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蝶が舞う時・・・。
158
:
燐
:2011/08/26(金) 18:06:35 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
私は…空洞の出口に着くと、そこは何処かの家の庭だった…。
私は…青い蝶に導かれたのか……。
でも……。どうして……?
「月隠さん…!?どうして此処に…!?」
私が後ろを振り向くと、誠が居た。
「えっと……抜け出して来たんです……。牢屋から……。」
私はさらりと言った。
誠は、驚愕していた。
「神頼さん…。あの…。」
私は尋ねた。
「とりあえず、ここじゃマズイから俺の部屋に来い。親も今は不在だしな。」
誠は言った。
「えっ…で…でも…。」
私は、戸惑った…。
「とりあえず、来いよ!」
誠は私の腕を掴み、走り出した。
誠は縁側で靴を脱ぎ、私を家に招きいれた。
「お前…怪我してるじゃねーか。」
誠は私の頭を触った。
「や…止めてください…。傷が開きますから…。」
私は、抵抗した。
「じゃ、俺が手当てしてやる。縁側で座ってろよ。」
誠はそう言うと、部屋の奥にあるタンスに向かった。
159
:
燐
:2011/08/26(金) 19:03:35 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
私は縁側に座り、足元を見た。
所々レギンスが破けていた。
それも…そうか……。
てか…私…外に出てる……!?
自由になれた……?
そうなのかな……。
私は少し嬉しくなった…。
数分後―――……
誠が救急箱を持ってきてくれた。
160
:
燐
:2011/08/26(金) 19:40:13 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
誠は、私の隣に座った…。
私は……少し…緊張した…。
私には怪我や傷を手当してもらった事がなかった。
そもそも…家の中に居るから、怪我をする事はなかった。
「まず…腕だな…。とりあえず、消毒して、包帯を巻いとくよ。」
誠は…私の右腕に…消毒液をかけ、包帯を巻いた。
30分後――……
私の腕と足は包帯が巻かれていた。
「あ…ありがとう…。誠さん…。」
私は礼を言った。
「いいよ。てか、お前今、俺を下の名前で呼んだよな。」
誠は言った。
「うん…。呼んだけど…。それがどうかしたの?」
私は首を傾げた。
「だってさ…お前さ…いつも、俺を苗字で呼んでたしな。気にかかっていた。」
誠は照れくさそうに言った。
「たしかに…そうだよね…。でも…気にしないよ。」
161
:
ゆめ
:2011/08/26(金) 19:47:58 HOST:p2152-ipngn100102niho.hiroshima.ocn.ne.jp
感動w
162
:
燐
:2011/08/26(金) 20:11:33 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
ゆめ>>感動は涙流さないと感動と言わないものだよw
163
:
燐
:2011/08/26(金) 21:39:38 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「そうか。ありがとう。」
誠は笑った。
「俺さ…高校は通信制なんだ…。」
誠が急に言った。
「通信制…って?」
「要するに、高校に行かなくても家に課題が届くって言うかさ…。」
誠は言った。
「そうなんだ。でも…何で?」
私は誠に聞いた。
「俺さ…生まれつき心臓が悪くてな…。あんまり友達とか出来なかったんだ…。
でも、俺はお前に会えてとても嬉しかったんだ!」
誠は言った。
「そうだったんだ…。じゃ、体調とかいい日には…学校に通ってるの?」
「うん。でも…ほとんどが早退だけどな。」
164
:
燐
:2011/08/26(金) 22:37:23 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「そ…そうなんだ…。」
何やってるんだろう…私…。
誠の気持ち…全然…分かってなかった…。
「何泣いてるんだよ…。」
誠が言った。
私は、手元を見ると、上から雫が落ちてきた。
私…何泣いてるんだろう……。
最近は泣いてばっかだ…………。
「ううん。何か似たような人って居るんだな。って思って。」
私は…。笑った。
「お前ってさ…。笑うと可愛いよな。」
誠が言うと、
「えっ……。か…可愛くないよ…。でも、嬉しい。」
私はまた笑った。
「似たもの同士か…俺達って…。」
「えっ…。そうかな?」
私は照れくさそうに言った。
「絶対そうだぜ。な、俺達ってもう友達だよな。」
誠は言った。
「当たり前だよ…。」
私は立ち上がった。
そして…私はワンピースのポケットから兎のキーホルダーを取り出した。
キーホルダーを持つと、私は誠の横に座った。
「私…この御守りのおかげで…弱い心を強くしたんだ…。誠のおかげだよ。」
私は笑いながら言った。
「俺のおかげじゃないよ。お前が勇気出したから、その弱さを克服したんだ。
お前は強い人間だよ。」
「誠も強い人間だよ。病気なのに、そんなに明るく振舞ってるんだからさ。」
私は言った。
「えっ…。」
誠の心が揺れ動いた。
「…?どうかしたの…?」
「ううん。何でもないよ。」
誠は首を振った。
「言って。私が力になるから!友達は隠し事とかなしだよ。」
165
:
燐
:2011/08/27(土) 15:38:33 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
私は言った。
「俺さ…もうすぐしたら、入院するかもしれないんだ…。」
誠は言った。
「そ…そうなんだ…。」
私は、ワンピースの裾を握った。
泣いたら駄目…。誠を悲しめない為にも…我満しなきゃ……。
私は…。何て無力なんだろう……。
「月隠さん…?」
誠の声に私は振り返った…。
「あ…すみません…。聞いていませんでした…。」
私は誤魔化した。
「月隠さん…。少し聞きたい事があるんだけど…。」
誠は言うと…。
「うん。いいよ。何?」
私は、真剣な顔で誠を見た。
166
:
燐
:2011/08/27(土) 16:25:00 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「……。その……。やっぱ…止める…。」
誠は恥ずかしがりそうに言った。
「何?気になるんだけど…。」
私は首を傾げた。
ふと、誠は私の手を握った。
「誠さん……?どうかしたのですか…?」
私は言った。
「あのさ…。お前の事さ…夜那って呼んでいいか?」
誠は言った。
「えっ…。」
「お前に改めて聞きたかったんだ…。ずっと前なんかさ…話も聞いてくれなかったからさ…。」
誠は言った。
「あ…。そうだったよね…。」
誠…引きずってたんだ……。なのに…私……。
「いいよ…。じゃ、私も誠って呼ぶね…。」
私はにっこりと笑った。
167
:
燐
:2011/08/27(土) 17:02:56 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「ありがとう。ところでさ…夜那。さっきから気になってたんだけど…。
その青い蝶は…何なんだ?」
誠は私の左肩に止まってる蝶に指を向けた。
「…。この蝶は私を助けてくれたんだ…。」
私は、左手の人差し指を取り出した。
青い蝶は私の人差し指に止まった。
「夜那を助けてくれたのか…。ありがとな。蝶さん。」
誠は蝶に話しかけた。
青い蝶は私の手を離れ、誠の右肩に止まった。
「…。通じたみたいだね。蝶に。」
私は、言った。
「うん。なぁ…。夜那。もし、俺が死んだらお前どうする気だ?」
誠はふと言った。
「えっ…。何でそんな事言うの…?死ぬつもりなの…?」
私は、誠の手を両手で握った。
「そんな訳じゃねーけど。人っていつか死ぬもんだろ。だからさ…。」
誠は半笑いながら言った。
「死なないで…。死んだら、皆、悲しむよ!!私だって…最初は死のうって思ってたんだよ…。
でもね。誠が私に会いに来てくれたから…。少しは変わったんだよ…。
なのに…。死んじゃうなんて…。嫌だよ…。」
「夜那…。でも…俺には、余命ってものがあるんだ…。後、何年生きれるか…
分からないからな…。」
誠は俯いた。
「そんな…。でも…そうだよね…。貴方は病気なんだから…。
しょうがない事だよね。」
私は…泣きながら、納得した。
「……。でも…その事は以前から考えていた…。でも、俺はなんとしてでも
生きる。大切な存在が出来たから……。」
大切な存在……?誰の事……?
