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「COLLARS」

1kalro:2011/12/15(木) 18:37:02 HOST:nttkyo288153.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp
ども。kalroです。
この作品が2作目になります。
因みに1作目は「未来と過去」という小説です。そちらもぜひごひいきに。

今回は【色】をテーマとした小説です。
みなさんの好きな色は何ですか?
赤?青?それとも・・・?
今回もあくまでファンタジーっぽいものです。
感想、アドバイスなどお待ちしています。
では・・・「COLLARS」始まります。

2kalro:2011/12/15(木) 18:45:57 HOST:nttkyo288153.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp
〜プロローグ〜

【色】の無い世界なんてものは存在しない。
赤、青、黄、緑・・・【色】は無限に存在する。
ではその【色】はどこから生まれたのだろうか?・・・答えは至って単純だ。
それはこの世界に初めから存在している【自然】、【物質】である。
赤は炎、青なら水・・・といった具合だ。
そして・・・【色】にはその力が宿っているとされている。
【色】を強く愛した人間は心までその色で染まる。
これが世界の真理である。

3:2011/12/15(木) 18:49:36 HOST:zaq7a66c1fa.zaq.ne.jp
kalroさぁぁぁぁん!!!!

お久しぶりです!!!

新作ですか!!!

ではこちらの方も拝見させてもらいます!!!

4kalro:2011/12/15(木) 18:57:56 HOST:nttkyo288153.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp
1、水色の少年

「お前水色なんて好きなのか?女みてぇだな!」
「男なら赤とか黒だろ!水色とかださくね?」
また始まった・・・。
また俺を罵る声が聞こえる。
もうこんな罵声にも慣れてしまった。17年間同じような事ばかり言われ続けたからな・・・。
「・・・別にお前らに理解してもらおうなんて思ってねぇよ。一般論でしか物を捉えられない単細胞が。」
俺は罵声に罵声で返した。この対応も何回もしてきた。
「なっ!!本当の事を言っただけだろうが!!」
これには無視をする。
対応をしたらもっとめんどくさい事になるのを知っているから。
まぁ、俺がこんなにも水色が好きなのは理由がある。
それは・・・
「・・・髪まで水色とか・・・気持ち悪いな!!行こうぜ皆!!」
と、言う訳だ。
俺は生粋の日本人だし、染めた覚えももちろん無い。
聞いた話では生まれた時から水色だったらしい。
一度親が黒に染めようとしたらしいのだが・・・すぐに水色に戻ってしまったらしい。
親には気味悪がられ、友達もいないけどこの髪は俺の命だと思っている。
何故かそう思うのだ。水色が好きなのも同じ理由だ。

5kalro:2011/12/15(木) 19:00:05 HOST:nttkyo288153.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp
燐さん
コメントありがとうございます^^
ずいぶん久しぶりになってしまいましたがこれからもどうぞよろしくお願いします。
ではこれからも読んでいただけると幸いです。
kalroでした^^

6kalro:2011/12/18(日) 16:56:44 HOST:nttkyo288153.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp
「・・・いつか認められるといいな・・・。」
俺の独り言のような呟きは教室の喧騒に消えていった。
今日も孤独でつまらない学校生活を過ごすのか・・・。
友達もいないし、クラスで完全に浮いてしまっている。・・・いじめもある。
だからこんな毎日が俺は大嫌いだった。




「・・・ただいま。」
と、言ってみたものの俺は一人暮らしなのでもちろん返事はない。
両親は5年前に事故により他界。兄弟もいない
今は生活保護を受けて何とか生活している。
「・・・クソッ・・・。もう踏ん切りはついたはずだろ・・・。」
それなのに自然に涙がこぼれてくる。冷たい涙が頬を濡らす。
どうして俺がこんな目に遭わなくちゃならないんだ・・・?
こんな人生で本当にいいのか?
「・・・この水色が役に立てば・・・。」
昔から思ってきた事だ。そして叶わぬ願いだ。
その日は飯も食わずそのまま眠ってしまった。




