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光という名の暗い世界。

4ニコ ◆H81ulOUr/g:2011/11/01(火) 18:32:42 HOST:i180-63-6-226.s41.a021.ap.plala.or.jp

*第一章†俺は俺で君は君*

「結やーん!! おっはよー!!」

 朝から、高めの声が聞こえ俺に勢い良く体当たりをしてくる。結やん、と言うのは……否定したいが俺のことであろう。俺、月音 結葉(ツキネ ユイハ)の最近のあだ名は結やん、である。

「む、結やん髪ボサボサだよっ? 駄目だよ、目つきでさえ怖いんだから不良さんだって思われちゃうよっ」

 黒いボサボサした髪を見て、幼馴染の瑠璃音 小鳥(ルリネ コトリ)は頬を軽く膨らませ、怒ったような表情をした。
彼女の言う通り、俺はボサボサの黒髪をしいて、つり目の黒い瞳に、着くずした制服。それだけで不良っぽく思われてしまうのかもしれない。
 そんな俺と対照的に、小鳥は腰まである茶髪のサラサラのストレートの髪に、クリッとした大きなライトブルーの瞳をして制服には少しアレンジを加えてある。

「小鳥。結やんはヤメロ。な?」
「えーっ? じゃあねっ、結葉……結くんって呼ぶー」

 語尾に音符が付き添うな程ハイテンションな彼女は朗らかな笑顔を浮かべほかの友達のところへと去っていった。


○ ○ ○ ○


 結くんを、困らせるようなことだけはしたくない。
結くんは、私にとって大事な大事な、たった一人の“本当の”お友達だったんだもんね。

 お母さん、大好きです。
 お父さん、大好きです。
 弟の、羽鳥(ハトリ)も大好きだよ。

 それは……私だけ、なの……っ?
高校生活して、楽しく過ごせたら良いねっ、て電話したよ……?
お母さん達とまた暮らしたいなぁって!!
私には才能があるからって、言ったよね?



でも………。 どう、してっ?



○ ○ ○ ○


はぁっ、と俺はため息を付き音羽学園(オトバネガクエン)と書かれた校門をとおり校舎に入る。
校舎は掃除が綺麗にしてあって、ピカピカと輝いている。俺はその廊下を躊躇いもなく歩いて行き、美術科、音楽科、普通科、デザイン科と四つに分かれた廊下で立ち止まり、美術科と指されてある方向へと歩いて行く。二年D組、と書かれたプレートのドアを開ければ「うぃーす」や「おは、月音」などの声が上がり、わらわらと俺の周りに集まってくる。背丈が大きなお陰で注目を浴びている俺だが、ソコだけ少し得をしたと思っていたりする。

「なーなー昨日のあれ、みた? ニュースだけどよ」
「あー、アレなぁ?」

 俺の右隣と左隣にいる、一番親しい友人、茶髪と黒髪の混ざった奇妙な髪をショートカットにし、赤の瞳をした右隣の少年、暁 鈴音(アカツキ スズト)と、イタリア人と日本人のハーフの息子で日本語ペラペラな、金髪を太股まで伸ばし銀の瞳をした左隣の少年、ルチアーノ=クローチェが複雑そうな表情で言った。

「何?」
「ヤ、あのー……。瑠璃音小鳥の両親と弟が殺されてたって」
「うちの学校、寮生活だから瑠璃音自身もあまり知らなかったらしいが……」

 ルチ(ルチアーノ)と、鈴音がおずおずと申し訳なさそうに言った。


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