス書いたよ!
そして次に書いたのが完結できなかった青空ときどき灰色雲(あおぞら‐はいいろくも)
最初っから死ネタでシリアスつづきな話しはねここには無理でした(笑)
で、今このLoveletter(らぶれたー)に至るわけだよ。
Loveletterはいい気持ちで書けるよねいいね!←
ちなみにしあんいろは5月の後半あたりで一周年になります!
あと8レスくらいで400レス突破します!
ありがとうございます
そしてこれからもよろしくね!←
249
:
ピーチ
:2012/04/29(日) 17:53:20 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>
な・・・何かめっちゃ書いてる人発見!!
あたしも気分転換に違うの書こっかなー・・・←今陰陽師がスランプ状態ww
250
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/29(日) 22:22:54 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 愛してる sideレオ
緑色の点滅が消えた。
明かりを失った緊急治療室の文字が事の終わりを表す。
思わず立ち上がってしまったけれど、緊急治療室の扉が開いたのはその数分後だった。
ガラリと扉が開きこの病院の先生が出てくる。
奥にチラリと未花が見えたような気がしたけれど数人の看護師の陰に隠れてすぐ見えなくなってしまった。
先生から告げられる言葉にそっと覚悟を決める。
「未花さんは――」
チクタクと時計の秒針が鳴り響いた。
「助かりました」
心の中で何かが緩んだような気がした。
今まで覚悟していたものや緊張もなくなり思わず涙をながす。
「手術が成功しました」
よかったね、と俺に微笑みかける先生にはい、とかすれた声で返事をした。
精一杯の気持ちを込めて先生に言う。
「ありがとうございました……!」
先生や看護師の話しによると、未花は目覚めるまでもう少し時間がかかるんだそうだ。
とりあえず有希先生と梨花に報告する。
電話越しの有希先生は泣いているようにも思えたけれどそこには触れないでおいた。
梨花は翔と一緒に未花の無事を祈っててくれたそうで、心から喜んでくれた。
未花、幸せだな。
そう一言心の中で呟いた。
緊急治療室から一般の病室に移動して未花が目覚めるのを待っていたけれど、そのときの未花はぐっすりと眠っていて安心しきった様子を見せていた。
さらりと髪を撫でてやるとふにゃりと嬉しそうに微笑む未花。
無防備だな、なんてつぶやいてみたりもする。
さすがに手を出すわけにはいかないけど。
いつかそんな日がくるのだろうかと考えてみた。
いやだめだだめだなんて心の中で否定する。
何考えてんだ俺顔真っ赤にして、変態じゃん。
それでもふふっと微笑む未花に思わず笑みを浮かべてしまった。
愛してるよ、未花
そう告げたあと、無防備な未花の唇にキスをこぼす。
早く目覚めないかな、と楽しみに待つ俺はまるで遠足のお菓子を買う子供のように無邪気だったのかな。
それでも、子供でも構わないから早く未花を抱きしめたかった。
‐
有希先生泣くとかギャップがやばいです←
ていうか幸せね!
もうるんるんしながら小説書いてますw
未花との妄想をしちゃうレオも好きですかっこいい。
251
:
ピーチ
:2012/04/29(日) 23:10:53 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>
あーね・・・あたしは妄想系の男子はだめだなぁ・・・←基本的に全部だめなくせにww
み、美花先輩が助かった・・・良かったー!!
252
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/30(月) 19:35:11 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
>ピーチ
かっこいい人は何してもかっこいいっていうねここの考え(`・ω・´)←
助かったと思いきや☆←
はい、助かりました!((
253
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/30(月) 20:07:48 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 幸せ sideレオ
「――せんぱい、レオ先輩」
「ん……ってうわうわうわ」
とんとん、と肩を叩かれたと思ったら急にゆさゆさと思いっきり揺さぶられた。
変な声を出してしまうとそこには未花の楽しそうな笑顔があって、思わず口元が緩む。
「俺寝てた?」
「ぐっすり寝てましたよー、気持ち良さそうに」
未花にそう言われると何だか恥ずかしくなってきた。
きっと安心しきって眠ってしまったんだな、と思いながら微笑む未花から目線をそらす。
「先輩、ありがとうございます」
「え?」
突然お礼を言ってきた未花にきょとんと疑問符を浮かべた。
「……手術、してくれて。わたしに生きる希望を与えてくれて」
少しの間のあと、未花が涙をながしながら笑顔で告げた。
その表情に思わず頬が赤らむのが自分でも分かる。
「わたしのところに戻ってきてくれて、ありがとうございます」
未花はきっと。
俺と別れるくらいなら死んだ方がいいって考えたのかな。
それでも。
「死ななくてよかった」
死んでほしくなかったから。
未花に一言告げてぎゅっと抱きしめた。
そしてその瞬間、ガラリと乱暴に病室のドアが開く音がした。
そしてその音と共に聞こえたのは聞きなれた怒鳴り声。
「てめぇらベタベタしてんじゃねえ!」
さっきは電話越しに泣いていたであろう有希先生はもうすっかり元気なようで。
お互い顔を真っ赤にしてそっと離れた。
「いやでも先生病院で大声出すのはどうかと――」
「口答えすんのか?」
有希先生をなだめつつも注意するとああ?、とガラの悪い口調で逆に怒られたような気がした。
あはは、と未花が微笑むけれど、すぐ先生に向き直って言う。
「先生、その……迷惑かけてごめんなさ――」
「何で未花が謝んの? 謝るところじゃないじゃない」
有希先生が未花の言葉をさえぎった。
そしてにこりと優しげに微笑んで未花の頭を撫でる。
「……死ななくてよかったね」
「っ、はい!」
二人の仲の良さを見ると、時々いいなと思ってしまう。
それでも未花が大好きだから束縛したくないし。
仕方無い、と思いながらにこりと微笑んだ。
‐
最終話じゃないよ?←
レオがぐっすり寝てたのに無理矢理起こした強引な未花が好き。
254
:
ピーチ
:2012/05/01(火) 00:45:55 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>
あ、ナルホドっ!あたしの中でかっこいいと思う人・・・。
うーん・・・小説とかの登場人物くらいかな・・・。←これでよく「夢が無い」って言われるww
255
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/01(火) 22:30:44 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 幸せ sideレオ
「――未花先輩、レオ先輩っ!」
病室のドアがまた乱暴に開いた。
それにうるせえ!、と怒鳴り散らす有希先生に人のこと言えないじゃないかと思いながら周りにいた人にすみません、と謝る。
そんなことより、と話題をそらすように息切れしているのは予想通り梨花だった。
ついでといっちゃアレだけどめぐと翔もいる。
「手術してよかったですね」
「うん!」
めぐの嬉しそうな表情に未花が釣られて微笑むのがわかった。
俺が女子同士の会話に入るのもなんだし、そっと翔を呼び寄せて話しかけた。
「……ごめん、梨花のこと」
「梨花泣いてましたよ」
「う、」
翔が楽しそうに微笑む梨花を見つめながら言った言葉に罪悪感を抱く。
「でも、その……梨花が素直に帰ってきてくれて嬉しかったです」
なんだかんだいって。
翔も単純なんだなって思う。
「梨花は元々俺のことなんて好きじゃなかったんだよ」
「……レオ先輩のそーいうところ、嫌いです」
ばっさりと翔に言われた言葉にえ、と声を漏らした。
「梨花は本当にレオ先輩を好きでいましたよ。なのに違うだなんて勝手に片付けちゃだめですよ、ちゃんと受け取ってやってください」
そのとおりだな、と思った。
ごめんと謝りながらそれでもと弱気に言う。
「でも、梨花の気持ちを受け取ることはできない」
「そっちの受け取るじゃないです。ちゃんと梨花がレオ先輩を好きだったって事実を認めろってことです」
ん?、と疑問符を浮かべる俺に翔がああもう、と呆れたように言ってきた。
「梨花にもらった分の気持ちを全部レオ先輩の気持ちに変えて渡すことが両思いだとしたら、梨花の気持ちを受け取ってそのまま梨花の気持ちを返すのは逃げたことになるんです。わかりますか?」
翔は大人だな、と思った。
それでも単純なんだな、と思った。
くしゃりと翔の頭を乱暴に撫でてやってからにかっと微笑む。
「梨花のこと、大事にしてやれよ」
「……っ、そんなのわかってます」
照れたような表情を見せる翔にははっ、ともう一度笑ってからそっと病室を出た。
‐
256
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/03(木) 16:25:12 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
>ピーチ
www
大丈夫、夢はあるよ←
257
:
ピーチ
:2012/05/03(木) 19:18:22 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>
うーん・・・そーだといーけどなーww
258
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/04(金) 12:49:22 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 戸惑い sideレオ
何でだろう。
未花がいて、梨花もめぐも翔もいて、有希先生もいて――いつも通りのメンバーなのに。
何故か安心して落ち着くことができない。
病院だから? ってわけでもなさそうだし。
ふらりと病室の前から離れようとすると、突然誰かにぶつかってしまった。
よろけて倒れそうになる相手をあわてて支えると、冷や汗をかきながらも頭を下げる。
「す、すみません! 大丈夫ですか?」
もしこれを未花や梨花が見たらこんな動揺してる姿初めて見たとか言ってくるだろうな。
そう思いながらぶつかってしまった相手を見つめた瞬間、少し戸惑うような気持ちになった。
金色のさらりとした髪に淡い青色の瞳。
なんだか俺が触れてるのが申し訳なくなってきてそっと放すと、きゅっと相手の手をつかまれた。
俺より全然力が弱いはずなのにそれを振り払えるわけもなくじっと見つめられる恥ずかしさに耐えるのに精一杯だった。
「……おなまえ、は?」
相手も相手で戸惑っているようで頬を赤らめながらそっと尋ねてきた。
何でそんなことを、と思ったけれど俺からぶつかったんだしそんな反論できるはずもなく素直に答える。
「速水レオ、です」
「れお」
慣れない様子で俺の名前を呟く。
「……名前、何ていうの?」
気になったっていうか、自分だけ名前を教えるのはアレかと思い恥ずかしさまぎれに尋ねてみた。
相手はちょっとだけ戸惑いながら、それでも小さな声で呟くように言った。
「さつき、です」
「さつきかあ」
思わずつぶやく。
相手のペースに慣れてきた俺がにこりと微笑んでさつきの頭を撫でた。
「ぶつかってごめんな」
そう一言告げてその場を去った。
何だこの感じ。
顔真っ赤だし本当なんだし。
俺は未花が好きなんだからそんなはずないと思うけど。
そう心の中で告げて病室に戻った。
-
わふわふ!
梨花編からレオ編行こうと思ったけどここからは第三者とか、梨花レオ未花あたりが多くなると思います
ごめんね、自由に書きたいと思ったんだ
だから視点縛りあんまりしないかもしれない
かもしれないだけだけど
レオ編ってなんかアレなんだよね
レオの心情はあんまり表したくないっていうか
表したくても表しきれないっていうか難しいんだよね
さつきちゃんの登場です
レオがまた戸惑い始めてまたかよ!って思うかもしれないけど
レオが悪いんじゃないんですこれは
レオを振り回す梨花と未花とさつきと
ついでに書きたい風に書きまくるねここがわるいんですorz
レオをきらわないでね!
レオは悪くないんだよ!
あは←
259
:
ピーチ
:2012/05/04(金) 13:04:30 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>
あー・・・レオ先輩のこと一瞬悪者にしちゃったww
ごめーん!
260
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/04(金) 14:06:06 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
>ピーチ
わわわ、レオを悪役にしないであげて!←
っていうかそう書いちゃってるねここが悪いんだけれども(笑)
261
:
ピーチ
:2012/05/04(金) 14:13:49 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>
あーでも分かるかもっ!
あたしもそろそろ主人公悪者に仕立てようと思ってるんだよねーww
あのさー、時間あるときでいいから読んでみてくれない??