「そうなんだ…。で、大切な存在…って?」
私は誠に尋ねた。
「お前だよ。夜那…。」
誠は優しくそっと呟いた。
「私…?何で…?」
あれ…?
胸が熱い……?
何でだろう……。
病気かな……?
私は思った。
「俺…お前の為に生きるからさ。お前も死ぬなよ。」
誠は笑った。
私の為……?
どうして……?
たしかに…私も誠の為に生きるって決めた…。
でも…それとはまた違う感情かな……?
分からないよ……。
168
:
燐
:2011/08/27(土) 17:24:04 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「誠。どうして…私の為なの…?」
私は訳が分からなくなった。
「……。それは…。言われないけど…。」
誠はそっぽを向いた。
「そっか……。」
その時。誠の肩に止まっていた蝶が離れた。
そして…私の所に来て、私のはめている手錠の前で止まった。
青い蝶は…私の手首についている手錠の鍵穴に入り込み、ロックを解除した。
ロックが解除されると同時に、手首の手錠が外れた。
私は手錠を外した。
青い蝶は、同じく戻ってきて、今度は私の足首の手錠の鍵穴に入り込み、ロックを解除した。
同じく、ロックが解除され、私は、手錠を外した。
青い蝶は…手錠の鍵穴が解除されると、戻って来た。
そして、私の左肩に止まった。
「この青い蝶…凄いな。一瞬で手錠のロックを解除するんだしな。」
誠は、驚愕した。
「ありがとう…。でも、この蝶…。どこから来たのかも分からないんだ…。」
私は、言った。
「帰る場所がないのか。じゃ、一層、お前のパートナーにしちゃえばいいんじゃね?」
誠は、冗談半分で言った。
「パートナー……か。」
「でも…今のは冗談だしな。気にすんなよ。」
誠は言った。
「うん…。」
そう言えば…兎のキーホルダー返さなくていいのかな…?
169
:
燐
:2011/08/27(土) 20:01:27 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「誠…。これ…返す……。」
私は兎のキーホルダーを誠に見せた。
「それは俺からのプレゼントであげたんだ。貰っていいんだよ。」
誠は言った。
「そうなんだ…。じゃ、貰うね。」
私は…キーホルダーをワンピースのポケットに入れた。
「じゃ、私そろそろ行くね。」
私は、立ち上がった。
170
:
燐
:2011/08/27(土) 21:04:24 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「何処に行くんだ?」
誠は尋ねた。
「戻るの。牢屋に。」
私は言った。
「何で…!?」
誠は言った。
「だって…。怖いんだよ…。お母さんさ…。意気地な人だから…。
何するか分からないんだ……。」
私は震えた。
「なら…。逃げればいいんだよ…。お前…。ホントは逃げたいんだろ?」
誠の図星に私は…黙ってしまった。
「逃げたいけど…。逃げられないよ…。私はお母さんの人形だから。」
私は誠に言った。
「人形…か。お前は母親の言いなりか?」
「…うん。怖いから…。言いなりになるしかないんだよ…。」
私は、再び、誠の横に座った。
「お母さんは…私を物しか思ってないんだよ……。」
171
:
麻実
:2011/08/27(土) 21:21:13 HOST:i121-118-203-47.s10.a045.ap.plala.or.jp
ヤッホー!!
読んだよ!!
よなちゃん可哀想・・・。
燐頑張ってね!!
172
:
燐
:2011/08/27(土) 21:23:35 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
麻実>>ありがとうw
173
:
燐
:2011/08/27(土) 21:27:41 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「でも…俺はお前を一人の女として見てるから!!だからさ…。」
誠は必死に言った。
「でも…誠…。私……。」
私は言った。
174
:
燐
:2011/08/27(土) 21:38:47 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「俺さ…ずっと前からお前が好きだった…。」
誠はふと言った。
「えっ……。」
私は硬直してしまった。
誠が私を…好き?
好き……って何だろう?
「誠…。好きって何?」
私は何の躊躇いもなく、言った。
「お前に惹かれたんだよ…。出会った時から好きだったんだ…。
いつか、お前に言おうと思ってたけど、勇気が出せなくて…。」
誠は頬を赤くして言った。
「そうなんだ…。でも…。今はそんなの考えられない…。
返事…は今度でいい?」
私は俯きながら言った。
「うん。いつでも待ってるから。」
誠は微笑んだ。
何か気まずい空気……。
どうすればいいのかな……。
「お前さ…。ずっと此処に居ろよ。」
誠が突然、言った。
「えっ…。でも…。」
私は戸惑った。
「お願いだからさ!」
175
:
燐
:2011/08/28(日) 11:56:38 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「何で…?」
私は訳が分からなかった。
「俺…。お前と喋っていると、楽しんだ。俺には身寄りとかないからさ。
ずっと一人だった…。今は、里親が居るから、マシだけどな。」
身寄り……?
じゃ、誠は……。
孤独なの……?