「・・・見つけた。水色。」
深夜、1人の女がそう呟いたのを俺は知る由もなかった。

7kalro:2011/12/18(日) 17:11:17 HOST:nttkyo288153.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp
2、白黒
「・・・・ん・・。」
朝が来てしまった。またつまらない1日が始まるのか・・・。
と、思っていた。
「・・・ッ!?・・・ここ・・・どこだよ・・・?」
間違いなく俺の部屋ではない。ましてや俺の家でもない。
いや・・・それ以前の問題だ。この部屋・・・
「・・・白黒しか・・・無い・・・?」
さっきまで寝ていたベッドも、この謎の場所にあるイスや机も。
全てが白と黒・・・というよりはほぼ白だった。
白の空間に黒で縁取りしたような・・・不可解な状況だった。
「よぉ。起きたか?・・・っと、混乱してるよなこんな状況じゃ。」
俺の隣では俺と同い年くらいの男がいた。
・・・こいつも・・・全体が白黒なのか・・・?
それは間違いだった。
「・・ん?あぁ。これか。俺もよく分からんが髪だけ色が残っているんだ。言っとくがお前もだぞ?」
そう言った男の髪は確かに色が残っていた。
鮮やかで、燃えるような赤色にその男の髪は染まっていた。
俺は急いで鏡で自分の髪を見てみた。
確かに俺の髪はいつも通り水色に染まっていた。
男とは対照的な、冷たくて、凍えるような水色が鏡に映っていた。

8ライナー:2011/12/18(日) 17:23:43 HOST:222-151-086-008.jp.fiberbit.net
コメント失礼します、ライナーです^^

2作目いっちゃいましたねぇ! 少しコメント遅れましたが^^;
全体的にまとまりがあって良いと思います。

それと、アドバイスで。
・・・ですが……の三点リーダーを2文字の書き方が良いですよ〜。

何かと失礼しました。ではではwww

9名無しさん:2012/03/12(月) 20:31:11 HOST:nttkyo015124.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp
「……君は?」
「俺か?俺は沖田紅(オキタ コウ)だ。お前は?」
「…俺は」
「目を覚ましたかい?これで全員集まったな。」
突然背後から声が響いた。
声が聞こえた方向を見てみると、大柄な男と小柄な男、そして小柄な男とそっくりな少女が立っていた。」
小柄な男の髪は森のように深い緑で、少女は輝く黄色の神をもっていた。
そして一番背の高い大学生くらいの男は黒髪だった。
「ギリギリ間に合って良かった…。君達はまだ知らないから教えてあげよう。何故こうなったのかを…ね。」
「「……………………」」




…その男が言うには、今この世界は白と黒以外の全ての[色]を失っているそうだ。
それも未だに理由は分かっていないらしい。
分かっている事は[色]が失われている事と[色]を消した集団について。

10名無しさん:2012/03/12(月) 20:48:50 HOST:nttkyo015124.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp
「…それを信じろと?」
「あぁ。普通の状況なら信じられんと思うがこれ見たら嫌でも信じられるだろ?」
今俺達がいる場所も、外も、青いはずの空すら白と黒だけ。
確かに信じざるを得ないな。
「…分かったか?今の状況は色で形成されている全てのものが消えている。例外を覗いてな。」
「その例外が…俺達?」
色で形成されているもの全てが消えたのなら俺達も消えているはず。
しかし現に俺達はここに存在している。
「その通り。私達は心の奥底まで好きな色で染まっているんだ。君なら…水色か。髪の色は心の影響を受けやすい。多分生まれた時から水色だったはずだ。そういう人間は稀だ。ここにいる人間はその特別。そしてもちろん私達以外の人間は消えたよ。」
「!?…そんな…。俺の家族も?友達も…?全員消えちまったのか…?」
「………そうだ。」
謎の男はゆっくり頷いた。
紅はがっくりうなだれている。
俺か?
…俺は消えて悲しむ人間がいない。逆もしかりだ。
「…だが…、それが救えると言ったら…君達どうする?」
「「!?」」
色を戻せる?俺達が?
「…勿論やるに決まってる…!必ず失ったものは取り返す…!!」
紅の眼には迷いがない。
髪と同じ赤色の瞳は迷いのないまっすぐな眼をしていた。
だが、俺は冷めていた。異常なまでに。