262
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/04(金) 14:35:13 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 転校生 sideレオ
未花も無事退院し、これからまた憂鬱な学校生活が始まろうとしていた。
いつもの通学路を歩き未花を迎えに行って、そこから学校に行くまでに必ず梨花や翔と会う。
梨花の姉で俺と同じ学年の百花とかその彼氏の俊太とかに会って、あと百花の友達で翔の姉の妃芽とかその彼氏の海斗に会ったりもする。
いつも通りの通学路でも今日は少し愛しく感じた。
×
未花と別れて教室に向かうと三年の校舎はいつもより騒がしく落ち着かない様子を見せていた。
同じクラスの俊太がふらりと俺の元に寄ってきた。
「なあ、今日何かあんの?」
知らねえよ、と思いながらそれでもふざけ半分で答える。
「お前の女装写真でもばら撒かれたんじゃね」
「えっ、マジで?」
てかお前女装したのかよ、とツッコミを入れたくなったけどあえて無視すると、絶妙なタイミングで先生が入ってきた。
「今日転校生くるぞー」
「は?」
先生の浮かれた表情に皆一斉に固まった。
その中の一人に俺もいて、先生の表情を見たあとまさかと動揺を隠せなくなる。
先生の隣に恥ずかしそうに立っているのは――
「さつき?」
「っ、れお!」
さつきは人見知りなのか。
知り合いではある俺に会って少し安心してくれたのか自己紹介もせずに駆け寄ってきてくれた。
「え、さつき転校してきたの?」
「うん……よかった、知ってる人がいて」
病院のときには見せなかったさつきの笑顔にまた胸が揺れたような気もする。
そんなことより同い年だったなんて、と思いながらにこりと俺も笑みを浮かべ返した。
「じゃ、よろしくな」
「うん、よろしくね」
――そのあとの自己紹介で恥ずかしさ紛れに見せたさつきの笑顔で男子生徒が顔を真っ赤にしてしまったのは言うまでもない。
×
「おいレオ」
「はい……って、有希先生」
「明らかに嫌そうな顔すんなてめー」
一年生担任である有希先生がわざわざ一年校舎とかけ離れた三年校舎にくるなんて、と思いながらとりあえず有希先生の元へいった。
別に嫌そうな顔なんか、と否定してみるけれど有希先生はさらりとそれを流して用事の内容を告げる。
「転校生のさつきいるじゃん? あのかわいー子」
「あ、はい」
有希先生が可愛いとか言うなんてめずらしいな、と思いながら相槌をいれる。
「あの子吹奏楽部入るからさ、世話してやれよ」
「え、あ……はあ」
部活まで同じなのか。
「フルート希望だとさ――あ、あとついでに」
「え、そうなんですか?」
俺の疑問はさらりと無視して有希先生が衝撃的なことを言った。
「レオがピアノで未花がフルートのやつあったじゃん? あれさー、フルート未花とさつきかえるかも」
ま、よろしくね、と呟きながら去っていく先生には?、と疑問符を浮かべた。
未花は一生懸命練習してきて、え?
どうしてだろう。
なんだか最近未花とうまくいってないような気がする。
っていうのも、俺がさつきに目を奪われてばかりだからだろうけど。
それでも俺の心の中には未花の無邪気な笑顔があって、それに救われていた。
ああ、今考えて思う。
やっぱり俺には未花しかいないんだなって。
‐
さつきと未花をどうするか迷い中。
未花だっていい子だし、さつきもいい子だしどうしよう。
ていうかどっちも同じくらい好きだからえええええ←
もんもんしてる(´・ω・`)
263
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/04(金) 15:10:17 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 努力 side梨花
憂鬱な授業時間も受験生だということを考えれば真剣に取り組めた。
――ていうか、特に英語はあの有希先生だからサボるにサボれなかったんだけど。
やっと昼休みになって俊太と購買に行った。
未花とよく一緒に食べたメロンパンを買い行列が出来てきたその場を離れようとすると、何処からかフルートの音が聴こえてくる。
その音に釣られるように、音楽室へ向かっていった。
音楽室の古びたドアを開けるとそこには未花の姿があった。
一人きりでコンクールの曲を練習する未花。
それでも俺が来たことに気づくと笑顔を見せてくれた。
「レオ先輩っ」
「……フルート、練習してたんだ?」
何で練習してたとかは俺にも大体わかってた。
さつきに負けたくなかったのだろう。
「……っ、わたし……レオ先輩といっしょにコンクール出たくて、でも」
「ん、大丈夫だよ……未花ならきっとコンクール出れるから、な?」
ぽんぽん、とまるで小さな子をあやすように未花の頭を撫でた。
そして俺もピアノの傍に行く。
「どうせなら一緒に練習しようぜ」
「……っ、はい!」
涙ぐんだ表情でそれでも笑顔を浮かべる未花の返事に頷くと、ピアノの演奏を始めた。
未花のフルートの煌びやかな音色がピアノと絡み合う。
俺は、高校でピアノはやめようと思っている。
大学で勉強しながら友人とバンド組もうとか考えてるし、でもとにかく音楽系の大学を受けるつもりだ。
留学の話しを持ち出されたけれど、それは詳しくは決まってないし。
だから、今こうやってピアノを弾ける時間を大切にしたい。
そう思いながら和音を最後にピアノの演奏を終わらせた。
未花がフルートを吹く姿を見つめながら。
――そっと思い浮かんだのは、さつきの笑顔だった。
‐
264
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/04(金) 16:50:56 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 独占欲 sideレオ
そっとピアノの蓋を閉じた。
時計を見つめるともう少しで予鈴が鳴りそうなのに気づき未花に声をかける。
「未花、そろそろ戻ろうか」
「はいっ、レオ先輩」
二つに結んだ髪を揺らしながら微笑む未花。
俺がさつきに目を奪われえてしまうように、未花も他の男と仲良くしているのだろうか。
そんなことを考えていると少し不安になってきてしまった。
「……未花」
「何ですか?」
楽しそうに微笑む未花を見つめたあと不意打ちでキスしてみた。
「せせせ先輩っ?!」
顔を真っ赤にする未花。
可愛い、なんて思いながら頭を撫でるとまた無邪気な笑顔を浮かべてくれた。
こうやって、たまに未花を独占したくなる。
もっと俺だけを見てほしい。
とかいう俺がさつきのこと見てちゃだめか、そっか。
でも未花を独占したいって気持ちがあるってことは未花が好きなのかな。
よくわからないその気持ちに戸惑いながら、それでも未花が愛おしくてたまらなくなってきた。
「……授業、サボんねえ?」
「え、だめですよ先輩! 受験生じゃないですか」
「大丈夫、推薦もらう予定だから」
「……え?」
未花になら話していいかな、と思った。
まだ春だし詳しくは決まってないけど推薦の話しも何度かされていたし。
「それに何回か授業サボったくらいでそんな影響しねえよ、多分」
「そ、それじゃあ……今日だけ、ですよ?」
――とはいえサボったのがバレると面倒だから親身になってくれる保健の先生に口実を作っておいてもらった。
その後屋上に向かい二人でほのぼのと他愛無い会話をつづける。
「未花はさー、同じ学年とかで気になった奴とかっていんの?」
ちょっと気になって、悪戯っぽく聞いてみた。
案の定未花はほえっ?!、と動揺しまくった変な声を出して顔を真っ赤にしていた。
「わ、わたし……レオ先輩以上に愛しくなる人ってできたことないのでその他の恋愛感情とかよくわかんないですよ!」
ぶんぶんと胸の前で両手を振る未花に思わず笑みがこぼれた。
そしてさつきのことを少しでも考えてしまったことに罪悪感がうまれる。
「……それよりわたしは、レオ先輩がさつき先輩の方にいってしまわないかが心配です……」
やっぱりさつきの存在は未花を不安にさせていたようで、表情を曇らせてしまった。
でもさつきのことをどう思っているか隠すより素直に言った方が未花を不安にさせないだろう。
「俺さ、病院で一回さつきと会ってんだよ」
「え……?」
「それで正直戸惑った、けど……」
「やっぱり未花が大好きだからさ」
未花の表情が明るくなったのがわかった。
これから何も、ややこしいことがないといいんだけど。
‐
265
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/04(金) 21:49:16 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletetr きみにおくる愛の手紙 / 部活 sideレオ
やっと憂鬱な授業が終わった。
チャイムと同時に起立と号令をかける学級委員(仮)。
というのも、まだ高校三年生の生活も始まったばかりで学級委員も決めてないものだから。
推薦で決めるらしいけど俊太が男子は俺にいれるとか言ってきたから大丈夫かなと少し不安な気持ちを覚えた。
とにかく今は部活だ、と思いながら一人とぽつんと座っていたさつきに声をかける。
「さつき、吹部だろ? 俺吹部の部長やってるからさ、一緒おいでよ」
「ありがと、レオ」
「いや、俺お礼言われるようなこと何もしてないし!」
そうふざけるように言った俺の腕をさつきがきゅっと掴んだ。
「わたし人見知りだからうまく人と付き合えなくて、でもレオはわたしのペースに合わせてくれるから」
「……そっか」
一生懸命に話すさつきに微笑を浮かべた。
さらりとさつきの頭を撫でる。
そしてその後も吹部のことを説明したりとかしながら音楽室へ向かった。
×
本文長すぎエラーでたのできります
266
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/04(金) 21:49:39 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
さつきには音楽室に入らずに待ってもらって、俺が皆の前に立って言う。
個人練習をしていた皆の演奏がピタリと止まった。
挨拶を省いて俺が言う。
「今日転校してきた子が吹奏楽部に入ってくれるそうです」
「え、マジですか」
「ん、マジ」
驚く梨花にこくりと頷きながら微笑む。
「じゃ、じゃあ入部期間的にはあたしたち先輩になるってことですか?」
梨花がめぐの方を一回見てから俺に聞いていたけど、それはないなと首を振った。
「いや、その子中学のときも吹奏楽部ですごい上手かったみたいだしレベル的にも学年的にもその子のが上だよ」
「え、先輩ですか? 何年生?」
「三年生、俺と同じクラスだよ――ってそうじゃなくて、さつきおいでー」
完全に俺と梨花の話しになっていることに気づいて音楽室の外にいるさつきを呼んだ。
恥ずかしそうな表情をしながら出てくるさつき。
「え、めっちゃ可愛いじゃないですか」
梨花が驚いた表情で言う。
「女の子だけど一目惚れしちゃう」
めぐが真っ赤な顔をして言う。
やっぱり一般的に見ても可愛いんだろうな、さつきは。
男子部員も顔を真っ赤にさせていた。
結局翔と花も吹部に入ったのだけれど、あの翔でさえも顔を真っ赤にしている。
「えと、あの……さつき、です」
「さつき人見知りだからあんま質問攻めとかするなよー」
はーい、とわくわくした様子で返事をする部員たち。
「じゃあ、入部決まったばっかの一年もいるしとりあえず自己紹介と交流からー」
「はいはーい、あたしからー!」
とりあえずゆるい感じで笑いたっぷりな自己紹介が終わった。
そして交流タイム――になった瞬間部員が一斉にさつきに襲いかかる。
まるで身動きできないうさぎに襲いかかる猛獣のようだ。
「ねえねえ、さつきちゃん何処からきたのー?」
「さつきちゃん超可愛いねー」
「さつき先輩楽器何やるんですかー?」
「どうして転校したのー?」
ああ、やっぱり質問攻めだ。
え、あ、とさつきは何にも答えられずに戸惑っている。
更に話しはエスカレートして俺との話しまで出てきた。
「さつきちゃん、レオとはどんな関係?」
「もしや付き合ってるだとか」
「早くない?」
「え、でもレオには梨花ちゃんが」
「あたしレオ先輩と付き合ってません!」
「あ、そいえば未花いるじゃん」
「別れたんじゃない?」
おい、と俺が止めに入った。
「さつきとはただの友達だから付き合ってねえよ! 俺には未花いるし、変な話しすんな!」
せっかく真面目に起こったというのに、部員たちは「はーい」とか「つまんなーい」などと不満そうな声で返事をしてきた。
まあ事がおさまったっぽくてよかったと思いぽつんと一人でいた未花の元へ行った。
「未花、大丈夫?」
「う、うん……でもレオ先輩、わたしでいいんですか?」
「は?」
「な、なんでもないです!」
思わず未花が声に出してしまったのか。
わたしでいいんですか?、という言葉だけが俺の頭の中をぐるぐる回り続けた。
「未花」
「な、なんですか?」
「部活終わったらデートしようか」
「は、い……」
驚いたような、嬉しそうな表情を見せる未花に俺も微笑を浮かべた。
とりあえず今は部活だ。
‐
文章にまとまりがない今日この頃。
ごめんなさーい!