「貴方は一人じゃない…。孤独でもないんだ…。私…。
誠と共に、前に進む!一緒に頑張ろうよ!誠。」
もう私は一人じゃない……。
今こそ本当に自由になる為に、戦うんだ……。
「夜那…。そうだな。お前の言う通りだ。俺もお前と共に戦う。」
誠も決心した。
私と誠は握手を交わした。
176
:
燐
:2011/08/28(日) 12:21:24 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「そこまでですよ。夜那さん。」
横からお母さんの声がした。
私は振り返ると、お母さんが立っていた。左手には、小型の斧が握られていた。
どうして…此処が……?
「夜那さん。貴方は脱走をしたのですね。そんな事しても無意味ですよ。」
お母さんは嘲笑いした。
「貴方の身体には、GPSが埋め込んであるのですから、逃げられないのですよ。」
GPS……!?
そんな物が私の身体の中に………?
私は、胸を掴んだ。
「どうして、夜那さんにそんな物を埋め込んだのですか…?」
誠は、お母さんに尋ねた。
「当然ですよ。彼女を売るのですから。」
売る……!?
私を……!?
どうして……?
「ある者と約束したのです。彼女を売れば、私の借金をチャラにしてくれると。」
お母さんが……借金!?
そんな……。
「その為には育てなくてはいけなかった。だから、私は金…借金の為に
彼女を育てたのですよ。貴方が7歳の時です。」
お母さんは真実を口にした。
私は…身体の力が抜けた。
「さぁ。夜那さんを渡してください。誠さん。」
お母さんは手を差し出した。
「……。お断りします。」
誠は断った。
「あら。何ででしょうか。この娘を売れば、貴方の手術費も差し上げますよ。
貴方の病気も直る可能性もあるのですよ。」
「…。俺は別に病気が治らなくてもいい…。ただ、夜那だけは売るな!
彼女は物じゃない。一人の人間として。見ていただけないでしょうか。」
誠はお母さんに向かって土下座した。
「……。嫌です。夜那さんはただの奴隷に過ぎません。私の運命も懸かっているのですから。」
お母さんは反発した。
「自分の借金の為に、夜那はどうでもいいって言うのかよ…。ふざけるな!
コイツは…。夜那は…。アンタの我侭の為に、ずっと我満して来たんだ!
苦しい時も…。悲しい時も…。母親の代わりでも、アンタなら分かるだろ!」
177
:
燐
:2011/08/28(日) 20:44:31 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
誠はお母さんを睨み付けた。
「誠さん…。貴方、夜那さんに惚れているのですか。でも、残念でしたね。
運命は変えられないのですから。」
お母さんはさらりと言った。
「そんなの間違ってる…。自分の運命は自分で決める!人が決める運命なんて…
そんなの偽りだ!お母さんはいつでもそうだった……。私を道具扱いして…。
嘲笑っているようにしか見えない!」
私は…。立ち上がって言った。
178
:
燐
:2011/08/28(日) 21:03:16 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「おい…。夜那…。大丈夫なのか…?」
誠は私を心配しながら、私に近づいた。
「これぐらい平気…。ありがとう…。」
私は誠に礼を言った。
「私…。あの家を出て行く。」
私はふと言った。
「生意気なガキが何を言ってるのですか?これで殴りますよ。」
お母さんは手に持っていた、斧を持ちながら、私に近づいてきた。
どうすればいいの……。
「ビビッているのですか…。今楽にしてあげますよ。」
お母さんは私に向かって、斧を振り上げた。
179
:
ライナー
:2011/08/28(日) 21:17:38 HOST:222-151-086-011.jp.fiberbit.net
どうも、久々のコメントですが、またまたタブーが……^^;
この前言った、「……」ですが、これの使いすぎは行けません。
三点リーダーですが、これを多用してはいけない訳は、文章のテンポが悪くなります。
こういった小説なので、少しは仕方がありませんが多すぎると本当にここで表現したい!と思った部分で「……」を使っても読者は分かってくれません。
もう少し使う場面を絞らないととてもテンポの悪い小説になるので気をつけましょう!
180
:
燐
:2011/08/28(日) 21:23:15 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
ライナーs>>そうなんですか・・。
分かりましたw
アドバイスありがとうrym(__)m
181
:
燐
:2011/08/28(日) 21:32:16 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
私は目を瞑った。
その時。私の上に何かが覆いかぶさった。
「……!!!?」
お母さんの持っていた、斧が地面に落ちた。
私はそっと目を開けた。
「お父さ……ん……。どうして……。」
私をお父さんが守ってくれた………。
どうして……。
私を無視していたのに……。
「夜那。無事で良かっ…た…。」
お父さんは倒れた……。
「お父さん……。どうして……。」
私はお父さんの手を両手で握った。
手が冷たくなっていた。
「ごめんな…。お父さん…。お前も守れなくて……。臆病な父さんでごめんなぁ…。」
私は、お父さんの右手を握り締めた…。
お父さん……。
私の眼から涙が溢れてくる。
拭いても、拭いても、止まらない。
「お父さん……。死なないで……。死んだら…。私…。たった一人の身内を失うのに…。
嫌……。お父さん……。」
私は握り締めながら、泣き崩れた。
「お前には…未来があるんだよ…。生きなちゃ…いけねえだろ?
お前は…。一人じゃないんだぞ。父さんも居るし…。誠さんも居るじゃないか…。」
お父さんは私を見て、笑っていた。
お父さんの頭から血が流れる。
「誠さん。」
お父さんに名前を呼ばれ、誠は我に返った。
「はい。」
お父さんは笑って、最後にこう言った。
「夜那を頼む。お前なら任せられる。」
お父さんの息が荒くなっていった。
「……。」
誠は答えない。
「お父さん。私…。」
私はお父さんに尋ねた。
「大丈夫。お前は一人じゃない。」
それが、お父さんの最後の言葉だった―――…
「お父さぁぁぁぁん!!!!」
私は、お父さんが息を引き取った瞬間、空に向かって、泣き叫んだ――…。
182
:
麻実
:2011/08/29(月) 12:58:23 HOST:i121-118-203-47.s10.a045.ap.plala.or.jp
おお!!
すごい展開w
Gpsが埋め込まれてるってこわw
それでころすとか最低やw
110番通報せなw
燐頑張ってね!!
