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テレプシコーラは踊り続ける。
7
:
蜥蜴
◆VgiTQ6FNm6
:2011/09/21(水) 17:05:00 HOST:p105.net220148059.tnc.ne.jp
≪part3/ミーティング≫
「――というわけで、次の演劇の内容は舞姫と王子の恋って感じでいこうと思う!」
長机をバンっ!、と叩いて威勢よく部長の榛原さんがそう言った
顔には自信満々の笑顔を浮かべている
私は正直ありきたりすぎるんじゃないか…と思ったが口には出さないことにした
「うーん…ありきたりだけど良いんじゃない?、せっかく連れて来た円華を目出させられるし」
杏寿さんは小さくうん、と頷くと
「で、みんなはどうなの?」
と周りの部員達に問いかけた、
「僕は良いと思うよ、せっかく来てもらったんだしね」
「そうよね、柏木さんが良いなら良いと思うわ。」
「俺も同感ー、どうなの円華ちゃん?」
皆いっせいに私のほうを見る、思わず目を逸らしてしまう
(こんなに注目されるのなんて何時ぶりだろう)…少し新鮮だった
「…私は、皆が良いならしそれで良いです―」
曖昧な返事、曖昧な返事は時に周りを酷く苛つかせると知っていても
”やりたい”とも”やりたくない”とも思えないのでそう言うしかなかった
「円華…嫌なら嫌って言って良いんだぞ?」
曖昧な私の返事に対して部長が心配そうにそう声を掛ける
(決して嫌じゃない…)
「嫌じゃありません…大丈夫です」
首を横にふって返事を返す
「そっか…良かった、じゃぁ、宜しくな円華!」
私の手を強引に握って嬉しそうにそういう榛原さん
(どうしてそんな嬉しそうなのか私には理解できなかった
だって私の曖昧さに普通は呆れてしまうだろうと思っていたから)
「さて、舞姫の承諾も得たし次は王子役だな!」
部員の男性陣の目の色が変わる
どうやらこの部活では女の子がお姫様役をやりたいのと同じくらい
男の子は王子様役をやってみたいらしい
「僕なんかが相応しいと思いますよ?」
「いや、お前駄目だろ、王子っていうより小人だ、小人」
確かに前者は背も小さく王子とはいえないだろう
「部長ー、俺なんかどう?、円華ちゃんとの身長差もバッチグーだと思わねぇ?」
部長である榛原さんに一人の男性部員がそう問いかける
「いーや駄目だ、お前なんかに王子役はやらせねぇ!」
「今回はそうだな…アンジェ、お前王子役やってくれ」
「えっ!、あたしが…?」
「そうだ、アンジェなら安心して円華を任せられるからな、他の部員だとなんか申し訳ねぇし」
杏寿さんは困ったような顔をするが王子役を承諾した
他の部員達もアンジェなら…と引き下がる、むしろ
「アンジェさんが王子様役なら私が舞姫役やりたいよー…でも踊れないし仕方ないか」
という者まで居た
それくらい杏寿さんは見た目も綺麗だし演義も凄いのだろう
「……宜しくお願いします杏寿さん」
王子役になった杏寿さんにもう一度宜しくお願いしますとお辞儀をした
(足を引っ張らないようにしないと…)
演劇など始めてなのに重要な役にされ少し不安になる
これからどうなる事やら…
ミーティングが終わり今日の部活はここまで、帰って良いと言われ荷物を持ち部室を出る
「明日また来てくれ…か」
校舎を出て帰り道を歩く途中帰り際に部長や部員達に言われた言葉を思い出す
歓迎されたのも心配されたのも感謝されたのも久しぶり
今日は何時もとは全然違った一日だった…
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