267
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/04(金) 22:24:27 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 部活 sideレオ
「ねえねえ、さつきちゃんってモデルか何かやってた?」
「え、あ……中学生の頃、だけど」
優しくさつきに尋ねたのは部活のお姉さん的存在な鈴だった。
鈴のふんわりとした雰囲気で安心したのかさつきが戸惑いながら答える。
「やっぱり! 雑誌でね、さつきちゃんのこと見たことあるなあって思ったの」
「あ、知ってるー! 表紙とか飾ってたしさつきちゃんの特集とかもあったよねー」
てことは人気モデルだったのかさつきは。
なのに何でこんなに人見知りなんだろうかと思いながら皆の中心にいるさつきを微笑ましく見つめた。
なんだ俺こんなにやけて気持ち悪い。
「……でも、もうモデルはやってなくて」
「そっかあ、でもきっと街とか歩いてたら取材されちゃうよね」
「そ、そんなことないです」
戸惑うさつきを見つめているうちに。
何だか少し愛おしい気持ちになっていた。
「何で敬語ー?」
「敬語じゃなくていーよ、さつきちゃん」
「え、と」
「あ、わたしは鈴! よろしくねー」
微笑む鈴の名前をさつきが真っ赤な顔で呼んだ。
「りん」
さつきも少しずつ馴染めてきたようで。
本当によかった。
×
「てことでさつきはフルートやるから」
さらりと俺が告げた言葉に梨花が敏感に反応する。
「え、あたしたちの楽器決め放っておいてさつき先輩は決定ですか」
「そりゃまあ、さつき三年だし前の学校でちゃんとプロの先生に見てもらってフルートに決定したようだし」
そう言いながら余っていたフルートをさつきに差し出す。
「じゃあさつき、早速だけど一回吹いてもらっていい?」
「はーい」
さつきがフルートを目の前に楽しそうな表情で返事をした。
そしてさつきが吹くフルートの音を聴いて声がでなくなった。
ビブラートのかかった音色はフルートらしさを出していて、華奢なさつきにぴったりの楽器だった。
正直音色的に未花よりさつきの方が上手いと思ってしまう。
そこにちょうと有希先生も現れたけれど、有希先生でさえも驚きの表情をしていた。
「……有希先生、コンクールのフルートってどうなったんですか?」
ここで聞いてはいけなかっただろうけど、思わず聞いてしまった。
そして有希先生がバッサリと告げる。
「さつきに決定」
「そ、ですか……」
未花が泣きそうなのが分かったような気がする。
そっと、未花の頭を撫でた。
「……っ、れお、せんぱ」
どうすれば、いいんだろう
‐
本当にどうすればいいんだろう。
268
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/05(土) 13:41:37 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 好きなのに sideレオ
「……有希先生」
「あ?」
「どうしても、未花はだめですか?」
泣きじゃくる未花を見て思わず無謀な挑戦をしてしまった。
どうしても、さつきじゃなきゃダメなのだろうか。
確かに実力だって誰が聴いてもさつきの方が上だろうけど。
俺は未花の努力を知っているから、未花がどれだけ一生懸命なのかわかっているから。
「……未花に吹かせてあげたいです」
「それをいっちゃあさつきはどうなるんだって話しだよね」
有希先生が厳しい目線で俺たちを見つめた。
「アタシも未花の努力は認めてるよ。でも未花にはもう一年あるじゃない」
「でも俺は未花とがいいです!」
負けじと反論する。
よく考えてみるとこうして有希先生の意見に反論するのは初めてかもしれない。
それくらい、大事なことだから。
「レオは今年卒業だから全国連れてってあげたいんだよ」
「全国なら未花とでもいけます!」
「確実ではないよね」
こんなに未花にこだわる必要があるのか?
そんな目線で有希先生が俺を見つめてきたけど、やっぱり反論をやめることはできなかった。
「……さつきは、俺と一緒じゃない方がいいです……さつきは俺のピアノと合わないですよ」
「確かにレオのピアノはさつきのフルートに比べればまだまだだね」
「っじゃあ未花と――」
「とにかく、コンクールはレオとさつき」
有希先生がパンパン、と手を叩いた。
俺は納得していないのに、部員たちは「はーい」と適当な返事をする。
「……未花」
「わたしがもっと練習すればよかったんです、あの努力じゃ足りなかったんです」
俯いて顔を隠す未花はきっと泣いてるんだろうな。
「未花は頑張ってたよ」
「あんなの努力じゃないです」
「努力してたって」
「……っわたし、やっぱり自信無いです」
初めて見た。
こんな自信の無い未花。
どうしていいか戸惑って音楽室を出ていく未花の背中を見つめることしかできなかった。
「レオ」
さつきが俺の名前を呼ぶ。
「ごめんね」
「さつきは謝らなくていいよ」
「……未花ちゃんとがよかったよね」
「先生が決めたことだし」
俺がそう言ってから、さつきはまるで心を閉ざしたように黙り込んでしまった。
×
あれからしばらく経つけれど、未花が部活に来ることはなかった。
連絡も取れないし、きっと付き合ってるのも自然消滅してしまうのだろうか。
そんなことを思っているうちにもうコンクール当日だし。
さつきはあれ以来練習で必要なとき以外声をかけてくれないし。
ていうかむしろ避けてくる。
なんだか、コンクールは県大会にもいけないんじゃないかな。
コンクール会場に行く前に学校に集合と連絡された。
もうしばらく一人で歩いていたけれど、正直この通学路はつまらない。
未花がいないだけでこんなに暗くなるなんて思いもしなかった。
ああ、もう学校か。
憂鬱な気分で校舎内に入る。
すると、いつも俺より早く練習に来ているさつきの姿が見れなかった。
疑問符を浮かべながらそれでもそっとピアノのイスに座り練習を始める。
もし未花と一緒に演奏できたら。
楽しいんだろうな。
‐
ぐだぐだー
ちなみにコンクールは基本夏とかなんですけど、そしたら物語で季節が進みすぎてあばばばなので今きっと五月頃の設定になってるはず。
うあうあ。
269
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/05(土) 17:54:59 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 努力 sideレオ
「おはよー」
「鈴、何でいんの?」
「なんでって……コンクールメンバーはレオとさつきちゃんだけじゃないんだよー」
キイ、と歪んだ音が俺のピアノの音を止めた。
音楽室に入ってくるのは眠たさそうに欠伸をする鈴。
そういえば俺、未花とさつきのことでいっぱいいっぱいで他の人のこと全然見れてなかったな。
「ていうかめずらしーねえ、さつきちゃんまだ来てないのとか」
「な、俺も早くて二番目くらいかなーって思ってたのに誰も来てねえし」
「ふーんだっ、どうせわたしは遅いですよー」
鈴は中学時代からの女友達だからか一緒にいると和む。
っていうか、鈴と話すと皆笑顔になるような気がする。
「鈴はさ、気楽でいいよな」
思わずこんなことを言ってみたりもした。
ふざけて怒ってくるかと思ったら結構真面目に返事するし何なのコイツ。
「うん、気楽だと人生楽しいじゃん。まあ、そう気楽に考えられないことの方が多いけどねー」
「……鈴ってさあ」
「うん?」
初めて見た鈴の弱気な表情に思わず言ってみたくなった。
「やっぱ馬鹿だな」
沈黙がつづく。
その後強く握られた鈴の拳が俺の腹部めがけて飛んできた。
「ぐふ」
「ばかばかばーか! 馬鹿って言う方が馬鹿なんですー!」
鈴はゆるいイメージの奴だったけど、ムキになると超強暴でギャップがやばい。
でも鈴のそこが好きで、何だかんだで一番信頼してる女友達かもしれない。
「……ていうかさ、鈴は誰とコンクール出るんだよ?」
「レオ何にも知らないんだねえ、わたしはソロだよー」
鈴の担当楽器はクラリネット。
クラリネットのソロとかリードミス(※簡単にいえばピーとか甲高い音を出すこと)したら終わりだなと思い鈴を見つめる。
「……鈴なら大丈夫か」
「レオも大丈夫だよね」
にこりと微笑み合いながらお互いの応援をしたような気持ちになった。
「レオ先輩っ!」
聞き慣れた声が聞こえた。
それはしばらく聞いていなかったもので、凄く愛おしいもの。
「未花?!」
「あのっ、さっきさつき先輩から連絡があってっ……具合悪くなったからコンクールは出れないって! それでわたしが代わりに出てって頼まれて、でもわたしどうしよう」
息をつく間もなく話す未花。
そしてその話しを聞きにきたようにタイミング良く有希先生が来た。
「レオを棄権させるわけにはいかないからさつきの代理で未花が出場ね」
「え」
俺が声を漏らす。
「未花、あれから一人でずっと練習してたんだよ」
鈴が微笑みながら俺に言った。
「さつき先輩に負けない!って言いながらずーっと練習してたの。学校の部活じゃみんなのペースに合わせなきゃ練習できないからって部活まで休んで」
知らなかった。
余裕がないだけで、未花の努力でさえ見つけてあげられなかった。
「未花、ごめんな」
「いいんです、今日のコンクールでわたしの努力を知ってもらえればいいなって思います」
この前の弱気で自信のない未花じゃない。
自信に満ちた未花の表情に笑みを浮かべた。
「コンクールがんばるぞー」
鈴のふにゃっとした掛け声に誰も「おー!」ということなく微笑を浮かべた。
何でなんでー?!、と鈴は驚いた様子だったけれどそれでさえ無視される。
そのあとたくさんのコンクールメンバーが集合し、コンクール会場へと向かった。
‐
やっふい!
