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青年と奴隷と預言書と
2
:
御陵
:2011/11/01(火) 19:57:06 HOST:wb005proxy05.ezweb.ne.jp
第一章 少年奴隷
元の色が分からないほどくすんだ砂塵避けのローブを身に纏い、最低限の荷物を肩に抱えて栗色の髪をした長身の男、エリオット・クライブは雲一つない晴れ渡った空を見上げて吐息をもらした。
『神の預言書の探索を命ずる。手にするまでは敷地に入ることまかり成らぬ』
広いこの世界で、あるかも分からない預言書を見つけるのは至難の技だ。途方もなく、いつ終われるのか分からない任務。
任務と称した呈の良い追放なのだと言い渡された瞬間に理解した。いっそのこと懲戒免職を言い渡してくれたほうが気が楽だったに違いない。
エリオットは荷袋を持ち直して、辿り着いたばかりの街の中を歩き始める。
街を歩いていて目につくのは、やはり貧富の差だった。鼻につく異臭と、痩せこけた住民。一日の食事もろくにできない状況なのが一目瞭然だ。住む家もないのか新聞や段ボールを下に敷いて生活している者も少なくなかった。
そんな生活を強いられている者がいるというのに、好き放題に金を湯水の如く使う貴族や皇族。金が権力の証と言わんばかりの世界。差別も頻繁に起きているのをエリオットは知っている。
どんなに努力をしても、所詮は金。金を持つ者が勝つ世界。理不尽なルールが当たり前になっていることが問題なのだとエリオットは嫌になるほど経験していた。
その集大成が、この状況だったりする。
「さて、どうしたものか……」
手がかりも何もない状態でできることはなく、途方にくれていたエリオットの目に入ったのは、奴隷商の姿。こういった世界では日常的に行われている光景だ。奴隷制度がなくならない限り消えることのない仕事だろう。
なんとなく奴隷商の隣に置かれた檻の中にいる奴隷たちが気になってエリオットは足をそちらへと向けた。
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