183
:
燐
:2011/08/29(月) 13:08:35 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
私は、お父さんの亡骸にしがみついた。
離れたくない。
ただ、それだけだった。
「哀れな男ね。自分を犠牲にして娘を守った。馬鹿な男。」
お母さんは他人事のように言った。
お母さんは、服のポケットから煙草を取り出し、火を付けた。
お母さんは私に近づいて、地面にあった斧を掴み、私に振りかざした。
184
:
燐
:2011/08/29(月) 13:09:11 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
麻実>>ありがとうw
うん・・ま、しゃーないなw
185
:
燐
:2011/08/29(月) 14:58:06 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
私は、お母さんの振りかざした斧を見事、よけた。
斧は地面に突き刺さった。
お母さんの吸っていた煙草が地面に落ちた。
その時。お母さんの腕に手錠がかけられた。
お母さんの後ろには、警官らしい人が3人立っていた。
「浅田真由。お前を暴行容疑で逮捕する。」
警官の一人が言った。
「ふざけるな。私は、暴行などしてない!!」
お母さんは、警官に抗った。
「でも、近所から通報があったのですよ。奥さん。娘を監禁してる
って言う噂がこの近くで流れているのは以前から知ってましたよ。」
警官はさらりと言った。
「!?それは…。」
お母さんの声が曇った。
186
:
燐
:2011/08/29(月) 15:23:18 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「さ、署でゆっくり話を聞かせてもらいますよ。」
警官は、お母さんの腕に布をかけ、お母さんと一緒に立ち去って行った。
取り残された、私は、お父さんの亡骸を見つめていた。
「お父さん…。」
お母さんを…。追放したのは、誰?
誰だか分からないけど…。
187
:
燐
:2011/08/29(月) 16:43:00 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
私…。束縛から抜けられたんだよね。
でも、何か気持ちが複雑。
188
:
燐
:2011/08/29(月) 18:02:38 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「夜那。」
誠に呼ばれて、私は振り返った。
「な…何?」
「お前は…。絶対生きろ!!お前の父さんが残してくれた命なんだ!
死んだら…。お前の父さんが悲しむだろ。」
誠を私の肩に手を置いて、真剣な目つきで言った。
189
:
明優
:2011/08/29(月) 18:19:06 HOST:i114-182-217-152.s41.a005.ap.plala.or.jp
いいこと言うね♪
かっこいい☆
最後はどんな感じで終わるの?(ネタバレしない範囲でいいよww)
190
:
スズラン
:2011/08/29(月) 18:20:46 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
ボ・・・ボスゥ!!
なんやねん!いい小説書いてるやん!
はははwwかーさんざまー見ろww
自業自得のブッチョやろ〜ww
((私、悪になってるなwwしかも、体型分からんのにww
ま・・。誠さ〜ん!!
これから、誠さんのこと、誠師匠って言う!!
誠さんエエ言葉言うなww
夜那さん、良かった!
おとぎ話の最後のエエ結末やなww
頑張れ! ボス!
長くなってすみまへんww
191
:
燐
:2011/08/29(月) 18:23:14 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
明優>>最後か・・・。
曖昧やなぁ・・。
ハッピーエンドで終わるかもしれへんし、
バッドエンドで終わるかもしれへんw
予測不能やww
ま、楽しみにしといてw
192
:
燐
:2011/08/29(月) 18:25:18 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
スズラン>>
そうw誠sエエ事言うねんw
ドSやけどなw
でも・・なw
この後・・災難降りかかるねんなw
ネタバレ言ってもいいんか・・;
193
:
燐
:2011/08/29(月) 18:49:07 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「そ…そうだけど…。お父さんの亡骸…。どうすればいいのか分からないし…。」
私は戸惑った。
「とりあえず…。救急車呼んだ方がいいよな。」
誠はポケットからケータイを取り出し、番号を押そうと思ったその時。
「うっ……。」
誠は胸を押さえて、うずくまった。
「誠……!!?どうしたの…!?」
私は誠に駆け寄り、寄り添った。
誠は苦しそうに、倒れた。
誠の身体から汗が流れ落ちた。
「とにかく、救急車を呼ばないと…。」
194
:
明優
:2011/08/29(月) 19:00:35 HOST:i114-182-217-152.s41.a005.ap.plala.or.jp
楽しみにしておく^^
作者も予測できない終わりなんだね。
ますます楽しみなんですけどっ!
195
:
燐
:2011/08/29(月) 19:19:40 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
明優>>たぶんww
196
:
燐
:2011/08/29(月) 19:42:48 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
私は誠の持っているケータイに番号を入力した。
「あの…。助けてください!!」
私は、無我夢中で事情を説明した。
3分後―――…
誠の家の前に救急車が来た。
誠の家の庭に救急隊員がお父さんの亡骸と誠を救急車の中に運んだ。
これが、私の運命なのですか―――
誠を失いたくない――
そう思った――
197
:
燐
:2011/08/29(月) 20:09:44 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
私は呆然とそれを眺めていた。
私はボロボロの足で、救急隊員に駆け寄った。
「あ…あの!私も病院に連れて行ってください!誠と一緒に居たいんです!
お願いします。」
私は頭を下げた。
「いいですよ。さ、入ってください。」
救急隊員の一人は私を救急車の中に入れてくれた。
誠は寝ているのか、目を瞑っていた。
私は誠の寝ている横に座った。
ごめんね…。
私のせいで…。
本当にごめんね…。
私は心の中でそう思った。
私の両目から涙が落ちてきた。
悲しい――
苦しい――
この想い―どうすればいいの――…?
198
:
燐
:2011/08/29(月) 21:17:23 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
私は頭を抱えた。
こんな想いをするくらいなら死んだほうがマシなのに…。
誠の家から、病院まで5分。
病院の玄関前に着くと、救急車は停車した。
後ろの扉が開いて、私は降りた。
私は、病院を眺めた。
とても壮麗で、見てる私も心が穏やかになった。
199
:
燐
:2011/08/29(月) 21:31:25 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
4, 彼方
私は病院に駆け込んだ。
病院は静まり返っていた。
客は数人程度。
私は、病院のソファに座った。
もう私…。
私の眼からまた涙が溢れてきた。
200
:
燐
:2011/08/29(月) 21:32:22 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
コメしますww
いよいよ、クライマックスですw
もしかしたら・・第2期があるかもしれません・・。
後半は少し雑になってしまい・・すみませんw
201
:
燐
:2011/08/29(月) 21:39:59 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
私はそのまま眠りについた。
数時間後――――
私はふいに目を覚ました。
辺りを見回すと、病院の窓から温かい光が差し込んできた。
眩しい――
そう思った。
そう言えば、私…裸足なんだよね。
生まれてからずっと裸足。
靴なんて履いたことない。
私は、手首を見た。
未だに、手錠の痕が残っている。
私は、病院の時計を見た。
午後4時になっていた。
「夕方…。」
私はそっと呟き、立ち上がった。
202
:
ライナー
:2011/08/29(月) 22:43:48 HOST:222-151-086-015.jp.fiberbit.net
ども、ライナーです^^
200≫切りおめでとうございます!