270
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/05(土) 19:09:04 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / コンクール sideレオ
「なんか夢みたいですー」
「俺も嬉しいよ、未花とコンクール出れるなんて」
コンクール会場行きの貸し切りバスの中で未花がぽつんとつぶやいた言葉に笑顔を浮かべる。
席は鈴や有希先生が俺たちを冷やかして「バカップルは隣同士だよ」と言い出したからちゃっかり隣同士だし嬉しい。
「おいそこのバカップル、本番でイチャつくなよ」
有希先生に冷たい目線を送られて未花が「はーい」と楽しそうな笑みをこぼす。
そして俺がふと思ったことを有希先生に尋ねる。
「有希先生って何歳ですか?」
「おいレオてめえ死にたいのか?」
「いや死にたくないですけど教えてくれたっていいじゃないっすか」
本当に殺されてしまうかもと思いながらそれでもしつこく尋ねた。
すると未花がにこにこ微笑みながら言う。
「有希先生はねー、若いんだよ! まだ二十代なんだよ、さすがに一桁までは教えてあげられないですけど」
確かに見た目的にも元気なスパルタ指導的にも二十代って感じがするしなあ、と納得した。
でも俺はそれだけじゃまだ物足りなくて更にしつこく聞く。
「じゃあ結婚とかしてんすか? 普通その年代って結婚してますよね?」
「せんせーは彼氏いないんですかー?」
俺の質問に乗せられて鈴も楽しそうに質問する。
そしてついに有希先生がキレた。きっとわざとだろうけど。
「てめぇら表出ろ!」
あはははは、とバス内に楽しい笑みがこぼれた。
コンクールメンバー以外にも抽選で選ばれた部員が同じバスに乗れて、くじ運が強いのか梨花とめぐと翔と花も一緒にいる。
「ていうかあたしたち楽器決まってないですよねー、何の楽器になるんですか?」
梨花が率直に俺たちに聞いてきたからとりあえず今までの成果でわかることだけ教えてやった。
「梨花とめぐはピアノコンクールまでもうちょっとあるからそれまではピアノ弾いてるだろうけど、これから変わるかもしれないよ」
「えーっ、あたしピアノがいい!」
「あたしも梨花とピアノやりたいですー!」
じゃあもうピアノ決定でいいじゃん、と面倒臭そうな有希先生の一言で梨花とめぐがわあっと盛り上がった。
花と翔の楽器も俺が説明し出す。
「花はクラリネットが一番うまかったなー」
「マジですかっ? ていうかわたしがうまいんじゃなくて鈴先輩の教えるのがうまいんですよー」
「いやいやそんな……照れちゃう」
何かこの二人の会話聞いてると微笑ましくなるなあ、と思いながら翔の話しにうつった。
「翔はベースうまかったからベースかな」
「マジっすか、俺ベース楽しかったんでやりたいなって思ってたんですよ」
希望通りにいきそうでよかったな、と思った。
そしてあっという間にコンクール会場につく。
ここからは別々行動になるから、と有希先生がめずらしく皆の前に立った。
「くじ運がたまたまよかった梨花たち以外にも各自応援に来てる奴らもいると思うから良い演奏も大事だけど楽しんでこい、以上!」
そしてなぜか部長の俺からも一言とマイクを渡される。
「皆、よく練習に耐えてきたな。今日は練習の成果を出しきって笑顔でコンクールを終えられるように頑張ってな」
そう言った瞬間にはいっ、と一番元気よく返事をしたのは未花だったような気がする。
皆もう既に涙ぐんでしまっている。
「泣くの早いなお前ら」
俺がそう突っ込むと皆の表情に笑顔がうまれる。
「楽しんでいこう!」
「おー!」
皆元気良く返事をしてバスを降りた。
楽しいコンクールになることを願う!
‐
271
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/05(土) 19:57:35 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 優しさ sideレオ
時間の都合上リハーサルで曲を合わせるのは少ししかできなかった。
だけど確実に未花の音が綺麗になってきて、コンクール曲じゃなくてロングトーンも頑張ったんだなと感じられる。
「先輩っ、わたし頑張りますね」
改めてそう告げる未花の頭をくしゃりと撫でる。
「ん、俺も頑張るよ」
そう言って、やっと本番を迎えた。
指揮なしで始まる俺たちの演奏は今までにないくらい輝いていたように思える。
最初にピアノが軽やかな音色を響かせて
ビブラートのかかったフルートの煌びやかな音が重なる
それが絡み合ってうまれるメロディーに観客や審査員でさえ目を輝かせているように思えた。
それに俺も未花も、演奏中とは思えないくらい笑顔だと思う。
あっという間に本番を終えてお辞儀をしステージを去る。
舞台裏まで来ても無言で俺たちは喋らなかったけれど、関係者以外立ち入り禁止の看板が立っている階段を上ったところでやっと未花が話し出した。
それはとても満足したような楽しそうな表情で、それでも何処か寂しげな顔だった。
「楽しかったです、ありがとうございます」
「俺も楽しかったよ、ありがとう」
きっと未花が寂しげな表情をしているのは、ステージにいるときに見つけてしまったからだろう。
彼女の姿を。金色に輝くあの髪の毛を。
「……さつき、体調悪いんじゃなかったんだな」
「わたしに譲ってくれたんですね」
未花はそれっきり俯いてしまったけれど、それが何処か愛おしく感じてしまいくしゃりと未花の髪の毛を撫でる。
「こんなこと言っちゃうとアレだけど、さつきより未花の方が上手くなったような気がするよ」
「先輩優しすぎますよ……上手くなんかないです」
「上手いよ」
うまくなんかないです、と何回もつぶやく未花は泣いてしまったようで。
それを包み込むようにしてそっと抱きしめたあと未花に告げた。
「俺はさー……未花と出れてよかったよ」
「……わたしもそれはうれしいですけどっ」
しばらくの間をあけて未花が言った。
「……さつき先輩の代わりになってまで出たくなかったです」
それでも、と俺が未花をぎゅうっと抱きしめてから言う。
「有希先生は未花の努力を知ってさつきの代わりに出したんだと思うよ」
「……先輩」
「ん?」
「先輩はわたしと演奏できて本当に楽しかったですか?」
――未花はたまに不思議な質問をする。
この前も「わたしでいいんですか?」と不思議な質問をしてきた。
前まではわからなかったけど、今ならわかる。
「……未花、そんな不安な気持ちにならなくていいよ」
未花がそういう質問をするときは不安なときだって。
未花は驚いた表情をしていたけれど、やがてにこりと微笑んで言った。
「……レオ先輩は本当にわたしのことわかってくれてるんですね」
「そりゃあ、彼氏ですから」
そんな会話をしてイチャついていると、またしてもあの人の怒鳴り声が飛んでくる。
「てめぇらイチャつくんじゃねえ!」
「有希先生、怒鳴らないでください!」
もうすぐ結果発表です!
‐
272
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/06(日) 14:32:11 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 結果発表 sideレオ
ステージには何人かの審査員とコンクールを主催した人が立っていた。
ライトで照らされたあのステージでさっき俺たちが演奏したんだと思うと夢のように思えてくる。
そんな風に遠くに見えるステージを見つめながら、結果発表が始まった。
青春高校の生徒たちが座る席は後ろの方だったから、審査員や主催者が小さく見える。
マイクで響き渡る声は俺たちに緊張感を与えた。
県大会に出場するチームの名前が呼ばれる。
「――東中学校金管二重奏」
どこかから、「わああああ!」という歓声が起こった。
パチパチと拍手が東中学校の県大会出場を祝う。
そしてその後、青春高校の名前が呼ばれた。
「青春高校クラリネットソロ、ゴールド金」
クラリネットソロは鈴だ。
俺より後ろに座る鈴を見てみると隣の人と抱き合っていた。
よかったな、と微笑を浮かべた瞬間、もう一度青春高校の名前が呼ばれた。
県大会に出場するのは3チームまでだからこれが最後だ。
「青春高校」
「ピアノフルート」
俺たち、だ。
わああああ、とわきあがる歓声の中未花をぎゅうっと抱きしめた。
「せんぱっ、」
「未花!」
未花はもう既に泣いている。
結果発表を終えたあとの主催者の話しはもう何も聞いていなかった。
×
楽屋に戻って、有希先生が俺たちを見渡して言う。
「青春高校の中でも出れなかった奴も何名かいるけど、皆よく頑張ったと思うよ」
有希先生の優しい言葉にちょっと動揺した。
そのあと、有希先生が俺と未花と鈴を見渡して言う。
「県大会行くからにはもっと厳しくいくからな?」
「いやもう十分厳しいっすよ」
県大会に出場できてよかった。
‐
273
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/06(日) 15:09:37 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 本当のこと sideレオ
「おいレオ、未花も」
「何ですかー?」
皆感動に浸っているというのに、突然有希先生が俺たちを呼んだ。
泣き止まない未花の頭をくしゃりと撫でながら返事をする。
「ちょっと来い」
「え、何か嫌です」
「いーから」
舌打ちされたところで大人しくついていくとそこはさっきまでいたステージで、未花も少し驚いていた。
誰もいないステージの上で一人金色の髪の毛をなびかせる子。
「さつき……」
「さつき先輩っ」
さつきは微笑んではいなかったけれど俺たちに優しげな表情を見せていた。
「県大会、フルートは未花とさつきどっちにする? レオが決めな」
「は? 何言ってんですか先生……それは先生が決めることで」
「レオがこれから一緒に練習していく相手だよ? アタシが決めたらそれが本当に良い決断かわからないじゃない」
それなら、と小さな声でつぶやいたあと未花の手を取った。
「俺は未花と吹きたいです」
「理由は?」
どうやら理由もいわなきゃダメなようで、俺が有希先生をじっと見つめて言う。
「俺は未花の努力を傍で見ていきたいなって思いました。それに、やっぱり未花と演奏するのが一番楽しいです」
そう言った瞬間有希先生もさつきも優しげな笑みを浮かべた。
そしてさつきが俺に微笑みかけて言う。
「レオ、わたしは未花ちゃんとレオに幸せになってほしいなって思うよ」
大きく頷いて、俺たちはステージから楽屋へと戻った。
‐
コンクール一段落ついたところで次県大会とかまじ疲れる←
県大会はいろいろな都合で7月頃にしちゃう予定なので吹部全員のコンクールと時期が近いんだよねー、どうしよ。
世界観とかそういうのは見逃してくださいorz
そしてさつきちゃんをぶち込んでレオの友達もぶち込んで未花もぶち込んで梨花と翔もぶち込んでレオもぶち込んで(ry
イベントとかをやりたい!
さつきちゃんを幸せにさせたい!
274
:
燐
:2012/05/06(日) 21:26:33 HOST:zaq7a66fc25.zaq.ne.jp
ねこっぴ>>はろw
暇な時に見るわヽ(^o^)丿
275
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/06(日) 22:41:34 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
>燐
はろーう!
なんか久し振りw
276
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/06(日) 22:50:04 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / バス sideレオ
貸し切りバスに乗って学校へと帰るとき、コンクール会場から離れるというのが少し寂しいような気がした。
県大会は別の場所でやるから此処に訪れるのは高校生活では最後だったのだろう。
ふうと溜め息を吐くとちらりと未花がこっちを見てきているのに気づきん?、と声を漏らした。
「先輩、疲れてます?」
「え、いや……なんか悲しくなって」
「あは、レオが悲しいだってー!」
俺たちの会話に鈴が入ってきた。
ぷっと俺を嘲笑うような鈴も鈴で寂しそうではあったけど、と思いながら俺も嘲笑い返して言い放つ。
「はは、鈴もさっき泣いてたくせに」
「なっ、アレは感動してだもんっ!」
「俺泣いてねえし」
「レオは心がないんだよーっ!」
あはは、と周りの皆が笑い始めたのに気づき少し黙った方がいいかと思った。
だけど穏やかな雰囲気とは真逆にわんわんと吠えるように言い出す鈴にはいはい、と面倒臭そうに返事をする。
「そうだね、俺には心がないかもね」
「なにその反応! つまらん!」
鈴が不機嫌そうな表情をしたのに気づいてもう苦笑するしかできなくなっていた。
あっという間に学校について、あれだけ騒いでいたのに未花は眠ってしまっていた。
此処で起こすのも可哀想だし、でもミーティングがあるし仕方無いかとつぶやいて未花の肩を掴みぐわんぐわんする。
前、未花が病院で俺にやっていたように。
「ん……ってうわうわうわ」
未花も俺と同じような反応をして思わず吹き出してしまいそうになった。
楽しい思い出になってよかったな!
‐
イベント編突入します!
次あたりで!
