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地に堕ちる天使(アンジェ)

6胡蝶 望愛 ◆ptZpvaYoVY:2011/10/12(水) 22:16:58 HOST:i60-42-227-175.s41.a021.ap.plala.or.jp

*第一章†星条学園*

「夕雨? 今日は俺、早く行くからな?」

 家で紗麻は、夕雨の部屋の外からドアを微かにノックし声を掛ける。が、夕雨の返答はなくシン、とし紗麻は諦めたように階段を降りて行った。

「セリシー? ん、紗麻か……。夕雨は?」

「……母上様は二階にいる。呼びに行け」

 耳がピンッと立つ、エルフ、明確に言えば人間とエルフのハーフである、ハーフエルフの少年、銀髪をツン、とさせ、肌色のブレザーに白いYシャツ、黒いズボンをはくジェリア=グリシェリィは夕雨達の母親、セリシア=カザフィスティの幼馴染である。

「……ん……。あれ、シャーリー? リーユは?」

「シャーリーつーのヤメロ。俺は、紗麻だ」

 ガタン、ガタン、と微かな階段を降りる音と共に、セリシアと紗麻の口論は激しくなる。取り合えず、ジェリアは落ち着くように説得し「ったく……お前はガッコ行くんだろ?」と微かにため息をつき、紗麻はフンッ、と鼻で高らかに笑うとバンッとドアを強くしめ出て行く。

「……ママ?」

 キュッと唇を噛み締めながら潤んだ瞳を母のセリシアに向ける。夕雨につがれるエルフの血は、紗麻にはつがれていない。どういう仕組みか夕雨にも分からないが、事実である。


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