11名無しさん:2012/03/12(月) 21:04:42 HOST:nttkyo015124.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp
「…俺達に本当にできんのか?言っとくが俺は何の取り柄もない平凡な人間だぞ?今まで誰にも必要とされた事なんか無い。」
哀しいが事実。勉強も運動も中の中。
特技なんかあるわけもない。
そんな俺が世界を救う?…笑えてくるな。
「…ふっ。今までの君ならそうかもしれんな。…もう一度言うが私達は普通の人間とは少し違う。それに気付いていないだけだ。」
そんな事言われてもな…。
信じられん。
「信じられないみたいだな。…仕方ない。論より証拠だ。…樹(イツキ)!見せてやれ。」
「…………!?……俺?」
「何寝ぼけてんだ!あれやってみせろ。」
「………分かった。」
樹、と呼ばれた男が前に出る。
一体なにをするつもりなのか。さっぱり分からない。
「全く…寝ぼけてるんじゃないわよ!双子の私まで恥かく事になるじゃない!」
「……うるさい。」
心底期限悪そうな樹の双子と名乗る少女。
樹もその少女の言葉で機嫌が悪くなっている。
「…喧嘩している場合じゃないだろ?樹。早くやってくれ。」
「………はぁ。」
樹は深いため息を吐いたあと、手を身体の前で重ねた。

12名無しさん:2012/03/12(月) 21:31:10 HOST:nttkyo015124.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp
「…【マジック・プラント】」
そう言い放った瞬間、樹の手から光があふれだし……




手から植物のような蔓が生えていた。
「「……!!!!!!」」
蔓からは棘が生えており、樹はそれを自分の身体の一部の様に操っていた。
「…夢でも見てんのか…?まるで意味が分かんねぇ…。」
激しく同意だ。意味が分からない。
「………………(クスクス)」
樹は俺達の反応が面白いのか口元に笑みを浮かべ笑っている。
「…これで分かっただろ?私達は普通ではないと。勿論君達にも樹がやったような事が出来る。属性が違うだけでな。」
…マジか。
あんなのゲームやマンガでしか見た事がない、
「水色の君…っと、名前を聞いていなかったな。赤色の君もだ。」
「……沖田紅です。」
「では紅。君の属性は火焔。その荒々しい赤髪がそれを示している。」
「水色の君。名前は?」
名前?
あぁ、名前か…。
最初に言っておくが俺は何よりも自分の名前が嫌いだ。
だから…
「名前は捨てた。もちろん戸籍も変えた。両親が死んだ時に。今は名字の「大谷」しか残ってないよ。」
これはまぎれもない真実。
名前は、無い。
「…成程。じゃあ君に名前をつけよう。そうだな…。[水希(ミズキ)]なんてどうだ?」





「「「「……………え?」」」」
「何だ、不服か?捨てるような名前よりはいいと思うんだが。」
この人は……
「水希…か。あの名前よりは数百倍マシだな。…最高の名前です。」
水希。…気に入った。
「それは良かった。今日から大谷水希な。」
未だに他3人は唖然としている。
最高の名前。俺が一番欲しかったものだ。

13kalro:2012/03/13(火) 14:20:25 HOST:nttkyo015124.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp
すいません!!
名無しはkalroの間違いです!