277
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/06(日) 23:11:49 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 遊園地デート*メンバー集め sideレオ
「なあレオ! お願いだよー!」
「はあ? 何がだよ」
別のクラスの友人、平間遼(ひらま りょう)がある日俺に頼み込んできた。
一体何をだよ、と思いながら冷静に聞き返す。
「いやちょっとさ……レオのクラスのさつきさん超可愛いじゃん?」
「……まあ、そうなのかな」
さつきが可愛いかと聞かれればきっと可愛い方なんだろうけど、俺にはよくわからない。
とりあえずそういうことにしてやって、話を聞いた。
「だから、レオとレオの彼女とレオの友達で付き合ってる奴らと俺の友達で付き合ってる奴らと俺とさつきさんで遊園地にでも行けないかなーって」
つまり。
俺、未花、友達A、友達B、友達C、友達D、遼、さつきの八人で行くってことか。
表情や顔色何一つ変えずにぽつりとつぶやいた。
「あー、いいんじゃね? 俺はいいけど」
「よっしゃあ! じゃあ彼女と付き合ってるバカップルひと組み呼んどいて! さつきさん誘うのは後でやる! よろしくなー!」
バカップルひと組みという言葉をお前全国のバカップルに殺されるぞ、と思いながら無視した。
はいはい、と適当な返事をしたあと未花のところにでも行こうと二年校舎に向かう。
「あ、あのっ! レオ先輩、ですよね?」
「ん? ああ、うん」
二年校舎は三年校舎と結構近くてすぐ着いた。
と思いきや見知らぬ女の子に声をかけられて立ち止まる。
「コンクール、県大会出場おめでとうございますっ! あの、好きです! 付き合ってください!」
うわ、直球。
そんな直球にこられると振りにくいな、と思いながら謝る。
「ごめんね、彼女いるから」
「そ、ですか……じゃ、じゃあ! 頭撫でてもらってもいいですか?」
なんでそんなこと、と思いながらそれでも女の子の頭をくしゃりと撫でる。
その瞬間、未花があらわれたのがわかった。
「レオせんぱーい」
こういうとき、未花はわざと甘えてくる。
俺が人の頭撫でるなんていつものことだから未花は気にしてないみたいだし。
「はいはい未花、ちょっと用事あるからおいでー」
「はーいっ」
最後にひらりと女の子に手を振ったのは未花には内緒。
くっつくのがもっとエスカレートするから。
「で、用事ってなんですか先輩っ!」
「あのさー、俺の友達がさつきと仲良くなりたいんだって。だから俺と未花とバカップルもうふた組と友達とさつきで今度遊園地行かない?」
「いいですよー! さつき先輩って手強そうですよねえ」
たしかに、と頷きながらじゃあまた今度と別れを告げた。
ちょっと早い気がするけど、次は一年校舎に行く予定だから。
一年校舎も二年校舎からだとまだ早く着いた。
そして梨花と翔のクラスに行く。
「なあ、俺と未花とバカップルひと組みと梨花と翔と俺の友達とさつきで遊園地行かねえ?」
面倒臭くなってきた。
そう思いながらも誘うと梨花と翔は快くオッケーしてくれた。
「いいですよー! 楽しそうですねっ」
「梨花と一緒ならどこでもいいっすよ」
「まさにバカップルだなお前ら」
「いや先輩こそー」
そんなくだりを終えて遼にメールする。
そしたらすぐ返信がきた。
メールによると放課後部活前に遊園地メンバー集合だそうで。
「梨花、翔、放課後遊園地メンバーは3−Bに集合してー」
「げ、三年校舎ですか。まあいいけど」
ま、よろしくー、と適当な感じで別れるとあっというまにチャイムが鳴りそうだ。
あと数分だな、と思い早足で教室にもどった。
-
イベント発生!
楽しそうに見えるかな?かな?
でもね、実は大きな落とし穴があるんだよ!
278
:
ピーチ
:2012/05/06(日) 23:17:43 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>
ヤバイっ!!さつきちゃん、付き合うの?
・・・落とし穴?
279
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/06(日) 23:26:40 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 遊園地デート*メンバー集合 sideレオ
放課後になって、遼のクラスの3−Bに集合した。
さつきは未花の協力を得て誘えたからよかった!
ただ打ち合わせということで敢えてさつきは呼ばなかったらしい。
「えー、集まってくれてありがとう諸君」
「遼それキモイよ、っつうかお前んとこのバカップルは?」
「あ、集まんなかったから女友達二人呼んどいた。来てないけど」
「はあ?」
つくづく気まぐれな奴だなと思う。
こっちは頑張って一年校舎まで行ったというのに。
「男三人しかいないじゃん、っつうか何でカップルだったの?」
「カップルだと別の男がさつきさんのこと狙う心配ないかなって思って」
計算高いなと思いながらとりあえず話を進めた。
遼の妄想混じりな計画が発表される。
「まず皆でふらふら楽しんで、いろいろあった末に俺らがはぐれる! で、皆がアレ?ってなるだろうけど計算だから大丈夫ってことでもう帰り会わなくてオッケーでーす」
適当すぎるだろ、と心の中でつぶやいてから一応頷いた。
そしてなぜか遼が未花を巻き込む。
「いいかな未花ちゃん」
「は、はいっ! がんばってください!」
「ちょっとー、がんばってくださいって未花ちゃん君もがんばるんだよ」
「あ、そっかあ」
何気に良いコンビなのかもしれない。
嫉妬とかじゃなく微笑ましくなって俺が言った。
「じゃあまあ、協力してやるよ」
「あたしと翔も楽しめればいいですよー、ていうか早く部活いきたい」
梨花の言葉に俺も、とつぶやいて部活へ向かうことにした。
とりあえず楽しみだー!
-
280
:
名無しさん
:2012/05/07(月) 15:25:18 HOST:p28163-ipngn100105osakakita.osaka.ocn.ne.jp
北摂党
NEO UNIVERSE
〜味園事変〜
2012.6.3(日)@味園ユニバース
OPEN 16:30〜23:00
AVD:¥3,000 ※ステッカー付
ADM:¥4,000(w/flyer¥500off)
-Deejay-
MATTON/CHEHON/MUNEHIRO
KENTY GROSS/BES/TOMY BORDER
LIFE-G/CHARIS CREW BAND
-SOUND-
FUKU CHAN(EX.FIREWORKS)
RISKY DICE/SWEET SOP/TIDALWAVE
-SOUND SYSTEM- K-ZONE
-DANCER- BAD JUSTICE
チケット取り扱いなどその他詳しい情報は
北摂党 で検索!
281
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/07(月) 17:46:31 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
>ピーチ
計画通りにいけばえ?マジかよって展開になる、はず←
282
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/07(月) 17:56:12 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 遊園地デート*遊園地当日 sideレオ
「わっふー!」
遼が叫んだ。
――「東京」というワードがつくわりには千葉県に存在する黒いネズミで有名な遊園地は休日だからか人でいっぱいだった。
はじめましてな人もいるわけで、バスの中でできなかった自己紹介を始める。
「えっと、速水レオです」
「わたしは未花ですっ」
「あたしは如月梨花でーす」
「俺は翔です」
見慣れたメンバーたちの自己紹介。
未花はきょろきょろと周りを見回していて小動物みたいでなんか可愛い。
次に遼が連れてきた遼チームの紹介が始まった。
「えぇとお、みなみでーす」
「アタシは花南(かな)だよお」
微妙にギャルっぽい見た目と喋り方のみなみとふんわりとした雰囲気の花南。
もうこの際呼び捨てで良いかと思った。
「俺は知ってると思うけど遼でっす! 今日はよろしくー」
「わたし、は……さつき、です」
はずかしそうに挨拶するさつきのことを遼がハートの目で見つめていたことは内緒。
そんな感じで遊園地デートが始まった。
-
次からside未花に変更します!
レオくんの心情は書きづらいので、いろいろと。
283
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/07(月) 18:16:47 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 遊園地デート*遊園地当日 side未花
「ねえねえレオくん、アタシあれ乗りたあい!」
さっきの自己紹介でふんわりした雰囲気を見せていた花南先輩がぎゅっとレオ先輩の腕に抱きついた。
でもレオ先輩の顔を見てみたら嬉しくないときの顔だし、大丈夫かなあと思い一人でぽつんと歩く。
「……ねえ、未花先輩」
「梨花ちゃん?」
梨花ちゃんにくいっと服の袖をつかまれて反応した。
梨花ちゃんは翔くんもいるのにすごいつまらなさそうな表情をしている。
「あの先輩たち何なんですか?! レオ先輩は未花先輩の彼女でしょ?」
たしかにそうなんだけど、と思いながら仕方ないよと言おうとした瞬間、梨花ちゃんが大きな声で言った。
「レオせんぱーいっ! 彼女放ったらかしちゃだめですよー」
「えうあっ?! 梨花ちゃんいいんだよっ――」
「よくねえよ」
わたしの言葉にかぶさるようにレオ先輩が言った。
困り果てたような表情にあ、と声をもらす。
どうやら無理矢理花南先輩の腕を振り払ってきてくれたらしいけど何だか申し訳なくなった。
「すみません、レオ先輩」
「謝るのは俺の方だよ、ごめんな未花」
やっぱりレオ先輩は優しい。
そう思いながらレオ先輩の隣を歩いた。
×
「じゃあ此処でっ、くじ引きターイムッ!」
テンションの高い遼先輩がとつぜんどこからかくじを取り出した。
どうやらふた組のペアになってお化け屋敷をまわるらしい。
レオ先輩とがいいな。
そう思っていたけれど、わたしが引いたくじの結果遼先輩とまわることになった。
「えーと? 俺と未花ちゃん、さつきさんと翔くん、梨花ちゃんとみなみ、レオと花南、な!」
遼先輩が楽しそうに読み上げる。
レオ先輩と花南先輩、いっしょなんだ。
少し嫌な気持ちがしたけど、それくらいは仕方ないかと思いお化け屋敷の中に入っていった。
「こ、こわいです……」
「な、ちょう怖い!」
遼先輩とわたしと、二人で怖がっている。
でも遼先輩はさりげなくわたしを守ってくれているし、優しいなと思った。
「なあ、未花ちゃん」
「なんですか?」
きゅうに真剣になる遼先輩の表情にえ、と思わず声を漏らした。
「このあとさ、二人で抜け出さない?」
「へっ?! だ、だめですよ先輩! さつき先輩はどーするんですか!」
「いや、だからさつきさんのことでちょっと相談があんだよー」
なんだそういうことか。
そう思いながらそれなら、と頷いた。
お化け屋敷を通り抜け、こそりと人混みの中に紛れ込む。
――と、思ったら。
薄暗い路地裏みたいなところに連れて行かれてしまった。
「りょ、遼先輩……? 暗いですよ此処」
「――暗い方がいいんだよ」
低い声で遼先輩がわたしに言った。
そしてそのあと、壁にだんっと押し付けられる。
「未花ちゃん」
なんで? どうして?
遼先輩はさつき先輩が好きなんじゃないの?
そう思いながら、何も行動することができない。
「俺さ、本当はさつきさんなんて好きじゃなかったんだよ」
「え……?」
「本当の目的はレオと未花ちゃんを別れさせて未花ちゃんを俺のものにするためなんだ」
やだ、こわい。
わたしに触れてくる遼先輩の手がとても怖く思えた。
「やめて、ください……遼先輩はそんな人じゃないです」
「未花ちゃんは俺の何をしってんの?」
顔が近づいてきた。
キスされるのかな、と思って思わず暴れようとする。
もうだめだ、と思った瞬間、とつぜんあの人の声が聞こえてきた。
「未花っ!」
れおせんぱいの、こえ。
「レオ先輩っ……」
レオ先輩が遼先輩を突き飛ばしてわたしを助けてくれる。
気づけば震えていたのがわかる。
「未花、行こうか」
「っ、はい……」
レオ先輩に手を握り締められてそっとその場を去っていった。
-
マジかYO!と思いきや一件落着だZE☆←
うん、よかったよかった!
