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MAGIC MASTER

33竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2011/10/09(日) 02:55:06 HOST:p3161-ipbfp3105osakakita.osaka.ocn.ne.jp

 コウヤとジークの二人は小手調べ、とでも言うような軽さで刀を交えていた。
 コウヤのは自身の思念魔法(しねんまほう)で生み出した刀、相手のは正真正銘の真剣だ。
 ジークは視界の端に、リリィに敗れたキセルの女を捕らえる。彼女は風圧に圧され、地面にめり込んで動かなくなっている。
 コウヤはフッと笑みを浮かべて、
「いいのかよ」
 言葉にジークは反応する。
 何がだ、と聞き返す前にコウヤが言葉を続ける。
「あの女、名前名乗る前に負けたぞ?」
「……構わんよ。知りたいなら俺が教える」
 そうかい、とコウヤは軽く息を吐く。
 ジークはいつまでも本気を出さないコウヤに苛立ったのか、
「早く本気を出してほしいものだな。それとも、今までが全力などと言わんだろう?」
「まあな。でも、出来るだけ出したくねーんだよなー」
 何故だ、とジークは聞く。
 コウヤは、刀の峰で自分の肩を軽く叩きながら答える。
「まー、あれだ。あまりにも一瞬で倒しちゃうから、かな」
「ほう」
 ジークは眼光を鋭くする。
 淡い光がジークを包み、彼の身体に魔力がみなぎる。
「面白い!そのセリフ、このジークの前でも吐けると言うのか!!」
 眩い光がジークを包む。
 光がはれると、立っていたのは、女だった。
 腰より長めの黒髪に、胸が大きめの侍風の出で立ちの女は、女版ジークと言ったところだった。
 その女をコウヤは見つめて、
「……変化能力(メタモルフォーゼ)か」
「その通り。通常は元の姿の口調になるんだけど、どうやら私は例外みたいなの。どう?貴方に女が斬れるのかしら」
 はー、とコウヤは疲れ果てた溜息を吐く。
 彼は首をある程度鳴らした後、刀の切っ先を女ジークに向ける。
「偽物の女の身体で興奮してんじゃねーぞ、カマ野郎が。要はお前を男と思えばいいだけだ」
「出来るの?今の、私を見て!」
「出来るさ」
 コウヤは笑みを浮かべる。
 女ジークは刀を構えて、走り出す。
「言っておくけど、女のジークは通常より力も、速さも、全てが上なの!アンタがどの程度まで持つか―――」
「ふぅん。じゃあ俺も言っておく」

 次の瞬間、居合いのような速さでコウヤはジークを数箇所斬りつけ、峰でジークを地面に叩きつけていた。

「……ッ!?」
 あまりの速さにジークは自分が何をされたか理解するのに時間が必要だった。
 コウヤは刀を鞘に納めながら、先程の言葉の続きを呟く。
「それがどうした?」


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