14kalro:2012/03/26(月) 10:37:53 HOST:nttkyo015124.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp
「改めてよろしく、水希。私達はこれから仲間。…家族と思ってくれて構わない。そして私の名前は黒木真人(クロキ マサト)。気軽にマサさんとでも呼んでくれ。」
「…よろしくな、水希。」
「…………よろしく。」
「水希…ね。まぁ、一応よろしく。私は佐伯光(サエキ ヒカリ)よ。」
マサさんが、紅が、樹が、光が俺の仲間…?家族…?
友達はおろか、味方すらいなかった俺に仲間…?
正直涙が溢れて止まらなかった。孤独に涙したあの日と正反対の涙が。
「…あり…がとう。俺の友達になってくれて…。よろしくな…!」
俺が孤独から解放された瞬間だった。
「ちょっと!何泣いてんのよ!女々しいわね!」
光は相変わらず不機嫌そうに腕を組み俺に言ってきた。
仕方ないだろ?嬉しくてたまらないんだ。
「…………水希。…これ。」
樹がいつの間にか俺の隣にいてハンカチを渡してくれた。
「樹…。ありがとな…。」
…本当に光と双子なのか疑問だな。
「…やっと出来た初めての友達だ…。友達ってこんなにいいもんなんだな…。」
「…あんた友達いなかったの?」
「あぁ。水色の顔だったからいじめられててな。友達どころか、教師ですら俺の味方にはなってくれなかったよ。」
消極的な性格になったのもそれが原因だ。
軽い人間不信になった事もある。
「ふぅん…。でもあんた男でしょ?水色が好きって…どうなのよ?水色って言ったら普通女の子じゃない?」

15:2012/03/26(月) 11:10:37 HOST:zaq7a66c14f.zaq.ne.jp
kalros>>

朝から更新お疲れ様ですノシ

一応、全部に目を通して改めてkalroさんの作品は凄いなっと歓心してしまいました。

ただ一つ言いたいんですが…。

セリフの語尾に「。」は要らないかと思います。

参考にするかはご自由になさってください。

ではノン

16kalro:2012/03/27(火) 16:01:03 HOST:nttkyo015124.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp
燐さん>>
コメントありがとうございます^^
いえいえ、趣味で書いてるだけなのでそこまですごく無いですよ;;
そして「。」の件なんですが……
これからも付けたいと思っています。
途中で変えるのは嫌なので^^
ご指摘ありがとうございました。
そしてこれからも[COLLARS]を楽しんで読んでいただけるとありがたいです^^

17kalro:2012/03/27(火) 16:27:49 HOST:nttkyo015124.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp
すいません。誤字です;;
<<14の20行目の「水色の顔」は「水色の髪」です!
申し訳ありませんでした!!

18kalro:2012/03/27(火) 16:49:05 HOST:nttkyo015124.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp
……………あ?
今光は何て言った?
要するに水色が好きなのは変って言ったんだよな?
「…どうした?水希?」
今まで何度も言われていた言葉だが……
とまだ血になった矢先に言われたら苛立ちが半端無いな…。
裏切られた気分だよ。




何だ?この感覚は?
怒っているはずなのに身体は熱くなるどころか……
身体の芯から凍えるこの感覚……。
何かが解放されるような…そんな感覚。
「………………ヤバい。水希から離れろ………!!」
凍えるように冷たいはずなのに不思議と寒くない。
今、自分はどんな表情をしているのだろうか?
「……………」
「み、水希?えっ?」
今俺が思っている事。
俺の中には[怒り]の感情しかなかった。
「!?伏せろ!!!」
「……【ブリザード】」
突如身体から溢れ出す吹雪。
コントロールなんて利くはずがない。
「うぉ!!やべぇ!あいつコントロール出来てないぞ!!樹!止めろ!」
「………それは無理。[植物]は冷気には負けてしまう。(ダラダラ)」
「ちっ!紅!お前が一番相性がいい!ダメ元でやってみろ!」
怒り。憤怒。怒気。それしか残っていない。
もう止めらんねぇよ!!!!!
「俺ですか!?…やるしかないみたいですね…!」
「【熱風】!!!」
紅から放たれた炎の風はブリザードを掻き消し……
俺を巻き込んだ。
「「「「……あ。」」」」
俺の意識はそこで途絶えた。