いよいよクライマックスですか……早いものですね。(実質一ヶ月もかかっていないようですが^^;)
やはり情景模写が上手いですね、良い雰囲気出てます^^b
……っと、またもやアドバイスです。うざいですね〜、嫌になっちゃいますね〜まともな小説書いてない人間に何度も批評されるのは……
今回は文の終わり方についてです。
例えば、198≫がその例ですね。
病院の玄関前に着くと、救急車は停車した。
後ろの扉が開いて、私は降りた。
私は、病院を眺めた。
とても壮麗で、見てる私も心が穏やかになった。
と、ありますがこれはいけません^^;
何故かというと、前回したアドバイスでも言ったように、テンポが悪くなります。ですからこの場合は、
病院の玄関前に着くと、救急車は停車した。
後ろの扉が開き、私は降りながら病院を眺める。
それはとても壮麗で、見てる私も心が穏やかになった。
という感じです。同じ「た。」での終わり方にするより、文の最後をちょこっといじってみると良いですね^^
それと、「それは」のように何を示しているのかもう少し具体的にすると良いでしょう。
最後のアドバイスでは、比喩表現ですね。これを入れるとだいぶ表現が変わり、より分かりやすく情景が伝わります。
試しに、先程直した文に入れてみましょう。
病院の玄関前に着くと、救急車がエンジンの音を静めゆっくりと停車した。
後ろの扉が開き、私はゆっくりと足を下ろしながら病院を眺める。
それはとても壮麗で、安らぐような雰囲気に私の心は穏やかにされていた。
まあ、これが僕なりの完全最終形体です(笑)
ではでは、ご参考までにwww
203
:
燐
:2011/08/30(火) 10:51:00 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
ライナーs>>
上手すぎるじゃないですか\(^o^)/
てか・・私の小説はまだまだやな・・・。
ライナーsはやっぱ尊敬するわw←
またまたアドバイスありがとうry
204
:
燐
:2011/08/30(火) 11:37:51 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
ふらふらした足で、私はロビーの受付に行った。
「あ…あの!」
私は、受付に居る20代くらいのお姉さんに聞いた。
「何でしょうか。」
「えっと、神頼 誠さんの病室って何処ですか?」
私はおどおどした声で言った。
「少々、お待ちください。」
そう言うと、受付のお姉さんは手元にあった、ファイルを開き、何かを探し始めた。
「神頼 誠さんですよね。その人なら、502号室に居ますよ。ご案内しましょうか?」
「はい。お願いします。」
私は、お姉さんにそう言うと、その人の後を着いて行った。
205
:
燐
:2011/08/30(火) 17:34:47 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「ここですよ。」
受付のお姉さんが私を病室へ案内してくれた。
「ありがとうございます。」
お姉さんは私に頭を下げ、去ってしまった。
私は、病室のドアに手をかけ、横に開いた。
私は音を立てないように、部屋に入った。
ドアは自動ドアだった為、静かに閉まった。
私は横にあった、パイプ椅子を手に、ベッドの横に座った。
誠の右腕には点滴がしてある。
見るのが痛々しかった。
私は俯いて、服の裾を持って、目から涙を流した。
「ん?夜那…か?」
その声に私は顔を上げた。
「誠…。良かった。」
私は誠に駆け寄った。
「どうしたんだよ…。夜那…。」
誠は右手で私の頭を撫でた。
「何か安心しちゃって…。」
私は目に付いた涙を拭き取った。
206
:
燐
:2011/08/30(火) 18:30:58 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「でも、大丈夫だから。心配すんなよ。」
誠は私の頬を触りながら、言った。
また私の目から涙が溢れてきた。
「泣くなよ。俺まで悲しくなる。」
誠はそう言った。
「うん。そうだね。」
私は腕で涙を拭き取った。
2人に沈黙が訪れた―――…
207
:
麻実
:2011/08/30(火) 18:32:51 HOST:i121-118-203-47.s10.a045.ap.plala.or.jp
うわw
うますぎw
続きが気になるw
頑張ってね!!!
208
:
燐
:2011/08/30(火) 18:34:04 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
麻実>>上手くないよ;;
下手だからww
209
:
燐
:2011/08/30(火) 22:27:36 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「あのさ…夜那。」
誠はふいに言った。
「な…何?」
私は言った。
「もし…。俺の病気が治ったら、一緒にどっか行かねぇか?」
誠の意外な言葉に私は緊張してしまった。
「ど…何処に?」
私は戸惑いながら言った。
「どっかさ。海外とか…。」
「か、海外!?何で…?」
私は驚いた。
「お前と行ってみたいんだ。俺さ…。この人生の中で旅行とか、連れて行って
もらった事がないんだ。」
「そうなんだ…。」
誠の話を聞いてると、涙が止まらない。
駄目…。泣いたら…
「夜那?」
誠が私を心配した。
「な…何?」
私は言った。
「また泣いてるのか…?」
誠の図星に私は黙った。
「なら、この話は辞めるよ。夜那が嫌がる事は俺はしない。」
誠の真っ直ぐな言葉に私は、心が揺れた。
「……。誠。」
私は言葉が曇った。
「何?」
「何か欲しい物とか、ある?」
私は誠に尋ねた。
210
:
麻実
:2011/08/30(火) 22:31:55 HOST:i121-118-203-47.s10.a045.ap.plala.or.jp
それは夜な、お前だとか言われたら胸キュン!
頑張ってねw
211
:
燐
:2011/08/31(水) 12:28:48 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「…別にない。」
誠は悲しそうな顔を浮かべながら言った。
「そう…。」
私は肩を下ろし、深いため息をついた。
「何で、悲しい顔すんだよ。」
誠は私を心配しながら言った。
「だって、誠も悲しそうな顔をしてるものだから…。」
「……」
誠は黙ってしまった。
「そう言えば、誠の両親は?」
私は聞いた。
「…仕事だよ。共働き。」
「そう…なんだ。」
誠は目を瞑った。
212
:
スズラン
:2011/08/31(水) 13:19:08 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
ま・・・。誠師匠!!!!
ヤバス!
病気にかかったのか・・・。
ふっふっふっ!!
