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罪アル者ニハ制裁ヲ

8檸檬 ◆d1VCPBtspk:2011/11/11(金) 16:16:38 HOST:PPPbm5327.kanagawa-ip.dti.ne.jp
「ねぇ。」

後ろから声をかけられた。
一応振り向いてみると先ほどの本の破片をいくつか渡された。
ちらっと顔を見てみると担任の恵梨先生だった。

「これ、進藤さんの本でしょう?
 だめじゃない。自分のゴミは自分で片付けなくちゃ。」
「あ…はい。すみません。気をつけます。」

特に表情を変えずにそう答えた。
すると先生は満足したのか教卓に座って書類を見ていた。
何も知らないくせにのんきな先生だ。
私は先ほどのビニール袋に本の破片を入れた。

「ねぇ。」

また女の声。…綾の声だった。
どうせまた何かするに違いない。
綾を思い切り睨んでやろうかと思った時。
上からボロボロになったお守りが降ってきた。

「これ。さっきゴミ箱で見つけたんだけど。」

そのお守りを見たとたんに私は頭が真っ白になった。

「え……………、そんな……。」

絶対に違う。
これをボロボロにしたのは綾。
そのお守りをつけていたカバンを見るとお守りは消えていた。
正真正銘目の前にあるお守りは私の物だ。

「大切そうにしてたのに…、残念ね。」

後ろで他の女子がクスクス笑っている。
残念なんかじゃ済まされない。
ボロボロにされたお守りは私の中で今、1番大切なものだった。
お父さんが一番最後にくれたもの。

お父さんは優しくて、頭もよくて、私に何かあったらすぐ気付いてくれて…
でもお父さんは私がいじめられる原因の一つでもあった。

「……。」
「そんなに残念だったんだ。本当にごめん。」

気がつくと私は泣いていた。
いじめられてから初めて。
そしていじめられてから初めて復讐してやろうとも思った。

「そんなに大事だったんだね…。」

いい子ぶらないでよ…

「本当にごめん!!」
「ううん。いいよ別に。」

いいわけがない。
絶対に許さない。

絶対ニ…絶対ニ…復讐シテヤル。


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