19kalro:2012/04/01(日) 16:32:57 HOST:nttkyo015124.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp
3、仲間
「…痛い。」
意識を取り戻してから思わず出た言葉がそれだった。
…身体中に包帯が巻かれてる。
「…ぐっ!!何が起きたんだ…?」
…記憶が曖昧でうまく思い出せない。
「…水希!起きたか!」
「紅か…?どうした、そんなに慌てて。」
何故か紅は泣きそうになっていた。
「…水希、覚えていないのか?お前、熱風に巻き込まれて気絶していたんだ。危ないとこだったな。」
………………?
………………!!!
「…紅。俺を止めてくれたんだよな。ありがとう。そしてすまない。怒りで我を忘れてたみたいだ…。面目ない…。」
「あぁ。俺の事はいいんだ。ただ…」
「…………水希。…妹がすまなかった。…目を覚ました所悪いが…、光に会ってくれないか…?…水希に怯えているんだ…。」

20kalro:2012/04/08(日) 17:04:57 HOST:nttkyo015124.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp
「光が…俺に怯えてる…?確かに姿が見えないが…。」
そんなに怖かったかな…?
「あれは怯えてもしょうがないだろう。当事者でない私ですら少し身震いがした。」
「…俺も。」
「…………同意。」
そんなにか!?
「えー、マジで…?」
「マジだ。早く光の所に行ってやれ。怯えたままじゃ話にならん。」
自分は一体どんな表情をしていたのだろうか?
どこまで冷たい眼をしていあたのだろうか。
昔から目つきが悪いとかで不良に絡まれたこともあったな…。
嫌な思い出だ。
「…ちょっと行ってくるわ。」
隣の部屋にいるらしい光に会う為に、俺は痛む身体に鞭打って歩き出した。






コンコン…。
「…光?入っていいか?」
まず入れてくれるのか?
…………………。
広い廊下にはノックの音しか響かない。
やはり怯えているのか…。
仕方ないから扉は無理やり開ける事にしました。

21kalro:2012/04/08(日) 17:29:37 HOST:nttkyo015124.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp
「…悪いが勝手に入らしてもらった。」
「…ッ!!??」
光は俺を見た瞬間、部屋の隅まで逃げてしまった。
扉は樹に開けてもらいました。
「…光?」
気づけば光は小刻みに震えていた。
「…み、水希…。まだ怒ってる…?ごめん…。私が悪かった…。だから…!」
そう言ってる途中も俺の眼を見ていない。
あの、気の強そうな光が泣いている。
「光。俺の眼を見て。もう大丈夫だから。」
「む、無理よ…!怖い…水希の眼が怖い…!!」
…これは重症だな。
ここまで俺の眼がトラウマになるなんて…。
「…俺はもう怒ってないよ…。もうあんな冷たい眼はしない。…だから顔を上げてくれ。」
「…本当に…?」
「本当だ。」
今はキレてないから大丈夫…のはず。
「……………。」
光は無言で顔を上げてくれた。
気の強そうな顔は涙で濡れている。
眼の周りも真っ赤になっている。
「…な?大丈夫だろ?」
「…………。」
光は無言。まだちょっと震えている。
「…まぁ、今はいいからこれから少しでも俺に慣れてくれよ。」
「………気が向いたらね…。」
…光らしい。
そして、俺にとって初めての仲直り。