かーさん死んでよかったぜ!
((いまだにヒドイ事言ってるw
お姉ちゃん200とバスb!
((ヤバスのパクリw
これからもがんばってな!
213
:
燐
:2011/08/31(水) 14:37:01 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
ふふふwwって何やねんww
214
:
燐
:2011/08/31(水) 16:10:42 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「笑えるよな。大切な一人息子なのに俺より仕事が大事なんてさ。
俺を道具扱いかよ。」
えっ…。
「道具…。」
誠も私と同じ…人を「物」として生活してきた…?
215
:
燐
:2011/08/31(水) 19:44:08 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「誠は一人じゃないよ…。私が居る。寂しくなんかないじゃない!
悲しくなるよ…。誠がそんな話をしてると…。」
私は泣きながら言った。
「じゃ、辞めるよ。ごめん。」
誠は、首を横に向けながら言った。
「誠のせいじゃないよ。」
私は言った。
「誠はいつだって、私を元気づけてくれたんだから!今度は私が
元気づける番だよ。」
私は笑顔を見せながら言った。
「夜那…。」
誠は私の手を握った。
「兎のキーホルダーあるだろ?あの後ろのチャック開けてみろ。」
私は誠に言われ、兎のキーホルダーをポケットから取り出した。
キーホルダーの後ろを見てみると、チャックがついていた。
私は何の躊躇いもなく、チャックを下に引いた。
その中には、何やらわっかみたいなのが入っていた。
全体が銀色で宝石が所々埋め込まれていた。
「これ…何?」
私は誠にそれを見せた。
「…それは指輪だよ。お前の為の。」
えっ…。
「つけてやるよ。左手を出して。」
「何で左手?」
私は尋ねた。
「いいから。」
誠に言われ、私は左手を差し出し、左手の薬指に指をつけてもらった。
「ありがとう…でも、何の意味があるの?」
「ま、俺達の愛の証だな。」
誠は笑った。
216
:
明優
:2011/08/31(水) 19:50:30 HOST:i114-182-217-152.s41.a005.ap.plala.or.jp
遅れたけど、200突破、おめでとう☆
これからもファンでいさせてください☆
217
:
燐
:2011/09/01(木) 14:56:07 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「愛の証…?」
私は首を傾げながら言った。
イマイチ、意味が分からない。
でも何か心の中が熱いような…?
気のせい……?
「ま、いつかお前にも分かるよ。」
誠は言った。
「そう、だよね。」
私は言った。
「夜那。お前にこれやるよ。」
誠は病服のポケットからある物を取り出した。
それはブレスレットだった。
ワイヤーに石が通してある。
とても綺麗だった。
「でも…。」
「いいから。」
誠は私にブレスレットをくれた。
218
:
燐
:2011/09/01(木) 18:04:08 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
私はさっそくブレスレットを右腕につけた。
それは私の腕にフィットしていた。
「似合っているぞ。夜那。」
誠は笑いながら言った。
その時。私の肩にずっと止まっていた青い蝶が肩を離れ、誠の所に行った。
そして、誠の右手の中指に止まった。
「何か…誠の事、気に入ったみたいだね。」
私は言った。
219
:
燐
:2011/09/01(木) 18:08:33 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
明優>>ほいほい(^^♪
ありがとう!!!
道化師と仮面もよろw
220
:
燐
:2011/09/02(金) 15:55:51 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「そうか?俺には何かを伝えてるように見えるが。」
誠は言った。
「…?」
私は意味が分からなかった。
「ま、いいさ。」
誠は悲しそうな顔をしながら言った。
221
:
燐
:2011/09/02(金) 17:57:06 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「じゃ、私帰る…。」
私は後ろを向いた。
本当は帰りたくない。
ずっとここに居たいけど…。
222
:
燐
:2011/09/02(金) 18:54:27 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
でも迷惑はかけられない…。
私は手を握った。
「何で?今日、泊まっていけよ。」
誠は言った。
「いいよ…。め…迷惑とかかけたくないの…。」
「迷惑なんかじゃない…。寧ろお前が居た方が楽しくなるんだ。」
誠は真剣に私の顔を見ながら言った。
223
:
燐
:2011/09/03(土) 14:18:00 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
私は迷った。
「…じゃ、そうする。」
224
:
燐
:2011/09/03(土) 17:38:19 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「ありがとう。」
誠は私に礼を言った。
「でも、何処で寝ればいいんだろ。」
私は考えた。
さすがに、誠の横では寝れないし…。
う…ん…。
225
:
燐
:2011/09/04(日) 19:33:42 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「待合室に寝たらどうだ?」
誠は私に提案した。
226
:
燐
:2011/09/04(日) 20:39:50 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「そうだね。」
私は立ち上がり、ドア方面に向かおうとした。
「あ…夜那。」
誠が私を引き止めた。
「何?」
私は、誠の所へ向かい、前に立った。
「これ持ってけ。」
誠は病服のポケットから、財布を取り出した。
「いいよ…。誠。それは誠のお金なんだよ。」
私は拒否した。
「…。いいからさ…。もし俺が死んだら、お前が困るだろ…。」
私は誠の財布を預かった。
「死んだら…死んだら駄目だよ……。」
私の眼に涙が浮かんだ。
227
:
燐
:2011/09/04(日) 21:34:43 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「死んだら絶対駄目だ!!!誠が死んだら悲しむ人が居るから!!!!!」
私は必死で誠に言った。
「夜那…。」
誠は夜那の頬を触りながら言った。
「誠……。」
私は誠の右手首を握った。
冷たい手。
でも、心は温かいんだね。
「…。誠。」
私…誠が好きなのかな……?
分からないよ…。
でも、誠は私が好きなんだよね。
私も好きなのかな…?
でも胸の奥が熱い…。
この感情は何?
「夜那。顔が赤いぞ。大丈夫か?」
誠は私を心配してくれた。
「うん。大丈夫。」
私は涙を拭き取った。
228
:
燐
:2011/09/05(月) 12:43:59 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「じゃ、そろそろ行くね。明日の朝にはここに来るね。」
私は誠に別れを告げ、病室を後にした。
病室を出た私は、一気に泣き崩れた。
「ひっく…ひっく…。誠ぉぉ……。」
私は身体を抱え、1階の待合室に向かった。
229
:
明優
:2011/09/05(月) 13:12:05 HOST:i114-182-217-152.s41.a005.ap.plala.or.jp
久々のコメントです☆学校行事忙しくてコメントできなかった・・・。
あまり読み進めてないと思ってたら結構読んでたww
だから早く続きが読みたいです☆
230
:
燐
:2011/09/05(月) 13:38:21 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
1階に向かうと、ロビーは静まり返っていた。
ふと私は上を見上げると、時計は午後7時を指していた。
私は待合室のソファーに腰を掛けた途端、私は横に倒れこんだ。
誠……。
私は歯を食いしばり、涙を堪えた。
私は首だけを上に向けた。
そこには天井があるだけ。
あとは何もない。
231
:
燐
:2011/09/05(月) 13:41:54 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
明優>>やぁやぁやぁ!!!!
