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MAGIC MASTER
7
:
竜野翔太
◆sz6.BeWto2
:2011/06/26(日) 13:49:08 HOST:p3161-ipbfp3105osakakita.osaka.ocn.ne.jp
黒コートの男は盗賊『グリード』の男達をなぎ倒していく。一振り一振りが強力で、一度に三、四人を倒している。それでも倒している相手全てが峰打ちで済まされている辺り、男には余裕があるのだろう。
一方、カンナもカンナで奮戦していた。右腕で相手を殴り、背後からの攻撃は蹴りで応戦し、地面に手をつき、氷の刃を地面から出し、敵の数を徐々に減らしていく。
しかし、倒したと思っていた男が起き上がり、渾身の力でカンナの頭部目掛け木刀を振るう。
カンナは反応できず、振り返って攻撃が来るのを待っているだけとなってしまった。
だが、男の顔の横に蹴りが炸裂する。
カンナを助けたように見えた、黒コートの男はカンナに背を預け、
「余所見してんじゃねぇぞ、氷の女帝。後ろは任せた」
「アンタこそ、ヘマしないでよね」
二人はお互いに背中を向けて盗賊を倒していく。
「……クッソォ!!オイ、ジェゾ!どういうことだ、氷の女帝一人じゃなかったのかよ!!」
自分の仲間が倒されていく様を苛立った様子で眺めている三十代後半ぐらいに見える男は、口の周りに髭を生やした、集落を襲った時のリーダー、ジェゾに尋ねる。
ジェゾは慌てた様子で、
「す、すいません!ですが、奴らの体力もそろそろ……人海戦術はどんな相手にも………」
ジェゾの言葉はそこで途切れた。
何故なら、後ろからカンナがジェゾの背中へと氷の鎧に覆われた拳を叩き込んだからだ。
倒れたジェゾを『グリード』の男は大きく口を開け、この世の終わりのように見つめている。
「……あり?お前さん……他の奴らは?」
カンナは言葉を全く発さずに親指で自分の背後を指す。
そこには、倒れている男達の中にたった一人だけ黒コートの男が一人を足蹴にして立っていた。
状況が理解できた男に、カンナは笑顔でこう告げる。
「あとはアンタだけだよ」
天使のような笑顔だが、男にはただただ絶望を生み出す笑顔だった。
カンナは地面に手をつけ、巨大な氷の腕を地面から生やす。カンナの腕の動きとリンクしているその腕はカンナの右脳でと同じように固く拳を握り締め、
「……まあ、私が馬鹿だったよね。やっぱり、あれだけ懲らしめても全く反省してない……。ちょっとは効いたと思ったんだけど……ね」
キッと男を睨みつけてカンナは右腕を振りかぶる。
男は目を大きく見開き、
「………、待……ッ!」
「吹っ飛べ、悪党がッ!!」
ゴッ!!という鈍い音とともに、男は森の空を飛び、遠くの方へと飛んでいく。黒コートの男は姿が見えなくなるまで手をかざし、飛んでいく相手を見ていた。
「さて、と……。んじゃ、決着つけようか!」
カンナは腕をぶんぶん回して黒コートの男へそう告げるが、男は溜息をもらし、刀を腰の鞘に納める。
その光景にカンナはきょとんとしているが、男はカンナを見て、
「……疲れた。戦いはまた今度な」
その言葉にカンナは大きな声で『えー!!』と反論するが、男は気にも留めず、
「また会った時につけてやる、じゃあな氷の女帝」
男は手を軽く振って去っていこうとするが、カンナは相手を止める。
男は足を止め、目だけをカンナへと向ける。
「君、名前は?」
カンナがそう訪ねると、男は視線をカンナから外し、
「………コウヤ。二つ名は…『漆黒の皇子(しっこくのおうじ)』」
コウヤか…、とカンナは相手の名前を繰り返し、
「また会おうね!その時は、絶対に決着つけようねー!」
カンナは叫んで、大きく手を振り、コウヤとは逆方向へと向けて歩き出す。
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