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光と闇・陰と陽

7悠杏:2011/08/03(水) 18:38:18 HOST:p4056-ipbf2403sapodori.hokkaido.ocn.ne.jp

『世継ぎとして生まれた双子の片割れが盲目』

その噂は瞬く間に城内に広がり、それを知らせる場として使った大広間は困惑と不安によるざわめきで溢れていた。
もちろん王位継承権は兄に与えるつもりではあったが、その弟が盲目と知られれば他国による崩壊は免れないだろう…セルディとレベイユは、心苦しい判断を迫られ…決断した。

『キルドを幽閉する』…と。

北にはフィオーリ、南にはカルディア…西にはバラリオ、そして東にはクロイツと四方を囲むのは強国ばかり。
ここで不利を見せては国を滅ぼす事になる…家臣たちの意見でもあり、王・王妃もそれが最善と認めた上での決定。

ただ一人―――ルストだけは“泣く”という否定をみせたが、所詮は幼子…殆ど状況を理解していないであろうその行動を見ても、適当にあやすだけだった。

―――明朝、僅か三歳のキルドは容赦なく城の地下牢へ押し込まれ、少し経った後森に捨てられた。己が今どのような状況にあるのかを察する事も出来ず、何も分からないまま…。

そして現在。王族のみが知るその出来事は月日の経過によって風化を辿り、今では『双子の弟を幽閉する』そう宣言したあの場に居合わせた者しか覚えていない…という状態になっていた。…と言っても、当時三歳のルストの記憶に残っているはずもなく“弟がいた”という事実、それだけを知らされている。
両親に良く似た銀色の髪と、翡翠の瞳。立派な王子に成長したルストは、今日も父・セルディの指示の元見知らぬ“殺人鬼”の情報を集めていく。

「ご安心下さい、父上。私が必ず突き止めてみせます」

悲劇がすぐそこまで迫っているとも知らずに―――…


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