エエよんww
232
:
明優
:2011/09/05(月) 14:16:02 HOST:i114-182-217-152.s41.a005.ap.plala.or.jp
これからは、なるべくたくさんコメントしていきたいので
よろしくね☆
233
:
燐
:2011/09/05(月) 14:16:59 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
明優>>エエよw
うんww
234
:
燐
:2011/09/05(月) 15:28:21 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「あら、貴方はあの時の。」
私は横を向くと、夕方、誠の病室を教えてくれたあのお姉さんだった。
「お姉さん…。」
お姉さんはにっこりと微笑んだ。
「どうしたんですか?」
お姉さんは私の横に座りながら言った。
「いえ…その…。」
「何か私に話せる事があったら話してもいいのよ。」
お姉さんは私にそう言った。
「いいです…。」
「そう…。神頼 誠さんの事でも悩んでいるのかしら?」
「えっ…!?」
私はお姉さんの図星に答えられなくなった。
「どうして分かったのですか…。」
「なんとなくですよ。」
「そうですか…。」
私は肩を下ろした。
「あの!私、今日ここで寝るので、毛布とかありませんか…?」
私は聞いた。
「ありますけど…今日ここで寝るんですか?」
お姉さんの察知に私は硬直した。
「はい…。他に寝る所がないんで。」
「分かりました。では、持ってきますから少々お待ちください。」
235
:
燐
:2011/09/05(月) 17:05:40 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
数分後、お姉さんが毛布を片手に私の元に戻って来た。
「はい。どうぞ。」
お姉さんは私に黒色の毛布をくれた。
「あ、ありがとうございます。」
私はお姉さんに礼を言った。
「私はこれからまた仕事があるから行くわね。何かあったら言ってね。」
そう言うとお姉さんは行ってしまった。
236
:
燐
:2011/09/05(月) 17:33:18 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
コメしますw
えっと・・・。何から話せばいいのか分かりませんけど・・。
ぶっちゃけ、この物語は第2期があると思いますw
続編的なwはい・・。
でも、ネタバレになるんで、今は伏せておきます。
第2期の話はですね・・・。主人公は変わらないんですが・・。
何かが変わると思いますw
はい。。
なので楽しみにしておいてくださいw
237
:
雛菊
◆h28m2qQSeY
:2011/09/05(月) 17:51:01 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
こちらでは初めましてー!
全部読んでたらなかなかコメできなかった…;
すごく面白いーw
お母さん最低だなぁっ((←この話題結構遅い??
238
:
燐
:2011/09/05(月) 18:17:35 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
雛菊>>別に遅くないですねw
いつか出てくるかも!?
239
:
燐
:2011/09/05(月) 19:26:00 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
私は毛布を被り、ソファーに身を任せることにした。
毛布は温い。とっても。
私はすぐに深い眠りに落ちて言った。
翌日―――――――……
私は何かの足音で目が覚めた。
何やら看護師や医師達が慌しく動いていた。
「何があったんだろう…。あ、誠の所に向かわなくちゃ…。」
私は毛布を持って、誠の病室に向かった。
240
:
雛菊
◆h28m2qQSeY
:2011/09/05(月) 19:30:19 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
燐>ならよかったぜぃw
これ以上出てくると夜那が大変なことになっちゃうねw
そっちのほうがおもしろいけど。
がんばってくださーい!
241
:
燐
:2011/09/05(月) 19:31:56 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
雛菊>>うんw
そう壊れるなww
てか・・この小説さ・・第2期あるかもしれへんねん・・。
242
:
燐
:2011/09/05(月) 19:38:26 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
私はエレベーターで5階に向かった。
誠の病室のドアに手をかけて、大きく深呼吸した。
私はドアを開けると、誠は居なかった。
点滴は外されていた。
「誠…。まさか…。」
私は病室を後にして、ある所に向かった。
243
:
燐
:2011/09/05(月) 20:42:33 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
私は裸足である場所に向かった。
私は5階から最上階まで階段で上った。
私は最上階に着くと、地面に足をついた。
ここまで走ってきた。
息が切れるのも当たり前だ。
最上階には病室がない。ただ、正面に扉がある。
その扉が少し開いていた。
私は扉を開くと、そこには見慣れた人影があった。
「誠…。」
青いストライプ柄の病服の誠は振り返った。
「夜那か。どうした?昨日はよく眠れたか?」
誠は言った。
「うん。眠れたよ。でも、何でこんな所に居るの?」
私がそう言うと誠はこう言った。
「この景色を見たかったんだ。」
誠はそう言うと、私は誠の元に向かった。
「うわぁ…綺麗……。」
私は病院の屋上から外の景色を見ながら言った。
「この景色が永遠だったらいいのにね…。」
「そうだな。」
2人は無言のまま。1時間が過ぎた―――……
「そろそろ戻ろう。誠。」
私は引き返そうとした。その時。
私の肩に手が置かれた。
その手が私の胸元で交差した。
「もう…離したくない。お前を。」
私の後ろで誠の声がした。
「お前が俺を嫌いでも、俺はお前が好きだ。もし俺とお前が離れ離れになっても
俺とお前は繋がっている。いつでも。いつまでもだ。」
「誠…。私は誠が嫌いじゃない。好きでもない。」
私は泣きながら震えた声で言った。
「?」
やっと分かったよ。お父さん。
誠は夜那から離れた。
私は振り返り、ただ一言こう言った。
「私は誠を愛してる。」と。
244
:
燐
:2011/09/05(月) 20:49:52 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
誠はその言葉に硬直してしまった。
「私、やっと分かったんだ。貴方を愛してるって事を。」
私の真っ直ぐな答えに、誠は夜那に近寄った。
「ありがとう夜那。この言葉が聞けて嬉しいよ。」
誠は夜那の頭を撫でた。
「でも、夜那。ずっと黙っていた事があるんだ。」
245
:
燐
:2011/09/05(月) 21:34:43 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「何?」
誠は深刻そうな顔でこう言った。