284
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/08(火) 18:33:20 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 遊園地デート side未花
レオ先輩の手は大きくてとっても暖かかった。
ぎゅって力強く、それでも優しくわたしの手を包み込むレオ先輩の手でさえも愛おしく感じてしまう。
遼先輩に連れてこられた暗い道を通り抜け、また人集りができて騒がしい場所に戻った。
騒がしいのとか人集りとか、あまり得意ではないけどなんだか安心してしまうのはレオ先輩が手を握ってくれているからかな。
嬉しくなってわたしからもそっとレオ先輩の大きな手を握ると、レオ先輩がこっちを見て照れたような表情をしてくれた。
嬉しいって意味なのかな、と思いながらもう一度レオ先輩の顔を見たくて覗いてみる。
「ちょ、未花覗かないで……!」
「いやです、レオ先輩の顔が赤いところ見たいです」
きゃっきゃきゃっきゃと絡み合うわたしたちはきっとバカップル同然だったんだろう。
このくらい仲が良いといっそ清々しいし、今ならバカップルって連呼されても全然良いかもしれない。
「やーい、バカップルー」
からかうようにわたしたちを見つけた梨花ちゃんと翔くんがそう言ったけれど、わたしは微笑むことしかできなかった。
「えへへー」
「幸せボケしてんな」
翔くんに突っ込まれたのは吃驚したけれど。
×
「レオくうん、どうしてお化け屋敷一緒にまわってくれなかったのぉ……?」
甘えたような寂しそうな表情で、花南先輩がレオ先輩に近づいた。
相変わらずわたしたちは手を繋いだままで、でもそんなことも気にしないで反対側のレオ先輩の腕に花南先輩が抱きつく。
「いや、だって彼女いるし遼が変なことするから」
「ほんとすいませんっしたぁ!」
ふざけた様子を見せる遼先輩とはもう話したくない。
本当に、ふざけただけだといいんだけどなあ。
「……翔は?」
「え、なに?」
梨花ちゃんが翔くんを疑わしい目で見つめた。
「さつき先輩みたいな綺麗な先輩とふたりっきりで、なーんかあったんじゃないの?」
「うえ、なんにもないよ!」
そういってあわててごまかすような翔くんにあやしい〜、と梨花ちゃんがつぶやいた。
さつき先輩はだんだん馴染めてきたのかふふ、と楽しげな笑みを見せている。
「翔とはなにもなかったよ、梨花」
微笑むさつき先輩はあまりにも綺麗すぎて、その迫力におされて梨花ちゃんも探るのはやめた。
「……ほんっとうに何もなかったよね?」
心配そうに梨花ちゃんがぽつりとつぶやくように聞く。
すると翔くんはにこりと笑顔を見せて言った。
「何もないよ」
ふたりこそバカップルじゃん。
そんな思いは心の中に閉まっておいて、またきゅっとレオ先輩の手を握った。
レオ先輩はまたこっちを見て吃驚していたけど、そのとき振り返った表情に思わずドキってしちゃったのは恥ずかしいから秘密。
-
このままつづけようかともおもったけど一回区切りますー!
花南ちゃんぶりっ子設定で動かしたいんですけどあからさまなぶりっ子ってこの時代あんまりいないので控えてます←
語尾をのばすとかは「○○ですよー」とか「ー」だとふんわり系で別にぶりっ子じゃなくて鈴ちゃんみたいなのになるんだけど、花南ちゃんの場合「○○ですよぉ」って語尾をあえて「ー」じゃないので伸ばしてるのが特徴だと思いたい。
ぶりっ子とふんわりの区別つけてね!←
ちなみにこの小説内でねここ的ぶりっ子キャラとして出してるのは優里ちゃん(いたっけ?未花の同級生で吹部の子!未花の首絞めた子←)と花南ちゃんと、仮だけどみなみちゃんです!そこのところよろしく!
てことで去る!
285
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/09(水) 17:54:30 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 遊園地デート side未花
「なんかつまんなぁい! 男女別で行動しよ!」
花南先輩がわめいた。
わたしは思わず何か嫌な思いをさせてしまっただろうかと考えてしまう。
だけどそれに気づいてくれたのか、レオ先輩がぎゅっとわたしの手を握った。
「俺は別行動したくないなー」
「あたしもー! 翔といたいし」
「お、おれも!」
レオ先輩の意見につづき梨花ちゃんと翔くんも自分の思いを言った。
わたしも、とか言ったほうがよかったのかな、と思いながらレオ先輩に助けを呼ぶような目線をおくってしまう。
わたしが戸惑っているうちにもう花南先輩が喋り始めてしまった。
「ちょっとはいいじゃあん! ねっ、行こ行こ!」
ぐいっと強引にわたしの腕を引っ張る花南先輩。
レオ先輩とつないだ手が放れてしまうような気がしてきゅっと握りしめた。
それでも、レオ先輩がこそりとまた後でと言ってくれたから放すことができた。
レオ先輩の指先はまるでわたしとの別れを惜しむように思えたけれど、花南先輩に引っ張られてしまってレオ先輩を引き留めることはできなかった。
×
「花南ぁ、言っちゃう?」
ちょっとギャルっぽくて見た目的に苦手なみなみ先輩が花南先輩に声をかけた。
言っちゃうって、何をだろう。
そう思いながら、花南先輩がそっと頷いたのをまた疑問に感じる。
「あのさぁ、未花ちゃんっつったっけ?」
「は、はい……?」
さっきと全然態度の違う花南先輩はちょっと怖かった。
「アンタ、レオくんのこと独り占めしないでよね!」
「レオくんは皆のものなんだから!」
花南先輩の声につづいてみなみ先輩も言う。
なにがなんだかよくわからなくて、それでも言い返した。
「レオ先輩のことはレオ先輩の自由じゃないですか……! 先輩たちには関係ないです!」
「じゃあさ、アンタとレオくんが別れてもそれはレオくんの自由だっつうの?」
花南先輩の質問にそっと頷いた。
「わたしがレオ先輩のことを決める権利はないです」
「ならさぁ、――」
「でも!」
花南先輩の言葉をさえぎって、わたしがいう。
「わたしはレオ先輩を信じてるし、レオ先輩だってわたしを大切にしてくれてるんです――それが独り占めだっていうのなら、レオ先輩に好かれようと努力してくださいよ」
なんだか強気になれたなって思う。
レオ先輩の話しになるとこうなのかな?
花南先輩が怒りに満ちた表情で言った。
「花南だって努力してるっつーの! ていうかぁ、アンタとレオくんは不似合なんだよ!」
不似合、か。
そうかな。
「――努力、してないじゃないですか。レオ先輩はこういうことする子なんて嫌いだと思いますよ! ていうか、こんなことする子を好きになる人はいないと思います!」
そういったあと、花南先輩は黙り込んでしまったからそっとその場を去った。
なんだか悪いこと言っちゃったかもな。
-
286
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/09(水) 19:29:54 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 遊園地デート side未花
「み、未花先輩っ!」
「ごめんね梨花ちゃん、雰囲気悪くさせちゃって……さつき先輩も、ごめんなさい」
梨花ちゃんとさつき先輩が広場へ戻るわたしに声をかけてくれた。
さつき先輩はなんだかよくわからないけど微笑んでいたし、梨花ちゃんも輝いた目でわたしを見てくる。
「レオにはやっぱり未花が必要だし、未花にもレオが必要なんだね」
「未花先輩超かっこよかったです! あの性格悪い女、早くどうにかしたいなって思ってたんですよねー!」
でも今思えばわたし本当ヤバいこと言ってたよね。
どうしようと思いながら、それでもふいに目に入ったものがあった。
「レオ先輩――って、え?」
レオ先輩が笑ってる。
その隣にいるのは――花南先輩?
バスの中で花南先輩とメアドを交換しておいたからか、花南先輩からメールがきていた。
「ちょっと遅かったねぇ」って、もしかして。
わたしたちより早くレオ先輩のところに行ってたのかな。
いやだよ、と思いながら思いきってレオ先輩のところに駆け寄った。
「レオ先輩!」
「未花っ!」
ふわりと風がふいた。
そして次の瞬間目をあけるとそこはレオ先輩の腕の中だった。
抱きしめられてる?
「……れ、おせんぱい?」
なんだかよくわからないけど。
すっごく幸せな気分。
これがずっとつづけばいいのに。
-
287
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/10(木) 16:14:53 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 遊園地デート side未花
「レオくぅん、花南と観覧車乗ろ!」
わたしに抱きついてきたレオ先輩は微笑んでいた。
とても優しくて大好きな笑顔。
とても、さみしくて暗い笑顔。
レオ先輩はそっとわたしから離れると、腕に抱きつく花南先輩の言うままに観覧車へ向かってしまった。
わたし、なにか悪いことしちゃったかな。
不安――だけど、わたしがここで立ち止まってちゃだめだ。
「未花先輩」
「大丈夫、わかってるよ――」
心配そうな表情で声をかけてくれた梨花ちゃんを安心させるようにちいさく頷いた。
わたしができることは、これくらいしかないもん。
すうっと空気を吸った。
「――レオせんぱーいっ!」
わたしはもう、大切な人を手放したりしない。
欲張りでも自分勝手でも自己中心的でもなんでもいいから、レオ先輩の傍にいたいんだ。
「未花っ」
レオ先輩の声が聞こえた。
わたしの名前を呼ぶ声。
でもその後ろには花南先輩がいる。
しっかりとレオ先輩の腕をつかむ花南先輩のせいで、レオ先輩がこっちに来てくれることはなかった。
それでも、目が合っただけでレオ先輩が何を言いたいかがわかった。
「大丈夫、安心して――」レオ先輩はきっとそうわたしに伝えてくれたはずだ。
自分とレオ先輩を信じておおきく頷く。
わたしはまちがってなんかない。
× 〜sideレオ
ふわりと、まるで宙に舞うような気持ちになった。
でもそこは空なんかじゃなくて、観覧車の個室の中。
遠くなっていく景色に、遠くなっていく広場に――
遠くなっていく未花に、不安を感じていた。
「レオくんは観覧車嫌いだったぁ?」
「え、あ……嫌いじゃないよ」
好きでもないけどね、と心の中で呟いた。
それは観覧車のことなのか、それとも花南のことなのか俺自身よくわかっていない。
未花を不安な気持ちにさせてるのはわかってる。
けど、なんだか最近自分の意思で動けないというか、断るっていうのが苦手になったような気がする。
今も、花南の誘いを断れなかった。
元々強引な女子とか俺苦手だし、未花もそれはわかってると思うけど。
ちゃんとこういうのも断れなきゃ、未花が可哀想だ。
たまにこのままでいいのかなって思ってしまう。
「……未花ちゃんとレオくんってさぁ」
花南が未花の名前を出したから急に反応してしまった。
「不似合っていうかぁ、不釣合いだよねぇ」
やっぱり、そうなのかな。
俺には不似合だよな、あんな可愛い子。
可愛くて優しくて気遣いができて天然でちょっと鈍感で――俺なんかとは釣り合ってない。
それに付き合うとしても俺より遼の方がよかったんじゃないだろうかと思ってしまう。
そんなことを考えているうちに、反対側の椅子に座っていた花南が俺が座っているほうの椅子に膝をのせる。
花南がまるで俺を見下すような体制になったけれど肩をつかまれて何も行動できなかった。
「……花南はぁ、未花ちゃんより全然釣り合うと思うよ?」
「そう、かな」
何も言えなかった。
それにやっぱ俺、未花じゃなきゃいやだ。
あのとき呼び止められて、不似合だってわかってても未花の傍にいたいって思ったもん。
「花南にはもっと良い人がいるよ」
そういって、花南の体をぐいっと反対側に押した。
生憎俺には未花しかいないみたいだから。
-
288
:
ピーチ
:2012/05/10(木) 22:28:33 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>
うわわっ!レオ先輩強い!!
でもなー・・・花南も粘るねー・・・
レオ先輩!美花先輩!負けるなー!!
289
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/10(木) 22:36:21 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
>ピーチ
大丈夫、花南は特に厄介じゃないよ!