22kalro:2012/04/15(日) 16:38:11 HOST:nttkyo015124.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp
「…解決した。」
光が俺を怖がらなくなったのでひとまず解決と言えるだろう。
それにしても…以外だったな。
まさか皆が俺なんかにビビるなんて…。
まぁ、偶然だろ。
「おう。お帰り。結構早かったな。さて…まずはこれだけ説明しておこうか。君達の能力についてだ。」
「やっぱり、各々で違うんですか?」
「あぁ。色にはそれぞれ属性がある。髪色から分かる通り、
樹は[森]
紅は[火焔]
光は[雷]
私は[重力]
そして、水希は[水]と[氷]だ。
何故、水希だけ二つの属性なのか?それは水色が混色だからだ。青と白を混ぜた色。青は[水]、白は[氷]だからな。」
氷って水色のイメージが強いけど白なのか…。
「問題はこっからだ。もちろん色を奪った集団は色を奪ったのだから能力が使える。これに対抗する力を身につけないといけない訳だ。私と樹は3年ほど前からこの力を使えたから、問題ないが…紅と水希は能力が暴走しかねない。さっきみたいにな。」
「…た、確かに。」
「…と、特訓しなきゃ。」
「そう言う事だ。幸いあっちにも私達の事は知られていないはず。」
それにしても…水と氷の2つの属性か…。
俺に使いこなせるのか?

23kalro:2012/04/15(日) 16:55:26 HOST:nttkyo015124.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp
「能力を使うにあたって、一番大切な事はイメージだ。というか、イメージすれば大体の事が出来る。」
確かに、紅もいきなり使えていたな。
俺は暴走していたが。
「能力…[COLLARS]は何もただ、自然攻撃ができる訳ではない。うまくイメージすれば自分の底に合ったものならある程度何でも創ることができる。」
「こんな感じにね。[雷刃]。」
一瞬光ったと思ったら、光の手には一振りの刀が握られていた。
簡単に説明するならば、ライトセイバーの刀版のようなもの。
「光は持っていて熱いとかないのか?」
「[COLLARS]は使用者には影響がないみたいなの。」
「うへぇ…、とんだチート能力だな。」
「いや、それでも万能ではないぞ。使いすぎると前兆無しに意識を失う。戦闘中にこうなったら間違いなく死ぬな。制限して戦わないとならないんだ。」
「マジかよ…。」
突然意識が途絶えるって…。死と隣り合わせじゃないか…。
「よし、じゃあ、何か創ってみな。そうだな…。創ったら私と戦闘してみるか。」
「「えっ!?」」
マサさんと実戦練習!?
下手したら殺されかねないような…?
「やってやりますよ!![焔刀]!」
紅は真っ赤な刀を創りだした。
俺は…うん。あれにしよう。

24kalro:2012/04/15(日) 17:21:46 HOST:nttkyo015124.tkyo.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp
「[水氷双刃]!!」
右手には水の短刀が。
左手には氷の短刀が。
すげぇ…本当に出来た…。
「…ほう。日本刀と双剣か。いいだろう、かかってこい。」
「え?マサさんは何か創らないんですか?」
「これで充分だ。殺す気でかかってこい。」
そう言われても…。
「いいんですか?行きますよ!!」
紅は既にマサさんへ向けて刀を振り下ろしていた。
「…なかなかいい斬撃だな。」
だが軽々とマサさんにかわされてしまった。
その後も何度かマサさんに斬りかかるものの、全て軽くかわされる。
「はぁ、はぁ…。全然当たる気がしない…。」
「紅。ちょっと大振りしすぎだ。次は…水希、来ないのか?」
「行きますけど…、いや…行きます!!」
正直剣術なんて使える気がしないけど、取り敢えずやってやる!
まずは、水刃でマサさんの右腕を狙う。
案の定簡単に避けられるが、それは想定内。
避けた所に氷刃ですぐさま追撃。
これを繰り返していけば…一撃くらいなら当たるはず!!
「…こりゃ、結構辛いね。一撃一撃正確に狙ってきてる。ちょっと危ないから能力使うぞ。」
後…後少しで当たる…!!
ここだ!!
「残念。[グラビド]」
「なっ!?逸らされた!?」
完璧に捉えたと思っていたのに、急に重力が強くなり外された。
俺の一撃は空を斬り、床を叩いた。
「くっそ…。」
「ハハハ!二人とも充分戦える力量を持ってるな!これなら大丈夫だろう。」
マサさん…強すぎる!
俺の持てる力全てぶつけたつもりなのに…。


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