「来月、日本を発つんだ。」
「えっ…。」
誠は私に背を向け、淡々と言葉を口にした。
「大きな心臓の手術を受けなくてはならないんだ。それには莫大な費用がかかる。
けど…俺はそれに受けなくてはならない。その手術を受けたら、俺の病気の再発は
無くなるかもしれない。」
「でも…それっていつ日本に帰ってくるの…?それに、それに失敗したら
誠は死ぬんじゃないの……?そんなの嫌だよ…。」
私は地面に座り込んだ。
「お前を置いて死ねるかよ。俺はお前の為ならどんな事でも尽くそうと思っているんだからさ。
そんな悲しい顔すんなよな。もし俺が無事帰還したら、その時は笑顔で迎えてくれよ。」
誠は笑顔で言った。
246
:
明優
:2011/09/06(火) 10:34:55 HOST:i114-182-217-152.s41.a005.ap.plala.or.jp
ヒントもらいにきました☆
247
:
燐
:2011/09/06(火) 14:52:30 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「でも、お金はどうするの…?」
私はおそるおそる誠に尋ねた。
「…俺の家は昔から貧乏だから、そんな金はない…。国からの資金は出してもらいけど、
そんなの頼めないよ。だから、俺の病気の費用は、俺の家にある金と銀行にある金全財産
を使って、俺の病気の費用に使うんだよ。」
「それじゃ…家も売り払わなくてはならないの…?」
私は言った。
「うん。でも、いいんだ。俺はお前と一緒に居るだけで十分だよ。」
誠はそう言って誤魔化した。
「何で私を優先するの…?誠だって、遠慮とかしなくていいんだよ。」
私は言った。
「遠慮なんかしてないよ。夜那は心配性だな。」
そう言って誠は私の髪を触った。
誠の指が私の髪の間をすり抜けていく。
私は思わず眼を閉じた。
何か緊張する…。
どうしてこんなに……。
「夜那?どうかしたか?眼なんか瞑ってさ。」
誠はそう言うと、私の髪から手を離した。
「えっ…。あ…何でもないよ。何でも。」
私は緊張しながら言った。
「さ、戻ろうか。夜那。」
誠はそう言った。
「うん…。」
私は誠の後ろに着いて行った。
「夜那。ここは恋人らしく手を繋がないか?」
誠は振り返り、笑顔で私に言った。
「こ、恋人!?………。」
私は恥ずかしくなって眼を逸らした。
「恋人って言うより、愛人か。」
誠はさらりとその言葉を口にした。
「あ、愛人って……。大げさすぎるよ…。」
「あれ?お前、愛人の意味は知ってるんだな。」
誠は私を馬鹿にしているように言った。
248
:
燐
:2011/09/06(火) 14:53:40 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
明優>>おお!!!
ヒントか・・・。
ま、最終回?は・・・悲しい面もあれば、いい面もあるなw
249
:
雛菊
◆h28m2qQSeY
:2011/09/06(火) 16:39:06 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
燐>第二期!?
やったーw
第何期になったって読むよw
250
:
燐
:2011/09/06(火) 16:43:10 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
雛菊>>うんw
第2期計画中w
何かこのまま終わったら変やんかw
だからさw
251
:
燐
:2011/09/06(火) 17:05:33 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「も、もちろんだよ!!!」
「ふーん。ま、いいか。さ、戻ろうぜ。」
「うん。」
私は誠に寄り添って、手を握った。
「夜那の手。温かいな。」
誠は言った。
「誠の手も温かいよ。誠は優しくてとても温厚な人だよ。私はそんな誠が好きだよ。
今は、この瞬間を楽しんだらいいよね。」
私はそう言った。
「そうだな。夜那の言葉はいつも勇気が湧いてくる。」
「そうなの?私も誠からいっぱいいろんな事を教えてもらい、私を気づかせてくれた。
本当にありがとう。」
私は前を向きながら言った。
私と誠は、最上階から5階まで二人で降りた。
私の足は裸足の為、病院の地面の冷たさが伝わってきた。
私は誠の病室に着いた。
誠は病室の扉のとってに手をかけ、開いた。
病室の中に入ると、一人の人影があった。
「母さん…。どうして…?」
誠の言葉にその人影は振り返った。
252
:
雛菊
◆h28m2qQSeY
:2011/09/06(火) 17:23:42 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
燐>うぬ、確かにw
楽しみにしてるよー^^
母さん!?…あ、誠のか((←
253
:
燐
:2011/09/06(火) 17:30:28 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
雛菊>>そうw
誠のお母さん登場です!!!
254
:
燐
:2011/09/06(火) 17:37:20 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
「あら。誠。何処行ってたの!!?心配したんだから!!!!!」
誠のお母さんは誠に駆け寄った。
「大丈夫だよ。母さん。でも、母さん仕事は?」
「早退してきたわ。上司に言って。」
誠のお母さんはそう言った。
「母さん…。俺…誤解してた。」
「誤解なんてしなくていいのよ。うん。あら、横の女の子は?もしかして彼女?」
お母さんはにやにやしながら言った。
「うん。」
「そっか。アンタにこんなぺっぴんさんの彼女が居るなんて、お母さん嬉しくなっちゃうわ。
名前何て言うの?」
誠のお母さんが私に聞いた。
「夜那です。」
私は淡々と言った。
「夜那ちゃんね。いい名前ね。」
誠のお母さんにそう言われ、私は嬉しくなった。
「あ、ありがとうございます。」
「さ、私はもう行くわね。後、夜那ちゃん。少しお話していいかしら?」
「えっ…は、はい。」
私はお母さんの横についた。
「誠はここで待ってて。夜那cと話をしてくるからね。」
「分かったよ。母さん。」
病室に誠を残し、私と誠のお母さんは誠の病室を後にした。
255
:
燐
:2011/09/06(火) 17:57:28 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
私とお母さんは誠の病室の横にある、二人がけソファーに座った。
「で、お話って何ですか?」
私は誠のお母さんに尋ねた。
「誠…。来月、手術の為にアメリカへ行くの。知ってる?」
「はい。誠さんから聞きました。」
256
:
明優
:2011/09/06(火) 18:05:10 HOST:i114-182-217-152.s41.a005.ap.plala.or.jp
もっともっと見たいなぁ♪
ネタ切れしない程度に更新多くしてほしい☆
257
:
燐
:2011/09/06(火) 18:07:23 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
明優>>いや・・ネタ切れないよw
うん。
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