普通に厄介だけどちがうと信じたい←
290
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/10(木) 22:37:51 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 遊園地デート side未花
レオ先輩は格好良くて優しくておもしろくて、爽やかだし困ってる人がいたらさりげなく助けてあげてるし。
そんな性格だからやっぱり女の子の視線を奪っちゃう人だけど。
それでもわたしの傍にいてくれた。
いいのかなって思っちゃうくらい優しくしてくれた。
他にどんなに可愛い女の子がいても、どんなに優しい女の子がいても。
ずっと、わたしを守ってくれた。
もうこの気持ちは抑えられないよ。
言葉では表せないくらい大好きで大好きでたまらない。
だからこそ、それと比例するように不安な気持ちもふえていった。
他の女の子といるのを見ると嫉妬しちゃうし、なんだかぐるぐるして変な気持ちになる。
レオ先輩が困ってるのだって表情見たらわかるのに、それでもやっぱり嫌な気持ちを抑えられない。
――でもね。
レオ先輩が大丈夫だよって言ってくれるとすっごく安心するんだよ。
不似合でも釣り合ってなくても。
これからもわたしの傍にいてください。
なんて、伝えられたらいいのに。
ハッと我に返ったわたしは隣にいる翔くんと梨花ちゃんに話しかけた。
「翔くんは梨花ちゃんに嫌な思いさせないであげてね、翔くんモテるから」
「そ、それをいうなら梨花だってモテるから俺心配だし不安な気持ちでいっぱいっすよ!」
わたしの言葉に顔を真っ赤にして話しをそらす翔くん。
なんだか微笑ましくなってきた。
「な、ならさつき先輩はどうなんですか!」
「……え?」
翔につづき顔を赤らめる梨花ちゃん。
急に話をふられたさつき先輩は少し間をあけたあと驚きの声をあげた。
「だって、さつき先輩可愛いし綺麗だし超モテそうじゃないですか! 誰か好きな人とかいるんですか?」
「いるよ」
ムキになってそう聞く梨花ちゃんにさつき先輩はふふっと微笑みながら即答した。
え、なんか梨花ちゃんの目がキランと輝いてるのは気のせいかな。
「だれですか、それ!」
「ないしょ、だよ」
人差し指を唇にあてるさつき先輩はとってもかわいく見えた。
それでも梨花ちゃんはしつこくて、さつき先輩が悩んだような様子で言う。
「好きっていうか、気になってるのかな」
「どっちでもいいんで教えてくださいよー!」
何気失礼なこと言ってるよ梨花ちゃん。
そう思いながら二人のやりとりを見つめる。
エラー出たんでいったん切ります!
291
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/10(木) 22:38:06 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
「じゃあヒントね、わたしの好きな人は彼女いるよ」
いやいやいやこんな可愛い子に告白されたらどんな彼女がいても彼氏さんイチコロでしょ。
そしてどことなく赤くなってる翔くん、かわいい!
「まさか翔とか?」
不安そうに梨花ちゃんが尋ねた。
さつき先輩が苦笑しながら首を振る。
「ちがうよ」
梨花ちゃんがほっとしたような表情を浮かべる。
翔くんはなぜか残念そうな表情を浮かべて、それでも安心した様子を見せている。
「あ、じゃあ遼先輩ですか」
梨花ちゃんが率直に聞いた。
さつき先輩は驚いたような表情をしてから言う。
「それはないかな、女の子に手を出すような人はきらいだし」
わたしを見て苦笑するさつき先輩。
お化け屋敷のあとのこと、知ってたのか。
「うーん、あ! じゃあ俊太サン?」
「俊太サン」ってたしか、梨花ちゃんのお姉さんの百花先輩の彼氏さんだっけ?
なんで梨花ちゃん俊太先輩の話出したんだろ。
「レオの友達、だよね? あの人じゃないよ」
「好きになることは?」
「ないかな――って、なんで俊太くんの話ばっかりするの? 梨花ちゃん俊太くん好きなの?」
さつき先輩はイタズラするような目つきで梨花ちゃんを見つめた。
そしたら梨花ちゃんは「ちがっ」とあわてて否定しながら説明しようとして、なんだかおもしろい。
「あたしのお姉ちゃん百花っていって三年生なんですけど、俊太サンの彼女なんですよ。あたし俊太サン嫌いなんで早く別れてくれないかなあって」
うわあ、梨花ちゃんさらりと怖いこと言うなあ。
そう思いながら苦笑を浮かべると、さつき先輩もわたしと同じく苦笑していた。
なんだか同じ表情なのにさつき先輩に華がありすぎて辛い。
「残念だけどわたしには彼氏を奪うなんてことできないよ」
「じゃ、じゃあその好きな人はどうするんですか?」
さつき先輩の寂しげな表情になんだかズキリと胸が痛んだ。
わたし、は……きっと梨花ちゃんから奪ったことになるのかもな。
「あきらめたいんだけどね、今はまだ心の中に残ってるの――わすれるのってこんなにつらかったんだなって思って」
「わすれちゃだめですよ」
おもわず、言ってしまった。
わたしがさつき先輩に口出しできることなんてないのに。
それでもさつき先輩は笑ってくれた。
「……ありがと」
なんでそんなさみしい表情するの?
-
292
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/10(木) 22:53:14 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 遊園地デート side未花
「わたしだってわすれたくないよ……でも、わすれなきゃ傷ついちゃう人がいるの」
さつき先輩が初めて本音を言ってくれた。
うれしくて、それでも辛かった。
だってさつき先輩の目線は――
わたしにあるんだもん。
友達も梨花ちゃんも、わたしのことを鈍感だとか言ってきたけど。
これくらいならわかるよ、さつき先輩の好きな人は
レオ先輩だ。
「……わたしはその恋をやめろっていう権利も何もないですけど」
ちいさな声でつぶやくように、それでもさつき先輩の目を見てしっかり伝えた。
「その、傷つけないであげてください……すごく心配性だから、えと」
言葉になってないような気がする。
レオ先輩はたしかに心配性だけど、それを伝えたかったんじゃない。
「わかってるよ、未花――わたし、レオに告白するつもりはないし未花から奪うつもりもないもん」
遠回しに言った言葉。
伝わりませんようにって思いながら伝われってやっぱり考えちゃった言葉。
――レオ先輩を奪わないでって。
さつき先輩にひどいことしたなって思った。
無理に微笑むさつき先輩に一言言う。
「でも、応援してます! 恋の相談とか、わたしこれが初恋でよくわからないけど聞けることなら聞くんでなんでも言ってくださいっ!」
息をつく間もなく言う言葉はまるで偽善者みたいだったけど。
これがわたしの本音なのかなって思った。
さつき先輩がにこりと優しげな笑顔を浮かべて言う。
「わたしも初恋だったんだ――わたしは未花の応援するよ」
初恋がわたしのせいでつぶれるなんて。
罪悪感でいっぱいだよ。
そう思いながら、遠くに見えるレオ先輩の姿に思わず笑みを浮かべてしまった。
「レオせんぱーい!」
「未花ー!」
ぶんぶんと大きく両手を振るとレオ先輩もひらりと手を振ってくれた。
「花南先輩、は?」
「……告白に近いものをされて迫られたから拒否ったら観覧車降りた後どっか行っちゃってさ」
「やっぱりレオ先輩狙ってたのかあ」
それでもわたしを優先してくれたレオ先輩。
大好きだよ。
大好き、だけど。
-
293
:
ピーチ
:2012/05/10(木) 23:29:16 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>
うーn・・・。あたしはどうにも花南は好きになれないなぁ・・・←まさかの喧嘩した友達そっくりww
えぇぇぇぇ!?さつき先輩って、レオ先輩のこと好きだったの!?
294
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/11(金) 17:41:04 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
>ピーチ
ねここも厄介じゃないけど花南苦手w
わあ、こんな子が本当にいるなんて(´・ω・)!
イエス!←
さつきについては今度詳しく書くかもー!
295
:
ピーチ
:2012/05/11(金) 19:12:29 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>
うん。そっくりww←未だに仲直りしてないしww
さつき先輩・・・早く新しい人見つけて!!
296
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/11(金) 19:17:17 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
▼ Loveletter
Loveletter(ラブレター)についての説明などなど…(´・ω・)!
小説の息抜きにでも読んでいただけると今までの話を思い出せるかなと思います。
暇があればぜひ読んでみてくださいね!
▽ 登場人物
如月百花(きさらぎ ももか) / 優しくて天然気味だけどちょっと狂っちゃうときがある。天然男タラシさんで愛らしい笑顔で男の子を虜にしちゃうよ。 / 梨花の姉で俊太の彼女 一度記憶喪失になって俊太をわすれるけれど思い出す / 高校二年生で軽音楽部所属
三浦芽衣(みうら めい) / ちょっとした問題児。いろいろと馬鹿かもしれない。発言や行動自体可笑しいし空気が読めない残念な子。 / 百花の友達 / 高校二年生でいろいろ部をつくり部長をやっている
佐々木海斗(ささき かいと)/ かっこいいお兄さん的存在な人。優しくて正義感が強いけどちょっと天然なのか女の子にとって恥ずかしいことをさらりとやっちゃうよ(悪い意味じゃなく)。 / 百花の先輩 妃芽の彼氏 / 高校三年生で軽音楽部の部長
中島雄二(なかじま ゆうじ) / 女遊びの激しい人。軽くて彼女はたくさんいるけど好きな子には一途だったりする。 / 百花が高校一年生のときの担任で現在百花が高校二年生だけどやっぱり担任は中島先生 軽音楽部顧問
桜羽妃芽(さくらば ひめ) / 天然で可愛い女の子。恋愛が苦手で不器用なところまでも愛くるしく見えちゃうよ。 / 百花の幼馴染 恋愛のことは梨花に相談してる / 高校二年生で仮にもテニス部所属
妃奈乃優衣(ひなの ゆい) / 体が弱い女の子。優しそうに見えて実は腹黒くて意地悪なぶりっ子さん。 / 海斗の幼馴染 / 高校二年生で軽音楽部所属
藤原俊太(ふじわら しゅんた) / かっこいい人。モテそうだけど女遊びとか一切しなくてすごく一途。最近だれかさん(主にねここ)のせいで残念キャラになってきてる。 / 百花の彼氏 梨花に嫌われている レオは良き理解者で親友 / 高校三年生でバスケ部の部長をやっている
如月琉花(きさらぎ るか) / 穏やかで恋バナが大好きな人。天然で可愛らしい感じ。 / 百花と梨花のお母さん / 年齢は秘密
如月純(きさらぎ じゅん) / 百花と梨花の恋バナがきらい。純曰く「お前たちに彼氏なんて……俺は認めない」だそうだ。 / 百花と梨花のお父さんで未だに娘溺愛中 / 年齢は秘密
すっごく長くなったのでいちど切りますね!
297
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/11(金) 19:17:41 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
如月梨花(きさらぎ りか) / 恋愛については計算高いけどそこが自分のコンプレックスな女の子。可愛い笑顔と態度や行動で周りの男の子も一瞬で虜になっちゃうよ。 / 翔の彼女 百花の妹 百花と俊太が付き合っていることを認めていなくて俊太を嫌っている / 高校一年生で吹奏楽部に所属
葵萌美(あおい めぐみ) / ちょっとお馬鹿さんな子。ムードメーカーで恋バナ大好き。みんなからめぐと呼ばれ親しまれてるよ。そういう意味では同性にモテる。 / 梨花の良き理解者で親友 ハルと良い感じ / 高校一年生で吹奏楽部に所属
遥音未花(はるね みか) / 天然で笑顔も行動もかわいい女の子。鈍感なところもまたかわいい。モテモテちゃんなはずだけど一途で鈍感だからハッキリ恋愛感情で好きって言わないと友達としての好きなんだと勘違いされる。 / レオの彼女 / 高校二年生で吹奏楽部の部長補佐をやっている
速水レオ(はやみ ――) / かっこよくてみんなをまとめることのできる人。決断力があって優しい、故にモテるけど一途さん。 / 未花の彼氏 / 高校三年生で吹奏楽部の部長
風雅有希(ふうが ゆき) / かっこいいっちゃあかっこいい人。チョークをおでこにあてるのが得意で指揮棒も投げたりする。戦士っぽくて超スパルタ。 / 梨花、翔、めぐ、花、小林くんのクラスの担任 吹奏楽部の顧問
風未莉子(ふうみ りこ) / ぶりっ子さんで嫌われキャラ。でもリーダーシップをとってみんなを導くことはできるよ(間違ったほうにだけどね)。 / 未花のライバルらしき人 / 高校二年生で吹奏楽部に所属
由羽乃花(ゆうの はな) / 明るくて可愛い元気な子。恋バナが大好きでなんでも全力でやるよ。すごく良い子。 / 翔の幼馴染 小林くんと良い感じ / 高校一年生で吹奏楽部に所属
桜羽翔(さくらば しょう) / 冷静かつ安定感のある男の子。クールっぽいと思いきや授業中の寝顔は最高にかわいくてギャップがやばいよ。 / 梨花の彼氏 花の幼馴染 / 高校一年生で吹奏楽部に所属
小林健太(こばやし けんた) / 気まぐれマイペースだけど優しい男の子だよ。 / 花と良い感じ / 高校一年生で仮にもバスケ部に所属
水野ハル(みずの ――) / 優しいイケメンくん。でも目立つのが嫌いな秀才くんでもあるからあまりまとめ役はやらない。 / めぐと良い感じ / 高校一年生でバスケ部に所属
桜さつき (さくら さつき) / めちゃくちゃ美形で美人すぎる可愛い女の子。人見知りだけどその容姿はみんなを虜にしちゃう。 / レオが好きだけど未花が傷つくからとその気持ちをわすれようとしている / 高校三年生で吹奏楽部に所属
及川遼 (おいかわ りょう) / 恐らくヘタレだと思われるキャラだったけど陰では強気で俺様系。さつきが好きなのか未花がすきなのかわからない。多分さつきが好きで未花は遊び。 / レオの友達 / 高校三年生で陸上部に所属
風乃花南(ふうの かな) / すごくすごくぶりっ子な女の子。陰でキャラが変わる。 / レオが好きだったけど振られてしまった / 高校三年生で帰宅部
遊希みなみ(ゆうき みなみ) / ギャルっぽい女の子。いつも花南の後ろにいるけれど恐らく強いと思われる。 / レオのファン / 高校三年生で帰宅部
こんなものかしら…(´・ω・)
すっごく長かったorz
なんだか長くなりそうなので小分けにして暇なときに書きます。
とりあえず今まで登場したキャラクターでした!
順番は登場した順です。
姿は出てなくて名前だけ出てきた場合でも一応その順番になってるので、名前が出てきた順番みたいな感じかな。
あと苗字は大体名前しかない人が多かったんで必死に考えました(笑)
next→設定的な!(ことをやりたいと思っている←)
-
298
:
ピーチ
:2012/05/11(金) 19:59:07 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>
うわわわっ!!気付かなかったけどめっちゃ登場人物増えてたんだね!!
あたしはー・・・多分少数が多いww←最近名字&名前が思い浮かばない→従って友達の名字&名前を借りるという卑劣なことをする。
・・・↑はちゃんと本人の許可もらってるからね!←誤解されないために!!
299
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/11(金) 21:41:53 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
>ピーチ
今思ったらすっごい人数いたね!←
でも主人公は少なめかなあ。
あ、わたしもたまにそれするw
今回はやってないけど苗字考えるときクラスの人の苗字を書きかけた←
300
:
ピーチ
:2012/05/11(金) 21:46:00 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>
マジッ!?でもさー、本気でしないだけましじゃん?←あたしなんか「いい?」って聞いて使ってるしww
あ、それと質問しても宜しいでしょうか?
あのさー・・・恋愛物の小説で、男子ってどういうキャラがいるかな?それから、告白ってどうすればいいの?
・・・↑何かゴメン。うn。マジゴメン。
次さー、恋愛物書こうと思ってるんだよねーww
301
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/11(金) 21:57:37 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 遊園地デート side未花
さつき先輩の気持ちを知った以上、レオ先輩と今まで通りに接することはできなかった。
いつもみたいに甘えたり頼ったりしようとしても、なんだかためらう気持ちが出てきてしまう。
そんなわたしに気づいたのか、さつき先輩がレオ先輩の隣にいたわたしに声をかけてくれた。
レオ先輩に聞こえないようにと少しレオ先輩と離れたところに行く。
「未花、遠慮してるでしょ」
「う、まあ……それなりに」
「……遠慮しなくていいよっていうのは難しいかもしれないけど、本当に気にしなくていいよ」
「どうして」
どうしてさつき先輩はそれでいいって思えるんですか?
そんな質問が頭の中で思い浮び言いかけるけれど、最後まで質問を言うこともなくさつき先輩が答えてくれた。
「わたしは初めて好きになったレオに幸せになってほしいの。あと、初めて可愛いって思えた後輩にもね」
そう言って微笑むさつき先輩は、やっぱり心からの笑顔ではなかったような気がする。
でもそれに悲しみや寂しげなものは混じってなくて、さつき先輩は本当にそう思ってくれているんだなと思った。
「わたし正直、さつき先輩にレオ先輩をとられないか心配でした。――でも、さつき先輩は優しくて」
優しくて、わたしが悪者みたいになっちゃってる。
レオ先輩と結ばれて悪者になってて、嫌な奴だ。
でもさつき先輩はレオ先輩を譲ってくれて結ばれてない可哀想な人になるのかな。
そう考えれば。
「プラマイゼロ、ですかね」
ぽつりとつぶやいた。
その言葉にさつき先輩がやっと心からの笑顔を浮かべてくれたような気がする。
「わたしにとってはプラマイプラスだよ」
疑問符を浮かべながら「え?」と声を漏らした。
さつき先輩がキラキラと輝いた目で言う。
「人見知りなわたしが好きって思える人ができて、可愛い後輩もできて優しくしてもらって――ねえ、これ以上の幸せってないと思わない?」
さつき先輩の幸せって。
なんだか狭い範囲というか、わたしたちにとってちいさな幸せが最高の幸せなんだなって思った。
でもそう思えるってすごく素敵なことだと思う。
「そう、ですね――じゃあ」
こそりとさつき先輩に耳打ちした。
さつき先輩は驚いたような顔をして言う。
「いいの? だってわたし――」
「先輩、伝えたくてたまらないって顔してますもん。それにさつき先輩にはスッキリしてもらいたいな――って、なんか嫌味っぽかったですか?」
「ううん、全然! むしろうれしいよ」
さつき先輩だいすき。
そう思いながら耳打ちした言葉。
――レオ先輩に、さつき先輩の気持ちを伝えてあげてください。
きっとレオ先輩は困るかもな、悩むかもしれない。
それでもさつき先輩も大好きだから。
レオ先輩、ごめんね。
でもわたし、レオ先輩のこと信じてるよ。
-
302
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/11(金) 22:02:20 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
>ピーチ
あははw でも本人に許可とれたなら全然良いと思うよー!
おお、恋愛ものかあ!
うーん、わたしの場合はレオと俊太と海斗と遼と小林くんとハルと翔がいるんだけど、性格は同じようなものかもしれなi((
でも一人一人の個性を出してるよ!
レオはリーダーシップとるのが得意で海斗は天然っぽくて優しい系で俊太は馬鹿っぽいけど人気者で遼は嫌な奴←で小林君は無難に優しくてハルは発言はしてないけど正義感の強い人で翔はクール系かなあ
告白は男子はストレートだと思う!ということでふつうに「好きだよ」とかって言わせてる←
好きだとか好きだぜとか、かっこつけるのもいいと思うけど現実的に考えてだぜとかだで終わる人は少ないかな?って思った。
小説のほうがんばってね!
恋愛楽しみですv 早く読みたいなw
303
:
ピーチ
:2012/05/11(金) 22:31:15 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>
おぉっ!!大先生様のアドバイスもらっちった♪ラッキーww
ってゆーかさ、友達曰く「告白は男子で、顔がゆでだこ!」ってゆってたけど・・・どーゆー意味??
あ、ちなみにその恋愛物の主人公はめっちゃ鈍いっ!みたいな感じ?ww
304
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/12(土) 19:31:11 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
>ピーチ
大先生じゃないね!ごめんね(´・ω・)
えちょ、その友達意味わからんw←
まず日本語が成り立ってないけど、きっと男子が告白して(もしくはすると)顔が真っ赤になった(もしくはなる)ってことなのかなあ?
鈍い男の子は厄介だよね←
楽しみだー!
305
:
いちごみるく
◆yC4b452a8U
:2012/05/12(土) 19:57:20 HOST:p154.net112139151.tokai.or.jp
更新する度ねここ様の小説見させてもらってます!
見やすくて一言で言いますと最高ですね!憧れます。
いやいや、お世辞ではありませんよ?
まじです。
更新待ってます!
306
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/12(土) 20:40:51 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 遊園地デート sideさつき
「レオ、ちょっと来てくれないかな」
「ん? いいけど」
未花は優しいからきっと遠慮してわたしに告白していいよって言ってくれたのかな。
そう思いながら、それでも未花のうれしそうな笑顔に甘えてレオに思いを伝えることにした。
そっとレオの袖をつまむと、レオは茶色い髪の毛をふわりと揺らしながら振り向く。
好き、なのかな。
わたしの心には迷いがあったけど、わたしがこれから伝えるのはきっと好きって気持ちではないのかもしれない。
好きってはいうけど、恋愛感情じゃないかもしれないし。
そう思いながら、ゆったりと進む観覧車へ乗った。
「さつきから誘うとか、めずらしいな」
ふわりと微笑むきみ。
きっとこの笑顔で何人もの女の子の気持ちを奪ってきたんだろうな。
わたしは、ちょっとちがうのかもしれないけど。
「あのね、長くなるけど聞いてくれる?」
――わたしね、レオのことが好きなのかもしれないの。
いつからかわからないけど、きっと病院で会ったときからずっと。
わたしにはお兄ちゃんがいて、大好きで大好きでたまらない存在の人だったんだけど――
その日、レオとぶつかる前にね、死んじゃったの。
原因はあとから知ったんだけど発作が悪化しちゃったんだって。
いつもお兄ちゃんについてくれてたベテランの先生が違う人の手術でいそがしくて。
それでね、レオはお兄ちゃんと声も姿も香りも全部そっくりで……
たぶんきっと、重ねちゃってたんだと思う。
だから本当に好きなのかどうかはわからなくて、でも。
――でも。
その言葉を残して、わたしの話は終わった。
レオは次の言葉を待っていたっぽかったけど、わたしはもう話したくなんかなかった。
お兄ちゃんが帰ってくればいいのに――ずっと、そう思ってた。
お兄ちゃんはなんでわたしを置いていっちゃったの?
わたしが悪い子だから、わたしが素直じゃないから。
そんなことを考えても、お兄ちゃんが帰ってくることはなかった。
目からながれる涙がお兄ちゃんのことを思い出させる。
その瞬間、レオがぎゅっとわたしを抱きしめた。
吃驚したけど安心できるその香りに思わずつぶやく。
「おにい、ちゃん……」
「……俺はさ、さつきのお兄ちゃんらしくないところもあるかもしれないけど」
レオが言う。
仕草までお兄ちゃんとそっくりだ。
「――俺が、さつきのお兄ちゃんになるよ」
え?
思わずそう声を漏らした。
照れ隠しのよくに髪をくしゃくしゃするのもお兄ちゃんと似てる。
「だから、その……さつきが不安なときは傍にいるし、さつきが泣いてるときは慰める――だからさ、泣かないでよ」
レオは優しい。
もうお兄ちゃんにしか見えない。
「でも、未花が」
「未花もそのほうが喜ぶと思う」
いいのかな、こんなに甘えてしまって。
そう思いながら今だけは、と思ってレオにぎゅっと抱きついた。
-
レオとさつきはすき。
未花も好きだけどとりあえずこうなった。どうなった。
307
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/12(土) 21:12:53 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
>いちごみるく様
わわ、ありがとうございます!
最初は好奇心で始めたものだったのですが、そう言っていただけるとすっごく嬉しいです!
お世辞でも嬉しいのにお世辞じゃないだなんて……めっちゃ嬉しいですv
更新がんばりますね!
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